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Sweet Bomb NEXT  ~ 今度は異世界で大暴れっ!  作者: 白河・DG・夜舟
転移三十三日目っ! ~ ポートビリアの問題が、解決っ!

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271/279

271.あら、なんか周囲がザワザワしてるわ

 そのまま練兵場に連れていく。

 雰囲気を察して、鍛錬中の兵士たちが場を開けてくれた。

 そのまま遠巻きに見守るらしい。

 あたしも腰袋を外して、みーよに預ける。

 二度、三度ジャンプして、自分の重みを確かめる。

「人間の格好でいいのね? 竜に戻ってもいいよ?」

「いや、この姿じゃないとダメなんだろ?」

「なんで?」

「だって、竜の姿じゃオマエと交尾できないじゃないか」

 そりゃそうだね。

 あら、なんか周囲がザワザワしてるわ。

 ああ、アンタが勝ったら、ここで交尾するって言ってるからか。

 なによそれ。どうしてあたしがアンタなんかに負けると思えるのよ。

「それがアンタの条件ね。あたしが勝ったら、なにくれるの?」

 一応、聞いてみる。何もないなら、それでもいいけど。

「一度だけ、お前を助けてやる」

 叶えるって、アンタが?

「そんな事、出来んの?」

「俺に出来る事なら、なんでもする」

 へえ。

「両肩が地面についたり、降参したり気絶したら負けね」

「それでいい」

「んじゃいくよ」

 軽く跳ねて、そのまま突進。

 手始めは、コイツが反応できていないリードジャブ。

 お、片手で払われた。反応できるじゃん。

 でも、かわせたわけじゃないんだよね。

 右拳も繰り出して、ワンツーのコンビネーション。

 こっちも手で払われていく。

 そういえば、巡礼の時に屋根から狙撃された時、幼女を守って矢を払ってたね。

 動体視力はイイ方なのか。

 ローキックも加えていくと、こっちは当たるね。

「な、なんだこれ?」

 痛がって後退。

 ああ、なるほど。技を一遍見ると理解できるけど、初見では対応できないのか。

 下がるだけこっちが詰めて、そのままジャブを連打。

 手で払ってかわすけど、距離を詰めてのローキックには対応できない。

「ほら、一方的に打たれてるだけだよ?」

 ま、反撃なんかさせないで、このまま押し切っちゃうけどね。

「調子にのるな!」

 下がるのを止めて、ジャブを貰ってでも、こっちに突っ込んでくる青年。

 でも、あたしがそれを待ってたとしたら?

 顔に二発当てて、ついでに目元にフラッシュ。

 ひるんだすきに、あたしの方から懐へ。

 青年の片足、腿の辺りに腕を突っ込み、もう一方の手で胸を一押し。

 バランスを崩して、大きくひっくり返った。

 すかさず組み打ち。

「なっ、この!」

 残念ね。アンタ、組み打ちの基礎がまるでなってない。

 青年の腕を反対方向にひねり、そのままあたしの腿を押し付けて、そっちの肩を地面へ。

 抵抗して振り回す、空いている腕を掴み返し、青年の胸にあたしのデカいお尻を乗っけて。

 そのままもう一方の足も絡めて、体重をかけていく。

「く、くそぉ……」

 無理。どんなに藻掻いても足搔いても、もう極まってるよ。

 はい、両肩が地面についた。

「アンタの負けだね」

「ま、まだ負けてない!」

 なおも藻掻く青年。

「ルールってわかる?」

「認めなければ、そんなもの関係ない!」

「ルールってのはね、やりすぎを防止するためなんだよ。そっちが認めないなら……」

 スカートをめくりあがらせて肩を抑え込んでいたあたしの脚を、外してやる。

 抑えが効かなくなって起き直ろうとした青年の腕に、万歳させるようにあたしの手を廻し。

 青年の腰に、もう一方のあたしの手を廻し、腹の辺りを抑えつつ極める。

 あたしの両足は、青年の脚に絡みつかせて動きを封じる。

「力づくで認めさせるだけだね。アナコンダっ!」

 久しぶりに使うな、この技。

「な、なにを……うっ!」

 もがきだし、暴れ出す青年。

 ジョシコーセーに全身を巻きつかれて、キモチイイでしょ?

「なっ、息が……」

 まだしゃべれるくらいの余裕があるんだ。

 じゃあ、もっともっと締め付けてあげるっ!

「あ、がぁっ……」

 青年の顔が、一気に青白くなった。

 何とか振りほどこうともがけばもがく程、あたしの締め付けはドンドン増していく。

 何か言ってる、けど、もう言葉にならない。

 降参ですか?

 なんですかー?

 このまま窒息死させてもいいんだけど。

 急に力が抜けた。どうも気絶したらしいね。

 技を解いて、一応、息を確認。

 うん、わずかにしているね。まあ、口から泡も吹いてるけどね。

「殺したのかと思ったよ」

「それでも良かったんだけどね」

 みーよが、ヒールの準備をしながら睨んでくる。

 いや、コンナヤツ、殺しておいた方が世の中のためなんだとは思うよ?

 お、周囲の観客から拍手が。

 スカートのすそを摘まんで、カーテシー。


挿絵(By みてみん)


 やがて、みーよのヒールで息を吹き返す青年。

「己の身の程が、よく分かったでしょ?」

「う、うう……」

 あたしと目を合わせない青年。

「分かんないなら、もう一回ヤル?」

「……いや、いい」

 分かったらしい。相変わらず、目は合わせないけど。

「これ、やる」

 自分の頭の角の後ろに手をやって、なにか剥がした。

 虹色の、掌に乗るようなサイズの鱗だ。

「必要になったら、コイツに念じろ。一度だけ、なにがあっても必ず助けに行く」

 ふうん。

「持ってりゃいいの?」

「左の手の甲に乗せて念じれば、吸い込まれる。同じように念じれば、出てくる」

 なによそれ。体内に取り込まれるの? 気持ち悪いな。

「悪いものではないから、心配するな」

 どうだか?

「やっぱり気持ち悪いから、みーよが持ってて」

「ちょっと待って。女神さまに聞いてみる」

 受け取ったみーよが、目をつぶって何か祈っている。

 鑑定か。そういえばみーよ、そんな事できたんだったね。

「竜人様の言う通り、害はないみたいよ?」

「へえー」

 しょうがないな。

 左のガードグローブを外し、手の甲に虹色の鱗を乗せてみる。

 軽く光って、そのままの形でプリントされちゃった。

「これでいいの?」

「ああ。これ、めったに渡さないんだぞ? それを……」

 何ブツブツいってんのよ。目も合わさないくせに。

「じゃあね。アンタも結婚できるかどうか知らんけど、まあ、頑張ってね」

「お、お前に言われる筋合いじゃないぞ!」

 お、ようやく顔をあげたね。

 あたしたち、暇だけど忙しいのよ。じゃあね。

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