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Sweet Bomb NEXT  ~ 今度は異世界で大暴れっ!  作者: 白河・DG・夜舟
転移4日目っ! ~ オラクルの街で大暴れっ!

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29/49

29.ん-ここって、スラム?

挿絵(By みてみん) 


 みーよは確かな足取りで、かなりの速足で歩いている。

 大通りから離れて、建物が2階建て、平屋、ところどころ崩れた塀や壊れた屋根が見受けられる地区へ。

 ん-ここって、スラム?

 住民が急にみすぼらしくなり、やせ細ってるのしかいなくなって、飢えてぎらついた視線であたしたちを見つめてくる。

 地面は舗装ではなく、ただの土を踏み固めただけ。

「セ、聖女様、どうかお恵みを……」

 脇から急に、老婆が飛び出してきて道をふさぐ。

「ごめんなさい、急いでいるので」

 スルっとかわすみーよ。

「どうかー」

 老婆がみーよを捕まえようとしたので、後ろから手刀で頭を打つ。

「急ぎって言ってるでしょ、シツコイよ」

「な、なにを……」

 振り向いて、あたしを見て、けげんな顔をする老婆。

「郁ちゃん、構っちゃダメ」

「だってさ」

 確かにね。こんなの相手になんかしたくもない。

「お恵みをー」

 老婆の叫びに。

 周囲からワラワラと、似たようなのが湧いてきた!

「なに、これ」

「あたしたちがお金持ってるって知ってるのよ」

 うわぁ、そういうことかー

 メンドクサイなー

「潰したらダメなんでしょ?」

 こういうのは、あんまり気乗りもしないけど。

「そうね。まあ、ダメといえばダメだけどね」

 あれ? 

 みーよも、別の意味で気乗りしないのね。

壊さな(殴ら)きゃいいんでしょ?」

「そりゃね」

 とか言ってる間に、すっかり囲まれた。

 ん-ゾンビの群れに取り囲まれた気分。そういうホラー映画、パパと観たことあるよ。

 ま、こっちは全員生きてるけどね。


挿絵(By みてみん)


「お恵みをー」

「何か下さいー」

「聖女様―」

 なんかもう、スゴイね。生きる執念というか、たくましさとでもいうか。

「蹴散らすなら、そーするけど?」

「ん-それもねぇ」

 可哀想?

 んーあたしはあんまり思わないけど、聖女(良い子)であるみーよは、そうもいかないのかなぁ。

 とりあえず、傷つけない方向で。

 あー冒険者ギルドの連中は、ある意味楽(殴れば済んだん)だったなぁ。

 大きく息を吸い、みーよに合図。

 杖を肩にかけて、耳をふさいでくれた。

 その杖をさえ奪おうとするゾンビ、じゃないや、スラム住民。

 さすがに蹴り飛ばしてやったら、ヒエェとか言ってソソクサと逃げて行った。

 でも、他の連中は逃げていかない。あたしたちを取り囲んで次々に手を差し出してくる。

 あっそ。そういうつもりなら、こっちも考えがあるよ。

 気合を入れて、雄たけびを上げる。

「こぉおらああああああぁあああっ!」

 地面が震えた気がするのは、さすがに気のせいね。

 空気が震えた気がするのは、全く持ってその通り。

 密集して取り囲んでいた連中が、一斉に蜘蛛の子でも散らすようにバラけていった。

「す、すごい声ね……」

 みーよが一番ビックリしてるんだけど。

 もう一回、耳を塞いで貰った。

「聖女様に無礼な態度を取る奴は、あたしが許さない。分かったかテメエらぁ!」

 もう一声、念押しで叫んでおいた。

 住民達は物陰に隠れて、コッチの様子を伺ってるのが分かる。

 まだ、念押しが足りなさそうね。

「返事はぁ!」

 念には念を入れて、返事待ち。

 誰も、何も言わない。

 あっそ、無視するんだ。

 軽くダッシュ、物陰に隠れていた老婆をひっ捕まえた。

 最初に道を塞いだヤツね。目星はツケといてんのよ。

 なんかヒイヒイ言ってるのを無視して軽々と持ち上げ、槍でもシゴくみたいな感じで回転させてやる。

 ヒェエとかなんとか言ってたんで、放り投げるのは止めてあげる。

 ゆっくり降ろして、顔を両手で掴んだ。

「アンタ、見せしめ。さっきの返事は? 返答次第では投げ飛ばす」

「ひえ、は、はいぃい」

 分かればヨロシイ。

「文句があるなら掛かってきなよ。ホント、どいつもこいつもバカばっかりなんだから」

 大げさに地面を何度か蹴りつけ、威圧してやる。

 こんだけやれば、分かるでしょ。誰を相手にしてるのか、を。

 きれいにスッキリした道を、あたしとみーよは教会へと向かった。

 もう、誰も邪魔するものはいなかった。

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