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Sweet Bomb NEXT  ~ 今度は異世界で大暴れっ!  作者: 白河・DG・夜舟
転移三十日目っ! ~みーよ、奮闘っ!

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244/250

244.あたしにも首輪をつけておいた方が、世の中のためになるのにねって顔してるよ?

 ピカピカした豪華な服を本人に戻してあげて。

 着飾った新外交官を引き連れて、今度は領主ご自身の執務室に向かう。

 本館の3階部分が、まるごとそういうフロアになっているらしい。

 あたしたちにあてがわれた、守護結石の塔と基本設計が同じみたいね。

 偉い人は、上の方にお住まいになられるって事かしらん。


挿絵(By みてみん)


 中に入ると、大聖女みーよ様の執務室より、広くて豪華。ま、当たり前か。

 こっちの部屋には、あたしたちの部屋とは別の執事さんと、メイドさんたちが、あたしたちの部屋の倍の8人、お出迎えでした。

 その中の1人がメイド長みたいね。細いメガネがお似合いですよ。

 ずらりと揃って、お帰りなさいませ、と頭を下げられる。

 そのまま左右に分かれて、縦一列に整列。

 君ら、いつもこんなことしてるの?

 大きな執務テーブルに回り込む、領主サーリット様。

 執事が豪華な椅子を引いて、座れるように準備。領主様が着席後、縦に並んだ列の先頭に戻る。

 副官のテイル卿は、領主様の背後で立っている。

 あたしとみーよ、そして新外交官殿は、机の前で立っている。

 儀礼上、必要なんだろうけど、めんどくさいねぇ。

 そういえば、みーよが大聖女として着任した初日も、執事とメイドさんたちがそんな事をやろうとしてたね。

「新外交官に任命した、トゥーンカ殿だ」

「はっ!」

 執事とメイドさんたち、深々と頭を下げる。

 外交官、なんか嬉しそうだね。顔がにやついてるよ。

「トゥーンカ殿。命令だ。“城に住む女性たちに手を出すことを禁じる”」

 外交官、一瞬、顔をしかめたけど、すぐに元に戻った。

「“承知した”」

 へえ、承知したんだ。そういえばコイツ、とってもエロいんだったね。

 殺してやった方が世の中のためになりそう位、にね。

 それで、首輪をつけて隷属させてるのか。うん、これなら安心だね。

 みーよが、あたしをじっと見る。

 な、なによ。

 あたしにも首輪をつけておいた方が、世の中のためになるのにねって顔してるよ?

 なによーテイル、何こっちを見てニヤニヤしてるのよー

 面白くもなんともないのよ!


 部屋の外からノック。

 入ってきたのは、サーリットの取り巻きの部下たちだね。

 二人、ちゃんと見知ってる。昨日と今日、朝稽古でたっぷりと可愛がった隊長さんたちだね。

 向こうも、おお、お前もいるのか、という顔をしてるね。

 後の二人は、ちゃんとは話をしていない。

 一人はなぜか、皮鎧だね。他は金属の甲冑なのに、なんか違和感。

 目つきがやけに鋭い。カマキリみたいな印象かな。

 もう一人は大柄というよりは、ふっくらって感じ。眉が濃いけど目が小さい。

 こっちは、おとなしい熊さんって感じ。

 で、カマキリさんの方が、どうやら斥候、諜報、追撃などを担当する軽騎兵隊を取り仕切っているらしいのね。

 で、熊さんは補給、輸送、回収、衛生、労務、会計、警備、総務といった後方支援の担当者らしい。

 メインの軍を団長が率い、左右の軍を残り二人の隊長たちが担う。

 軽騎兵を周囲に展開させて情報を収集して、後方支援にも兵をあてがっているのね。

 領主様というより、団長さんに対する報告の仕方が、そんな感じだった。


 で、斥候隊長の報告。

 都市の周囲30キロを手分けして偵察したが、かなりの荒廃具合。

 オーク同士の大規模な同士討ちがあり、腐敗した死体があちこちで浄化されずに残っているため、魔素がかなり発生している。それが魔境からの更なる魔物を引き寄せているらしい。

