260.イカン、受け取れぇ!
当然のように、ついてくる幼女。
それと、なぜか竜人の青年も一緒についてきた。
……何しに来たの?
地下に籠っているのは退屈なので。
いや、退屈ったって、だからって、コッチに来ることはないでしょ?
面白そうなので。
面白くもなんともないのよ?
お仕事よ?
お、し、ご、と。分かる?
わかるー!
お前が本当に分かるわけないでしょ。
幼女、なんでも分かると言えば済むと思っているらしい。
分かるぞ。
青年、お前も分かってないだろ?
~ ・ ~
正門からの出発前に、アギト・ナイフを受け取りに偏屈鍛冶屋のトコに立ち寄っておく。
本当に朝一で仕上げてあるね。
出来は、うん、イイんじゃ無いの?
お前が言うほど、ゆがんでないぞ。本当にいいナイフだな。
そっか、良かった。
行きつけの鍛冶屋よりは出来は悪いけど、特急料金込みで金貨1枚ね。みーよ、支払いよろしく。
そうか、そちらより、出来は良くないか。
ワカルでしょ?
……いや、認めん。
それはソッチの都合。見れば一目瞭然。アッチの仕上げは、刃に顔が映るよ?
……釣りを渡す。
イラナイよ。無理言ってるのはコッチだし。
イカン、受け取れぇ!
なんか怒り出したんで、大銀貨5枚、貰っておいた。
そんなんで怒りだされてもねぇ。腕前の問題だからねぇ。
「紹介してくれた隊長さんにも、お礼を言っておくよ」
「止めんか、恥ずかしい……」
なるほど、こりゃ偏屈だ。
でもね、それを通すなら、文句を言われない腕前を持ってからだよね。
まあ、大所帯の軍隊の鍛冶仕事を一手に引き受けているんだから、精魂込めて、みたいな事を期待する方がオカシイんだよ。気にしないで。
……なんて、言えないなぁ。




