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Sweet Bomb NEXT  ~ 今度は異世界で大暴れっ!  作者: 白河・DG・夜舟
転移4日目っ! ~ オラクルの街で大暴れっ!

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34/49

34.勝った方が全額総取りでいいよね?

挿絵(By みてみん)


 教会に近づくと、なんか、不穏な空気。

 スラムの住民たちが、崩れた塀によじ登って中を覗き込んでる。

 こっちに気づいて、あわてて逃げ出した。

 門から、人相の悪そうな男が顔を出し、すぐに引っ込んだ。中に報告に行ったらしい。

「なに?」

「なんだ?」

 子供たちも気が付いたようだ。荷馬車から降りて、不安げに様子を伺っている。

「みーよ?」

「多分、この辺を仕切っているゴロツキの一団。みかじめ料とかを徴収してるの」

 へーそーなんだ。みかじめ料ねぇ。

「郁ちゃん、悪い顔してるよ?」

「そーおー?」

 どうも、隠せていないらしい。

 ついつい、鼻歌まで出ちゃうなー

 そのまま、あたしたちは門をくぐった。

 建物の外にある、ちょっとした広場の真ん中に、院長先生と子供たちが固まっている。

 ん-固められている、だねぇ。周囲に見張りの男どもが3人。そのうちの一人がリーダーだねえ。

 建物の周囲を見張っているのが5人。あ、リーダーの元に集まってきた。あたしたちを待ってたのね?

 全部で8人か。少ないなー

 ただ。

 院長先生、顔が腫れてる。叩かれたんだねぇ。

 子供たちも泣きそうな顔で、先生にすがっている。守ってあげてたんだねぇ。

 スラムの住民たちは敷地の外で、怖さ半分、興味半分で見守っている。なんにもしないんだねぇ。ま、それはいっか。君らには関係ないもんね。

「よお、景気良さそうじゃねえか。俺たちにも分けてくれよ」

 リーダーの男が、例によって虚勢を張る。

「なんてことしやがる!」

「先生になにするのよ!」

 おっと、飛び出そうとする子供たちの頭を捕まえる。元気はいいけど、ダメだよ君たち。

 あれは、あたしの、え・も・のっ!

 まあ、そっちの口上(仁義)も聞いてあげないとね。観客(ギャラリー)が盛り上がらないじゃないのさ。

 子供たちをみーよに預け、一歩前にでる。

「たっぷりと、分けてあげるよ。もう嫌だって言う位、存分にね」

「へー威勢がいいな。じゃあ、こいつらはどうなっても構わないってわけかい?」

 部下の男たちが、木の棒で威嚇する。院長や小さな子供たちを滅多打ちにするぞ、と脅してるのかな?

 なにやってんのーヤルなら縛ってナイフを首元にでしょ?

 まるで分ってないなー

 ま、いいか。付き合ってあげよう。

「それが掛け金ね? あたしは……」

 みーよに手を出すと、心得たように懐から金貨袋を出してくれた。

 左手で持ち上げ、金貨をこぼれさせて、右手で受け止める。

「これで足りる?」

「へぇ、この婆さん、いくら痛めつけても、お金はお前たちに全部預けたと言って聞かないんだよな。そうか、本当だったんだ」

 あーあ、そんな抵抗(こと)しなくても、さっさと差し出しちゃえば良かったのにね。

 ま、そうもいかないか。

 がめつ(したたか)そうだもんね、院長センセ。

 あたしらが預かったお金は、ほんの一部。残りはどこに隠してんだろうね?

 ま、いっか。

「んじゃ、交渉成立いいかな。勝った方が全額総取りでいいよね?」

「なに勝手に決めてやがる。いいからとっととソイツを寄こせ」

 無視して、みーよに戻した。

全部殺()っていいの?」

「ん-教会内で人殺しは困るわね。血も流して欲しくないな。でも……」

「ん?」

 みーよの手が、震えている。

 恐怖じゃない、怒りの震えだ。

「それ以外ならなんでもいいよ。強盗強姦強殺は、街の外でも中でも縛り首にしてさらし者に(公開)するのが相場。ただ、スラムは治安適用外。ここは無法地帯なのよ」

 へーそーなんだ、なんでもあり(無法地帯)なんだ―

 ただ、教会の敷地内で殺しと流血はダメなのね。おっけ―

 老人子供には無敵、なにやってもいいとか思っているバカは、悪鬼と同じ。

 アギト・ナイフを抜か(瞬殺し)いだけ、まだマシと思ってよね。

 みーよが祈りの姿勢を取り、杖を掲げる。

「光の女神アーリューシャインよ、あなたの信徒たちと、我が付き人を護り給え!」

 光の障壁(プロテクション)が、みーよたちと荷車を包んだ。

 男の子に「あたしがいない間、君がみんなを守ってね」と言っておく。

 ビックリした顔にウインクを一つくれると、あたしは光の障壁(安全地帯)を出た。

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