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Sweet Bomb NEXT  ~ 今度は異世界で大暴れっ!  作者: 白河・DG・夜舟
転移八日目っ! ~ オーク集団討伐に出発っ!

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70/100

70.わたしが、後を引き継ぎますから

 他の馬車にも人が乗り込み終わって、出発するらしい。

 門をくぐり、しばらくすると。

 城門の上で、炎が巻き起こった。

 竜巻みたい。結構大きい。

「なに、あれ?」

「オラクルの大聖女様の、祝福(ブレス)よ」

祝福(あれが)?」

 何とも言えなさそうな、みーよの顔。

「強そうじゃん。なんで討伐(いっしょ)に来ないの?」

 あたしが言うと、みんな静まり返った。

「あの方は、領主さまの娘で貴族。聖女を名乗っているし、強い理力(フォース)もお持ちだけど、性格が、ね……」

「あれで性格が良ければ、本当の意味でオラクルの聖女様なんだがな」

「ですね」

 エースの残念剣士と、黄色い法服の女性(えらそうな美人)が応えてくれた。

 性格、か。

 ま、お貴族様は、こんな野蛮で汚い遠征に参加するはずはないかー

 いや、でも地域住民の為なんだし、こういうのは聖女様のお勤めなんでしょ?

「あれは、街の外へは一歩も出たことが無い。お前の師匠のシスター・マムとは、全然別だな」

「……はい」

 あら、エースパーティーの魔法使いのおっさん、マムちんをご存じで?

「あれは立派な大聖女だった。惜しいことをしたものだ」

 何よ、その過去形はー

 ま、過去の話、か。

「わたしが、後を引き継ぎますから」

 キッパリと、みーよが言う。

「できるのか?」

「やります」

 つば広帽子の魔法使いの視線に、みーよは真っ向から見つめ返して、視線を逸らさなかった。

「お前、なんか変わったな?」

「そうですか?」

「そうね。雰囲気が変わった」

 黄色の女僧侶ちゃんにも言われた。

「もっと、折れそうな、危なっかしい雰囲気だったのに」

「付き人のおかげなのか、いや、お前自身の変化だな」

 鋭いねー魔法使いのおっさん。

「ま、期待してないが、期待はしておく」

「はい」

 どっちなの? という期待のかけ方にも、みーよは動じなかった。


 後衛職(サポーター)には、後衛職同士のつながりというか、目線の違いというか、連帯感みたいなものがあるらしい。

 んで、前衛、中衛との組み合わせ、バランスのとり方というものもあるようで。

 エースパーティーのリーダー剣士は、メンバー全員を護る防御(ディフェンス)(・タイプ)。ただし、(シールド)は持たない。(メインウェポン)が半分片手、半分両手のバスタード・ソードだからね。

 盾を持ってもいいけど、いざという時は捨てる必要がある。そうすると、お高い防具の回収が本当にできるのか、という葛藤になるんだとか。

 んなこと、あたしに言われてもねぇ。あたし、多分、そんなゴツくて長いヤツ、持たないし。

 狩人さんは遠距離専門(ロングレンジ)。とどめ用のナタは持ってるけど、これを振り回すのは最後の最後らしい。

 で、斧使いはがっつり前に出て(ブル・アタック)、斧をぶん回すのがお仕事。

 あたしと同じだね。

 いや違うだろ、とか言われたけど、違わないよ?

 あたし、接近戦大好き人間(生粋のインファイター)だし。

 わしの邪魔だけはするな、と釘を刺されたけど、それはこっちの話ですー

 オークともみ合ってる時に、一緒くたにその斧で叩き斬らないでね、と念を押し返しておいた。

 やらんやらん、ありえんだろ?

 どーかなー弱ってるのから仕留めるのは定石(セオリー)でしょ?

 そーだが、お前の細腕で、奴らを弱らせるのは時間が掛かりそうだ、牽制だけしてれば、わしが仕留めてやる。

 イラないわよーあんなザコ相手にー

 そーやって油断しているヤツから先に死んでいくんだぞ。

 それはさんせーだけど、あたし油断なんかしないもん。

「はーこれだからおんなは」

「おんなだからなんだっていうのよー」

「もういい。口では、さすがにかなわん」

 なによーそっちから口喧嘩(コミュニケーション)仕掛けて来たクセにー

 ……コミュニケーションって、こんな感じでいいんだっけ?


     ~ ・ ~


 ゆらりゆられて、中継地の村にご到着。

 馬車(キャラバン)自体は、中には入らないらしい。

 いったん休憩を入れて、馬のお世話もして、斥候(スカウト)を出して周囲の捜索。

 日が沈む前に、もう少し先まで向かってキャンプという計画らしい。

 あたしとみーよが出会った最初の村へは、徒歩で2、3日。馬車で1泊2日という話だったけど、出発が速かったから、時間に余裕があるのね。

 村の中に入ろうとしたら、門番のお出迎えだった。

 あたしの事もみーよの事もよく覚えていてくれた。

 熊やオオカミの奉納、とてもありがたかったそうです。

 ゴブリン退治も、とっても感謝されました。

 なので、絶対に忘れるはずはないのだそうです。

 それはどうも、ご丁寧に。なんか照れるわ。

 で、初めてのギルドカードの使用。

 ちゃんと胸の辺りから銅色のカードが出て来た。ホント、どーなってんの?

「ああ、もうEクラスなんですか。さすがですね」

 へえ、詳しいじゃん。さすが門番(プロ)


 中に入ると、村の子供たちが目ざとくあたしを見つけて駆け寄ってきた。

 赤ずきんのお話をしてあげたからね。まとわりつかれて、いや、悪い気はしないわー

 これからお仕事で、オーク集団を討伐に行くよ、というと、大歓声だった。

 だよね、あんなブタ共が集団でウロウロされたら、タマンナイもんね。

 オラクルまで送って貰った御者の中年男と息子は、あいにくの留守だったけど(商売熱心らしい)、村長さんともお話できた。

 先行で派遣された調査団も、この村に行き帰りに立ち寄って、情報を交換していったようで。

 最初の村の辺りでオークの一隊に遭遇、互いにけん制して、大きな戦いにはならずに引き上げたのだそうです。

 かなり組織的な行動みたいで、オークジェネラルか、オークキングさえいるかもしれない、警戒されよ、ということだそうです。

 オークに限らず集団で行動する場合は、補給や戦列の問題があるので、一度に行軍できる距離は限られるけど、集団から派遣される斥候はもう少し自由が利くので、村の近くで姿を頻繁に見るようなら、街まで避難することも考えた方が良いかも、と提案されたみたい。

 小麦の収穫まであと1か月、なんとか留まれないものか、いやしかし、命あっての物種だし、悩ましい。

 ま、とりあえず、あたしらが行って、オークの数を減らしてくるよ、大打撃を与えれば、怖れをなして腐界に帰るんじゃないの?

 というと、ちょっと安心した顔をされた。

 冒険者ギルドから派遣された調査団、かなりきちんと仕事してるみたいね。

 で、コイツはやばいぞ、ということで、あたしらが来てるわけね。

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