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Sweet Bomb NEXT  ~ 今度は異世界で大暴れっ!  作者: 白河・DG・夜舟
転移三十一日目っ!~ 魔導帝国軍や竜人の襲来っ!

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247.あのイケおじ、コイツに丸投げしたな?

 翌朝、着替えて朝食を食べたあと。

 執務室で執事さんから報告と相談を受けた。

 正門に出現したオーガとか、巡礼中に倒してきたはぐれオークどもとか、その辺の清算を済ませて欲しいのだとか。

 あと、みーよが大聖女として働いている分の報酬の算出もして欲しいんだって。

 みーよが、急ぎではないなら後回しにして欲しいと言ったんだけど。

 事務方が困っているそうです。本当は昨日のうちに済ませたかったんだけど、外交官任命の後、すぐに外へ巡礼に出てしまって帰ってこなかったので、出来ずにいたどころか、新しくオーク討伐までしてくるので、どうしたものかと悩んでいるそうな。

 そりゃ悪いとは思うけど、あたしたちの責任でもないしねぇ。

 適当にやっといて、と言いたいんだけどね。

 案内のメイドさんに連れられて、本館の二階にある行政運営者がたくさんいる部屋に向かった。


挿絵(By みてみん)


「お忙しい所、申し訳ない」

「御足労、痛み入る」

 ポートビリアの行政長官代理の、名前なんだっけ、結構若いんだよね。ローブの二重羽織りという偉そうな服を着てはいるけど、貫禄が伴ってない男と。んと、名前思い出せん……確かエン……忘れた。

 で、こっちはサーリット司令官の取り巻きの一人だね。昨日、団長に色々と報告してたけど、あたしが直接話すのは、多分初めて。

 ちょっと太め、軽量仕立てっぽい鎖帷子の上に、簡単な造りの部分鎧を装着、手甲は外してある、兜もしてない、太っとい口髭を鼻の下から真横に伸ばしている、いかにもベテランみたいな中年の男。

 みーよが頭を下げたので、あたしも一緒に下げる。

「紹介します。といっても、私もそれほど深い付き合いはしていないんですけどね。皇龍公国準騎士団の隊長の一人、リカルドさんです」

「リカルドだ」

 ああ、多分後方担当なのね。前線に出張ってくるタイプには見えないと思ってた。身体にキレがないもん。

 行政長官代理と仲がいい(かどうかは知らないけど)ってことは、補給とか経理とか、そっち系の事務系なお仕事担当かな?

 へえ、それでも隊長扱いなんだ。部下いるんだ。まあ、いないことはないか。

 騎士団だから、表には出てこないような後方部隊に隊長クラスを割り当てたりなんか、しないもんだと思い込んでたわ。

 あたしの勝手な思い込みか。

 んで、なんで皇龍公国準騎士団の経理担当がここにいるの?

「其方らは公式には皇龍公国準騎士団の捕虜という扱いであるが、同時にポートビリアの守護結石を司る要人でもある。属している組織より報酬を支払うべきであるが、立場があいまいである故、御足労戴いた」

 必要以上はしゃべりたくない御方のようで。

 で、そっちの騎士団から給料がでるのか、ポートビリアから報酬を出すのか、揉めてるってわけね?

 正直、どっちでもいいからそっちで決めて、って感じかしらね。

 ま、みーよが判断することだしね。

「わたくしたちはオラクルの冒険者ギルドに所属しておりますので、そちらを通して頂く必要は御座いませんか?」

 うわ、みーよってば、さらに話をややこしくし始めたよ。

 案の定、太いひげの経理担当も、偉そうな服が似合ってない若い男も、しかめっ面しちゃったよ。

「わたくしたちの所属に関しては、ポートビリアの現領主でもあり、皇龍公国騎士団長でもあるサーリット様がお決めになられるのですから、わたくしたちがお話しできることは特に御座いませんが」

 こんな事で、一々呼びつけないでよね。わたし、忙しいの。

 言外にそんな含みを残して、みーよが踵を返そうとする。

「いや待て、そうもいかぬ」

 お、抵抗するね、太髭。

「司令官殿は私に権限を委ねておられる。当事者の協議の上、決められよと命令が出ておるのだ」

 ああ、そうなんだ、命令が出てるんだ。

 ってか、あのイケおじ、コイツに丸投げしたな?

