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Sweet Bomb NEXT  ~ 今度は異世界で大暴れっ!  作者: 白河・DG・夜舟
転移七日目っ! ~ ぼちぼち、この世界の事が分かってきたもんねっ!

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67.力におぼれて、挨拶なんてどうでもいいと思う連中もいるんだけどね

挿絵(By みてみん)


 模擬剣の使い方を教えようか、と、一応言ってみる。

 あたしに散々怯え切った男の子たちには、酷な話だとは思う。

 だから、断られても別に構わない。

 元々、そういうつもりで女神ちゃんにケンカを売ったからね。

 正直、まだモヤモヤは収まってないけど、この辺はみーよの様子見次第にしてあげる。あの子が大丈夫なら、許してあげない事もないよ。

 で、頭の中を、心を、どうやら読まれなくなったみたいだね。

 観察はされてるんだろうけど、踏み込んでこない? これなくなった? どっちだろ?

 みーよというモニターを通してだけど、多分、そういうことだと思う。

 で、心を読むモニターなんてない男の子たちには、こっちから手を差し出すしかないんだよね。

 後をどうするかは、そっちの話。

「お、お願いします!」

 おーカンタ、勇気あるねぇ。

 あんたホントいい子だねぇ。

「お、俺も、お願い、します」

 へぇーシュラン、ホントにいいの?

 引き下がっても、ダメなやつとか言わないよ?

 あたしが悪いんじゃないけど、原因はあたしだからね。

 ついでにいうと、この程度でビビっているようじゃ、ドーリング(マシンで決闘)なんてできないし、ましてオーク共の討伐なんて、止めた方がいいんだわ。

「わかった。じゃ、握り方からね」

 手ほどきして、あたしも竹刀を出してもらって。

「素振りが基本。正しい振るい方を、何も考えないで出来るように。

 頭を、考えを使うのは、相手の挙動や、自分の動きに相手がどう反応するかの予測に充てる」

 分かったような、分かってないような男の子たち。

「盾を持つなら剣は後ろに隠すようにして、相手に剣先を悟らせない。できれば間合いも知られたくないね。

 盾が無いなら、剣を盾の代わりに使うから、前に出していいよ。でも、やっぱり間合いは知られたくないから、目いっぱいに突き出したりはしないように」

 軽く構えを手ほどきして、利き手の側の足を踏み込むと同時に剣を振るうという素振りをさせる。振るったらすぐに元の位置に戻る、というのが二人にはよく分からないらしい。

「踏み込んで相手の側を抜けていいのは、手ごたえを感じて、とどめを刺すときだけだね。それ以外は、必ず反撃が来ると思っていい。そのときに、最初の位置で相手を見極めているから、かわしやすいんだよ」

 何度かやらせていると、夢中になってきているのが分かる。

 あたしへのわだかまりが、汗と共に流れていくみたいだね。

「じゃ、今覚えた型を使って、あたしに打ち込んできな」

「えぇ?」

「あたしは反撃しない。受け流すだけ。どっちからくる? 二人一緒でもいいよ」

 男の子たちは顔を見合わせ、カンタが手を挙げた。

「いいよ、いつでも来な」

「はい!」

 シュランは、カンタをダシに使って、あたしがどんな対応をするのか、観察したいみたいだ。そーだね、観察は大切。あたしが師匠として教えている事をちゃんと守ってるね。えらいね。

 観察できないカンタは、元気よく上段から斬り込んできた。

 竹刀で受け止めると見せかけて、下がってかわす。

 同時に、剣の裏手に竹刀を回して、返しの剣の上から抑える。

 勢いあまってあたしの側によろけるカンタを、空いた手で受け止め、お腹に押し当ててあげる。

「うわぁん、苦しー」

「最初にしては上出来。えらいね、カンタ」

 頭をなでてやると、剣を捨てて嬉しそうに抱き付いてきた。

「えへへー」

 ま、この頃の男の子の鍛錬なんて、こんなもんだよね?

「じゃ、次、シュラン。本気で来な」

「は、はい」

 あたしの竹刀捌きにタダならぬものを感じたのか、緊張気味に構えるシュラン。

 教えた上段の型は、簡単に見抜かれていると思ったらしく。

 構えを下段に変えて来た。

 それは全然練習してないでしょ? 付け焼刃は、通用しないんだけね。

 ま、身体で分からせればいいか。

 剣を持つ手とは逆の足で踏み込み、巻き上げるように下から剣を振るうシュラン。

 へえ、中々の筋じゃない?

 でも遅いね。しかも見え見え。

 竹刀の先端で、剣を持つ手の側の肘を軽く突く。

 バランスが崩れて、タタラを踏んだシュラン。

 転びそうになるのを、片手で支えてあげる。

「うわっ、す、スイマセン」

「いいよ。勝ちたいもんね」

 習ってない型で仕掛けたことを謝ってきたけど、それは間違ってはいないよ。

 実戦では、相手が予測していない剣技を出した方が有利だからね。

「ただ、上段から袈裟懸けに振り下ろしは、相手が分かっていてもいなくても、振り降ろせるようにはなっておいていいよ。人体の構造上、無理なくキレイに振るえるからね。で、斬ったら元の位置に戻って、相手の反撃に備える。理想は相手に一度も斬られずに斬る」

「はい」

「最初の一撃で仕留められたらいいんだけど、実際はそうもいかない。相手の反撃を受けながら、こちらの攻撃を当てていくようになるから、自分が斬られないのはとても大事な事だよ」

「はい」

「そのための素振り、そのための鍛錬だからね」

「はい」

 いい返事だね。

「じゃ、今日はここまで」

「ありがとうございました!」

 教えてもいないのに、挨拶ができる。いい子たちだね。

 力におぼれて、挨拶なんてどうでもいいと思う連中もいるんだけどね。

 そういうのは一度行き詰まると、そこから先へは成長しないんだよね。

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