 帝国方面からは魔導兵300人を中核とした帝国軍が都市の30キロ手前、恐らく残り1日の行程まで接近中。数は恐らく5000人規模。こちらの斥候隊と接触あり。まだ戦闘には至らず。その中に、ポートビリアから脱出した高官たちが含まれている模様。


 都市の復興具合の報告は、熊さんが行う。

 正門の修復は今日中に完了する。大聖女の祝福と認定が欲しい。

 皇龍公国側の都市フェイスより、船で順次支援物資の搬入が行われるため、資金、食料、物資の問題はない。必要なら、船でこの都市の脱出も可能。ただし全員の移動には日数が必要。

 焼け落ちた住宅街の復興は、まだ日数が必要。人手も欲しい。

 避難民の食糧事情が良くない。食料はあるが、割り当てる予算が無い。ポートビリアの行政官は、そちらには資金を使いたくない模様。領主の判断を求む。


 サーリット領主が頷き、報告の授受を告げる。

 早速、指示。

 外交官の手配を行う。執事に、そのための部屋をあてがうように指示。

 執事、メイドの幾人かに、手配をし始める。

 ミヨ殿、コイツの部下を呼びだせるか。

 承知しました。

 ほどなく、外交官のお付きたち、初対面の時に、あたしたちに手を掛けようとした男たちが現れる。全員、作業服だね。

 外交官を見た瞬間、全員の首輪が落ちた。

 戸惑う男たちに、領主様が尋ねる。

 君らは自由だが、どうする?

 元はこの方の奴隷ですので、いまさら自由を得ても生きて行けない。

 その辺はなんとかするが?

 いえ、よろしければ、このままこの方に仕えさせて欲しい。

 許可する。おい、甲冑や荷物を返してやってくれ。

 なんか、アワアワしてる外交官に、自分たちが付いているので、安心して欲しいと声をかけている。

 ふーん、そんなもんなのかねぇ。そういうの、奴隷根性って言うと思うんだけどね。

 さて、トゥーンカ殿。仕事を頼みたい。

 今の報告にあったように、魔導帝国の軍が近くまで来ている。外交官の初仕事だ。貴殿を使者として遣わす故、交渉に出向いて欲しい。

 我々は対価を頂ければ、そのままこの都市を明け渡し、速やかに撤収する。

 魔導帝国側が何を望んでいるのか、聞きだしていただきたい。

 判断は拙者がする故、何を聞かれても、領主に判断をゆだねると告げて欲しい。

 準備が出来次第、向かってくれたまえ。

 承知しました。

 執事がメイドを手配し、その案内で、外交官と奴隷根性な部下たちが部屋を出ていった。

 で、あたしたちへの指示ね。

 オーク軍が来る前に都市を脱出した高官たちの一部が、魔導帝国の救援軍と共に戻ってきている。

 彼らは都市を見捨てた、いわば職務放棄したも同然である故、我々としては、そのまま元に戻すわけにもいかない。

 各自面談し、判断材料にしたい。ミヨ殿、守護結石の現正規守護者として、そっちの面談を頼めるか?  拙者は現在の行政高官と共に、元の高官たちと面談する。場合によっては荒事になるやもしれん。

 承知致しました。こちらは付き人イクミがおりますので、問題ないかと。

 逆の方面で心配ではあるな。

 えーそんなことないよ。ホントダヨ?

 いずれにしても、外交官殿の手腕に期待だ。

 こちらとしては、それまでの間、都市の復興と正常化に努めることにしよう。

 承知しました。

 修復中の正門に大聖女の祝福を掛けた後、巡礼に向かっても宜しいでしょうか?

 そうして貰えるか。

 お、取り巻きの一人、熊さんが声を上げた。

 本当に、戻ってきていただける保証があるのですか?

 んーそうだと思うけど?

 心配か?

 念のためですが。

 サーリット領主が、みーよを見つめる。

「命令だ。“巡礼が終わったら、この都市に戻ってきてくれ”」

「畏まりました」

 みーよが、厳かに答える。

 そんなことしなくても、ちゃんと戻ってくるけどね?

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