 まあ、めんどくさそうだもんね。

 みーよも同じことを思ったみたいだけど。

 一応、話を聞く気になったみたいね。


 応接室に連れていかれて、1時間位、話し合ったかな。

 正門から襲ってきたオーガとか、巡礼中に討伐したオークとかは、本来は皇龍公国の準騎士団が対応に当たる事になっているんだって。

 ただ、その本来というのは、ポートビリアの守備隊が当然行うべきことを肩代わりしているだけなので、それで所属をどうするか、迷ってるみたいね。

 みーよが言うように、あたしたちはオラクルの冒険者ギルドに所属しているので、先にギルドと契約するのが筋でしょう、というのは、さすがに現実的ではないけどね。でも、本筋ではあるんだよね。

 で、捕虜であってもポートビリアの大聖女の役職を優先させて、皇龍公国準騎士団の領分を手伝ったり代行したりした分は、皇龍公国準騎士団がポートビリア側に支払うということで決着した。

 皇龍公国準騎士団側は、ポートビリアで行う業務を代行しているのに、捕虜であるあたしたちを貸し出してもいるのに、さらにあたしたちが手伝った分までも支払うという、なんかこんがらかってますよね、という結果なんだよね。

 うん、サーリット司令官が経理担当者に丸投げしたくなる気持ち、分かる気もする。

 最終的には何とかなるんでしょ、多分だけど。


 で、ポートビリア側として、あたしたち個人への報酬の話。

 大聖女は1日あたり金貨2枚を支払うのが相場なんだとか。

 普通の労働者は、一日働いて大銀貨1枚が相場。

 ちなみに一人1食につき銀貨1枚が相場だって事は言ったっけ?

 1食千円。1日の賃金は1万円。大聖女は1日20万円。高給取りだね。

 大聖女に仕える執事さんやメイドさんたちの給金は別に出ているので、ここから引かれることはない。

 ただし、食費は別。ちゃんと天引きされる。

 あたし、結構食べてるから、結構な金額が引かれてるよね。

 い、いや、1食につき千円なら……

 あの量が、千円で賄えるわけないね。

 ……うん、考えないことにしよう。

 後は、個人で購入したものも、この中から立て替えるらしい。歴代の大聖女様は衣装や宝石、アクセサリーなどを、専門の業者を介して購入していったそうな。

 わりと踏み倒されることも多いようで、ポートビリアの経理担当も頭を悩ませるところなんだとか。

 あと、正門で倒したオーガとか、巡礼中に倒したオークどもの戦利品は、ポートビリアで買い取って、別の形で支払いするんだって。

 なんでも、この街の冒険者ギルドは壊滅したらしい。守備隊と一緒に奮戦したんだけど、建物自体にまでオークどもに占拠されたのだとか。

 情けないなぁとは思うけど、会員の殆どは下級レベルだもんね。

 何なら、あたし一人でも壊滅とか出来ちゃうし。やったことあるし。


 話がようやくまとまったところで、太髭が上質の羊皮紙に、サラサラサラーっと羽根ペンで契約書を書いていく。

 お付きらしい秘書官二人に渡すと、同じ内容を書き写し始めた。

 紙って不便ね。電子文書でコピーってわけにはいかないもんね。

 出来上がると、三人で回しながら内容を確認。

 同じ内容なんだけど、一応、みーよとポートビリアの行政長官代理も、もう一度確認。

 最後に、三人とも3枚にサインして、無事に契約完了。

 んーあたし、特に何もしてないけど、なんか疲れた。

 冒険者ギルドだと、ギルドカードをかざしてハイおしまいだったのにね。

 いや、受付の奥では、同じような事をやってるのかも知れないんだけどね。

 まあ、一つ言えるのは、あの荒くれどもに、この真似は絶対に出来ないということだね。だから契約関係は簡素化してるのかもね。

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