38.大人の都合で子供たちを振り回すのは、基本的にダメなんだと思うよ
まーなんていうか、ジョシコーセーの制服着てデカい男にまたがって絡めとってぶん殴りに掛かるようなオンナノコにプロポーズする方も、相当なモノだと思うけどねー
うーん、モテ期到来かなー
でもねーあたし、自分より強い男が好きだし。
第一、イケメンでもイケボイスでもないのは致命的にダメヨダメダメだわ。
やっぱ、ギルティがいいわーもーさいこーだわー
……早く現代に帰らないとね。
ん-みーよのこと、どーしよーかなー
ってか、どーやって帰れるのかなぁ?
この世界、嫌いじゃないけど。
っていうか、無茶苦茶、あたしに合ってるけど。
少なくとも、現代と行き来できる位の距離感は欲しいかな。
ん-もうチョイ、情報が欲しいね。
なんてことを一方の頭で考えながら、もう一方の耳はみーよの話を聞く頭として使っている。
教会の修理なんて、考えたこともなかった。郁ちゃんスゴイねーなんて言われましても。
AKって、闘っては修理しての繰り返しなんで、その辺は敏感なだけですよ?
建物も同じ。ちゃんと修理すれば、きちんと応えてくれる。
そのためには、優秀な技術者、この世界では職人さんかな? が必要で、今の所、あたしにはそのツテが無いだけの話。
お金も、足りるのかどうか、分かんないしね。
ま、稼ぎ方は、冒険者ギルドに行けば、なんとかなるんでしょ?
獲物の解体の仕方も習いたいし。
アギト・ナイフのお手入れが出来る鍛冶屋も紹介して欲しい。
防具がどういうレベルなのかも見ておきたい。
腰袋もスリングも、ついでに石も、全部手作りの妥協品なので、ちゃんとしたものがあるなら購入したい。
ついでに、直接現代へ、はさすがに期待しないけど、ネットがあるのか分かんないけど、そーいうものに繋がりそうなナニカ、マジックアイテムみたいなものがあるのかどうか、調べたい。
やることたんまり。
ま、明日できることは明日に廻そう。
しばらく拠点になりそうな、教会近辺を整理する方が先かなぁ。
~ ・ ~
教会に戻ってみると、荷馬車の荷物はきれいに無くなっていた。
みんなで手分けして、中に入れたらしい。
中に入ると、みんなが笑顔で迎えてくれた。
手を引かれるままに食糧庫? に入ると、棚という棚にギッシリ食材が埋め尽くされていた。
こんなことはここ数年なかった、らしい。
数年かー
なんか、現代人のあたしには想像つかないんだよね。
食べるものって、ごく当たり前にあるもんだと思ってるからね。
で、お土産に買ってきた野鳥の串焼きも、とても好評だった。
ゴロツキどものボスとのやり取りの話をせがまれたので、事細かく話したら、ビックリするやら笑うやらで大ウケだった。
特に、プロポーズの場面がお気に入りだったみたい。子供って意外な所に興味を持つんだねぇ。
ちびちゃんズはあたしの側にぴったりくっついて離れないし、7、8歳の男の子女の子はあれみてーこれしよーと甘えてくる。
さすがに年長さんはそこまではないけど、すごく安心した顔で微笑んでいる。
あたしがそんな風に子供たちの面倒を見ている間に、みーよは院長先生に細かいことを報告して、今後の事も相談してたみたい。院長室に籠っていた。
まあ、もうそこまで警戒しなくてもいいんだよね?
まあ、怖い思いをしたばかりなので、安心とぬくもりが欲しいお年頃なのかもね。
子供って、そういう風に安全な環境でスクスクと育つものだと、あたしは思う。
そういう環境を作ってあげるのが大人で、大人の都合で子供たちを振り回すのは、基本的にダメなんだと思うよ。
ま、あたしもまだ子供なんだけどさ。
ちびちゃんたちが安心して抱き付いたまま、お昼寝を始めちゃった。
起こさないように、そっと粗末なベットに寝かしつける。
一応、男女別のちょっと大きな相部屋に、寝床はあった。
チビの男の子は、女部屋で面倒を見ているらしい。一緒に寝かせる。
藁を敷いた上に、麻かな? ゴワゴワした敷布の上に寝かせた。
その上に、使い古された、少し柔らかい素材の布を掛けてあげる。
「ありがとうございます」
普段はチビの面倒を見ているらしい年長さん、アリちゃんにお礼を言われた。
ま、二人抱えて寝床に連れて行くのは、普通の子には無理だねぇ。
談話室? に戻ると、本格的に年少組の子たちが飛びついてきた。
今までは、あれでも遠慮してたんだねぇ。
二人を抱えてグルグル回り、手を掴んで大きく回転ブランコ? してあげると、すごく喜んでいた。
男の子にジャーマンスープレックスのやり方をせがまれたけど、さすがに、アレはねぇ。
代わりに、簡単に組み打ちの仕方というか、お手本というか、実際にやって見せてあげた。
本来は体重別で分けられる位、重量が意味を持つんだけど。
実際は、体の小さい者であっても、大きい者に立ち向かえるのが武術の意味だからねぇ。
小さい体をさらに低くして、相手の懐への飛び込み方の基本。
上手く潜ったら足首を掴んで、相手が嫌がる方向に自分の体重をタイミングよく乗せれば、転んでくれる。
転がせたら、慌てて腕を伸ばして剥がそうとしてくるだろうから、逆にその腕を掴んで決めてしまう。
やり方としては、首と胴体に足を引っかけて、出来れば自分の両足を組んでロックして。
全身で相手の腕を掴んで、関節と逆方向に引っ張る。
腕ひしぎ十字固めだよーと男の子にあたしの腕を極めさせて。
ほら、曲げてごらーんというと、顔を真っ赤にして頑張ってる。
ん-筋力が足りないねーしょーがないねー
あと、決められた方は、非常手段だけど、と前置きして。
首に掛けられた相手の足を咬んで脱出できるとも伝えておいた。
顔ポカーンだったけど、かなり楽しそうにしていた。




