236.「難しい問題だから、一人で勝手に暴れないでね?」
オーガどもの後始末に、目途がつきそうなので。
返り血でベトベトのまま、みーよと守護結石の塔に戻る。
通り過ぎる人たちが、何事かと見つめていくけど、これはもうしょうがないじゃない?
さっき、正門に転移したみたいに戻れないの? と聞いたら。
あれは一日に何度も出来る事じゃないんだよ、と言われちゃった。
ま、それもそうだね。
みーよは、さっきの会合の続きを。
あたしは常設されたシャワールームで身体を清潔にして、ポンチョにお着替え。
ちょっと疲れた。オーガに発勁は、ちょっと余計だったかもしんない。
この技、身体への負担が大きいんだよね。
軽く寝る。ちょっと、ちょっとだけ……
「郁ちゃん、起きれる?」
ごはん!
目が覚めた。同時にお腹の虫が、鳴いた。
「食べる」
「それもあるけど……厄介なお客様が来てるの」
なぬ?
またオーガ?
そそくさと制服に着替えながら、話を聞く。
皇龍公国側の都市から、船で支援物資が届けられた。
で、そこの領主代理とやらが、その船に乗ってきていて、魔導帝国側のこの都市も自分の支配下になるのだと騒いでいるらしい。
どういうこと?
皇龍公国側が占領したんだから、その支援や管理をしている自分が支配するのは当然だろう、という主張なのだとか。
「司令官、いや、こっちの領主様は?」
サーリットはどうするつもり?
「立場上、むげに追い返すわけにもいかないみたいなのよね」
なによそれ?
ガードグローブの装着完了。
エンジニアブーツの金具をガッチリ締めて。
「荒事になりそうなのね?」
「難しい問題だから、一人で勝手に暴れないでね?」
そんなこと、しないよ?
信用無いなぁ。
……いや、したこと、あるかも。
……割と、やってる、かも。




