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Sweet Bomb NEXT  ~ 今度は異世界で大暴れっ!  作者: 白河・DG・夜舟
転移七日目っ! ~ ぼちぼち、この世界の事が分かってきたもんねっ!

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62/72

62.なじむ。すごくしっくりくる

 冒険者ギルドを出て、鍛冶屋に向かう道中で、男の子たちが変な事を言いだした。

「俺たちは留守番、だよな?」

「だって僕たち、冒険者ギルドの会員じゃないもん」

「だよなー」

 あらあら、行く気になってたの?

「だってー参加するだけで金貨1枚だぜ? 冒険者って、すげー儲かるんだなぁ」

「かっこいいよねー」

「なー」

 そんなもんかなぁ?

 荒くればかりで、口も態度も悪いよ?

 きちんと躾け(ヤキ入れし)ないと、話にならない(論外な)連中ばかりよ?

 ま、そんな現実は、知らないでいた方が幸せなのかもしれないけどね。


     ~ ・ ~


 鍛冶屋に近づくと、中から例の金属を叩く大きな音が響いてくる。

 今回は大まかな場所も分かってるし、音を頼りに来ればいいと知ったので、案内はイラなかった。

 到着と同時に、音が止んだ。あたしたちに気が付いたというより、タマタマなんだと思う。

 一応、中を確認して、ガタイのいい小男に近づく。

「出来てる?」

「ああ」

 チラッとあたしを見て、後ろのみーよや男の子たちを一瞥して。

 何も言わないで奥の部屋に行って、すぐ戻ってきた。


挿絵(By みてみん)


 アギト・ナイフ。

 刃が、美しかった。あたしの顔が鏡みたいに写し出されている。

 刃の裏側も滑らかに磨かれていて、傷一つ見当たらない。

 刃先も、触ったらそのまま切れてしまいそうな程、鋭く研がれている。

 あたしは、武器にこだわらない主義なんだけど。

 これは、心が引き込まれそう。

 気を付けないとなぁ。

「刃の耐久性は?」

「上手に使えば、一回分の遠征の間は十分持つ。骨とか皮程度では破損はしない。血糊は出来る限り、拭き取ってくれ」

「分かった」

 握って、刃の上下を回してみる。

 握った親指の部分に特別なグリップがあり、とても回しやすい。ここに力が加わることで、柄全体をコントロールしやすくなるようね。

 親指を支点に、掌の中で転がすように。

 表、裏、表、裏……

 それなりの大きさなのに、面白いように良く回る。

 ナイフの上下も、同じ要領ね。刃を上に、下に、上、下……

 親指を支点に手の掌か、指先で押し出す感覚。

「いいね」

 あたしの言葉に、男が頷く。

 なじむ。すごくしっくりくる。あたしにおあつらえ向きの出来栄え。

「狩りに、行くのか」

「うん。明日から」

「終わったら、また研いでやる」

「お願い」

 金貨を渡し、互いにあいさつなんかしないで、そのまま鍛冶屋を出た。


 武器屋はとなりなので、迷うことは無い。

 今まで腰に差していたショートソードを鞘ごと外し、代わりにアギト・ナイフを納める。

 うん、腰の重さがしっくりくる。ピッタリ収まる感じ。

 ショートソードも悪くないんだけど、長さも重さも、コッチがいい。

「いるー?」

「いらっしゃいませ。これはこれは大勢で」

 うってかわって愛想のいい、濃いくせ毛の黒髪が特徴の30代ラテン系の店主。鍛冶屋の親父の息子だそうだけど、本当の所はドーだか?

「これありがと。返すね」

 ショートソードを丁重に受取り、一応抜いて、中を確かめる。

「ご使用には、なられなかったのですね」

「まあ、借り物だからね。一応、振って馴染ませてはみたよ」

「そうでしたかー」

 ん-ゴメン。お買い上げするほどの出来では無かったわ。

「で、この子たちに初心者用のスリングと石、模擬剣を見繕ってくれる? その間にあたしの解体用の短刀と、模擬剣を見させてもらうね」

「かしこまりました。では、スリングかららご覧頂きましょう」

 子供たちを売り場に案内し、説明している間に、あたしは短刀を物色する。

 マメな性格なのね。売り場の棚に、大小様々な形状の短剣や短刀が並べられている。

 長剣は吊るしたり、専用のケースで立てかけているんだけど、短いヤツはこの方が見やすいもんね。

 解体職人が使っているような、鍔無しのシンプルで切れ味も良さそうな細身の短刀を選ぶ。予備の武器には、まあ、無いよりマシ程度だけど、軽いし、使い勝手が良さそう。

 模擬剣は、自分で使ってみないとダメだろうね。素材が柔らかいと、すぐ壊しそうだけど、まあ、腕次第かー

「外で何本か、試してもいい?」

「中庭がありますので、そちらでどうぞ」

 みーよに腰袋を預けて、適当に振ってみる。

 3本試して、全部ダメ。どれもこれも軽すぎる。

「ガッコの武道場にある、竹刀とか、無理かな?」

 みーよに相談したら、女神さまに聞いてくれるって。

 跪き、祈りの姿勢をとるみーよ。

 杖が光り、あら、オッケーなの? 竹刀を出して貰えたわ。

 振ってみると、塩梅が良い。まあ、これなら稽古を付けやすいわ。

「郁ちゃんにしか使えないみたい。本当に限定品だね」

「十分だよ」

「いつでも出せるけど、終わったらわたしに戻して欲しいって」

「いーよー」

 女神様が言ってるのか、みーよが言ってるのか。ま、どっちでもいっか。

 子供たちのスリング選びも終わったみたいで、ついでにスリングの収納袋もここで買う。石を収納する関係で、セットになってるんだね。ついでに素材も同じ。

 模擬剣も選んでもらって、お買い物終了。

 スリングセットは石が5個込みで大銀貨3枚、模擬剣は大銀貨2枚。

 二人分で金貨1枚だね。

 で、あたし用のスリングの石、店にある残りの分を、あるだけ買い占めちゃった。(金貨1枚分。100個だね)

 これって、みーよに持っ(奉納し)て貰えばいいんだもんね。

 オーク討伐なんだし。高い安いは、言ってられないと思う。現地では買えないしね。

 あと、あたしの解体用ナイフは定価金貨1枚だけど、おまけで半額にして貰った。

 お客を二人も連れてきてくれたし、石もたくさん買ってくれたんで、お礼だって、さ。

 んもう、リップサービスも本当のサービスも、上手なんだからぁ。

 ホント、また来たくなっちゃうわぁ。

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