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Sweet Bomb NEXT  ~ 今度は異世界で大暴れっ!  作者: 白河・DG・夜舟
転移七日目っ! ~ ぼちぼち、この世界の事が分かってきたもんねっ!

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63.カンタ、余計な事じゃないよ。あんたは正しい

 スリングの収納袋に、革ベルトをもう一枚通して、模擬剣を吊るす。

 こうしてみると、二人とも見習い剣士みたいで、それなりに様になっている。

「似合ってるね」

「そ、そうかなー」

「にーちゃん、似合ってるよ」

「そっか、カンタ、お前も似合ってるぞ」

 二人で歯を出してニヤニヤしている。

「あとは、防具だね。手足に板を挟んで、皮で巻くだけでも結構有効だよ」

「へえ……」

「イクミねーちゃんのは?」

 お、年少さんは鋭いね。

「あたしのは特製。あたしの民族の中でも、かなりレアもん。ホントは、こんなゴチャついたもんは付けたくないんだけど、ヤッパ手足を守るのは大事なんだよね」

 半分分かって、半分分かんない顔。ん-共通語理念(コモンちゃん)、お仕事しろよー

「頭とか胴体は、攻撃には使わないんで、とにかくかわせば大丈夫。んなもん、当たんなきゃいいのよ。手足は、武装が全部故障(なくしたこわれた)とかした場合に、徒手空拳(武器無し)しなきゃなんないから、装甲(なにかを)を少しでもまとわせておけば、全損(重傷)までの時間(タイムラグ)を稼げるでしょ?」

 これもダメかー翻訳が半分を切った(コモンが壊れ気味だ)ね。

 なんでだろ? 普通に初心者解説として(素人にも分かるように)しゃべって(話して)るんだけどな?

「郁ちゃん、郁ちゃん……」

 なによ?

「……この世界の人に“マッチメーカー(現代)”の話をしても、通用しないよ?」

 あ、そっか。そうだった。

 共通語(コモン)に慣れすぎるのも、マズイのか。勝手に翻訳してくれるから、しゃべればなんとかなるとか思ってたわ。

 概念自体が理解できな(この世界に存在しな)いものは、翻訳しようもないんだっけ?

 でもさー他の動画とか漫画とか小説は、その辺はすっ飛ばし(手抜きし)てるじゃん?

 もーちゃんとやってよねーリアル(緊張)感が無いんじゃないの?

 ……だから、誰に言ってるんだろう、あたし?

 みーよが、郁ちゃんは異世界の異民族出身だから、この世界の事はあんまり知らないの、と、世界の理を取り繕(女神ちゃんのご都合)っている、じゃないや、説明し(かばっ)てる。

 ま、この世界の住民ではないあたしにとっては、それほど大事な問題じゃない。その辺は、女神さまがちゃんとしていれば問題ないんでしょ?

 あれ、みーよ、ここ、あたしが睨まれる所?

 あたし、正論しか言ってないよ?

 ついでに言うと、みーよはあたしたちの世界(こっち側)の人間。

 本人の意思でこの世界に来たということにされてるけど、頭の中に声が響いたからここに来ました、は、現代社会では通用しないよ?

 そういうのは、現代では“洗脳”という重罪だからね?

 分かってんだよね、女神ちゃん?

 事と場合によっては、一発殴り(ヤキ入れ)に行くからね?

 あたしの性格、今までの事で存分に分かったでしょ?

 あたしと、みーよ(女神)の間に、アイコンタクト(強い火花)が生じた。

 え? え? って感じで、男の子たちが、あたしらを怯えた様子で見つめる。

 そりゃそうだよね。気持ちは分かる。

 でも、ここは引けない。

 視線(メンチ)切った方の、負け。絶対、譲れない。

「おいカンタ、お前、余計なこと言ってんじゃないよー」

「ゴメン、兄ちゃん……」

 シュランが、おどおどしながら、それでもなんとかしようと、カンタに話を振っている。

 知ってる。女神ちゃん、そんな事で動揺なんかしない事位。

 オークって、頭を半分カチ割られても動けるんだって事位、知ってる。

 力でも知識でも、全然敵わないことも。

 あたしはこの世界ではヒヨコ同然で、右も左も分かんないことも、よく知ってる。

 でも。

 あたしは絶対無敵、絶対に無敵だって事も、自分でよく分かってる。

 ソイツを貫けないときに、負ける。

 だから、突然でもイキナリでも。

 ここは勝負所。

 絶対に譲れない。

 よぉく、知ってるんだ、あたし。

 ……でも、そうだね。

 こういう時は、格下の方から動くのがセオリー(お約束)

 大丈夫、仁義は守るよ。

「カンタ、余計な事じゃないよ。あんたは正しい」

 目線は決して逸らさず、でも、カンタを通して仕掛ける。

 みーよの姿をした、女神ちゃん。

 あたしの存在意義を、どうゴマカスつもり?

 ってか、あたしとこのまま敵対すんの?

 心を読まれているあたしが、なんにもしないままでいるとでも思ってたの?

 そーいうの、前にヤラかして懲りてるんだわ。

 パパを放っておいて、イザという時にヒドい目に遭ってんの。

 あんた、女神様とか言ってるけど、そういうの、自分で経験したことあんの?

 だいたい、マムセンセーを見捨ててオークどもの餌食にしておいて、自分はなんにも悪くないとか、それって虫が良すぎるんじゃないの?

 その場で助けろとは言わないけど、色々とルールがあるんだろーけど、でもさ、慰める位は、してもいいんじゃないの?

 人間を、マム院長を、なんだと思ってんのよ?

 人間になんてそんな価値が無いというなら、最初から人間なんて使ってんじゃないよ。

 みーよを、返してよ。現代に、帰せよ!

 髪が逆立ってるのが、自分でも分かる。

 さぞや“悪い顔”してるんだろうな、ん-分かる。

 男の子たち、これから先、あたしに怯えるんだろーなー

 でもね、ゴメン、ココは譲れないんだわ。

 絶対に、譲れないんだわ。


挿絵(By みてみん)


 大通り、武器屋の店を出て、すぐ。

 男の子たちに模擬剣を装備させて、似合うねーなんて和やかな会話をして。

 あたしの武装について、カンタがそれナニーと、何気に尋ねてから。

 どれ位、時間が経ったんだろう?

 あたしの中では、相当な時間が経ったけど。

 実際は、そうでもないらしい。

「どしたの、郁ちゃん?」

 “素”のみーよが、話し掛けて来た。

 ……戻ったのね?

 女優(アクトレス)を意識して、対応(アドリブ)をかき集めて。

「カンタは間違ってないよって言っただけ。なんでもないよ」

 そ、カンタは間違ってない。

 で、あたしも間違ってない。

 これで何が有っても、あったとしても、あたしは後悔しない。

 女神ちゃん、みーよはアンタのモノじゃない。

 あたしのモノでもない。

 みーよは、みーよのモノだ。

 その仁義を踏みにじるなら、あたしは何が有ってもアンタを殴りに行く。

 ココロ、読めるんでしょ?

 よーく、分かったわよね?

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