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Sweet Bomb NEXT  ~ 今度は異世界で大暴れっ!  作者: 白河・DG・夜舟
転移二十九日目っ! ~ ポートビリアで大暴れっ!

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229/247

229.なんて美味しそうなの!

挿絵(By みてみん)


「あんたが強いのはよく分かった。団員3人と同時に相手をしてくれ」

 なるほど、そりゃいいね。

「何でもありでいいのね?」

「無論だ。俺も、どこかで女性だからと侮っていたのかもしれん……

 みんな、生きのいい猛獣だ。遠慮なしに退治しろ」

 いいねぇ、そうこなくっちゃ!

「喰われても、文句は無しね!」

 うーん、生きのいいお肉たち!

 全部で30人位かな。鍛えられた精鋭って感じよね。

 なんて美味しそうなの!

 お相手の隊長が指名した3人が、模擬剣を持ってあたしを取り囲む。

 木剣でも、当たれば痛い。

 でも、それはコチラだけの話。

 だって向こうは全員、全身甲冑で防備はバッチリ。しかも、兜もちゃんと被っている。

 ウフフ、遠慮しなくていいのは、ありがたいね。

「はじめ!」

 隊長の号令と同時に、3人が同時に斬りかかってきた。展開が速いね。

 正面の一人にこっちも斬りかかり、剣を合わせると見せかけて引く。

 そのまま円を描くように背後に回り込むと、少し慌ててこっちに振り向こうとする。

 同時に打ちかかった背後の二人は、そいつが邪魔であたしに近づけない。

 模擬剣を腰の位置から背中側まで十分に廻し、右脚の踏み込みと同時に真横に振り抜く!

 身体(さや)に隠した刃を、抜き打ちに見立てて。

 日本刀の奥義の一つ、居合切り!

 まともに男の腹部にヒットしたのはいいけど、あっさりと折れちゃった。

 あらら。

 でも、まともに入ったので痺れて動けないでいる男の模擬剣を拝借して。

 その陰から不意に飛び出し、左の兵士の顎下から、上方に振り上げた!

 脳震盪でも起こしてくれないかな。

 この剣、まともに打ち抜くと折れちゃうらしいんだよね。粗悪品だなぁ。

 うん、効いてる。フラフラしてる。

 そのまま跳びつき、片手で頭を抱えてジャンピングニーを叩き込んだ。

 倒れる前に、蹴り飛ばすように反動させて、最後の一人に飛び掛かる。

 反応されて模擬剣を振るわれたけど、こっちの模擬剣でいなしながら懐に飛び込んだ。

 ぶつかった反動でひっくり返せたので、即、腕を掴んで十字固めにしてあげる。

 はい、ギブね。


 みんな、何か恐ろしいモノでも観たような顔であたしを見ている。

 あら、普通よ、こんなの。

 オラクルの朝稽古じゃ、もっと激しく……は、してないか。弟子たちには手加減してるからねえ。

 立ち上がって、パンパンとホコリを払う。

「隊長さん、3人じゃ足りない。もっと頂戴」

 しばらく固まっ(スタンし)ていたのが、ようやく我に返ったみたい。

「ヨアブ隊、行けるか?」

「承知!」

 ああ、10人隊の隊長なのね。配下に9人いるのね。

 集まって、何か話している。作戦会議ね。

 あたしの実力を見せつけても、怯む様子がない。

「良い部下を持ってるわね」

 その間に、隊長さんに話しかける。

「その良い部下を、残さず平らげるつもりなんだろう?」

「ウフフ」

「ウフフじゃねえよ」

 あら、実戦感覚で鍛えるって、大事な話なのよ?

 本物の怪物相手にして、訓練ですから、なんて余裕は全く必要ないでしょ?

 そもそもあたし、まだまだ本気(マジ)じゃないんだけどね?

 で、今回は10人のうち、5人があたしを半円形に包囲している。

 もう5人は、少し離れた背後に展開。

 あたしがうかつに突っ込んで、バランスを崩した所に一撃を加えるつもりね。

 いい作戦だと思うよ。

「相手は素早いオークだと思え。決して油断するなよ」

「おう!」

 オーク、ねぇ。

 アイツら、こんなに速く動けないし、第一、武芸が分かんないわよ?

 ま、いいか。

 1、2度ステップ。

 着地と同時に“投げる動作”。

 中央の二人が反応して、ビクッと震えた。

 そこにスキあり、目がけてダッシュ!

 模擬剣を構えた相手に、さっき見せた居合切りの構え。

 なおも緊張が高まる正面の二人!

 左右の男たちが、あたしの行動(フェイント)についてこられない。

 あたしはそのまま、構えを解かずにゆっくり近づいていく。

 目の前まで来て。

 そのまま、模擬剣を手放し、地面に落とす。

 なに、やってるんだ……?

 完全に硬直している正面の二人の頭を掴んで、そのままお互いの頭に叩きつけてやった。

 ヘルメットしてるから大丈夫だと思うけど、そのままバッタリ倒れる二人。

 彼らから模擬剣を二本とも奪って、後ろで構える連中にダッシュする!

「か、囲めぇ!」

 必死に指示し、立て直そうとする隊長さんに狙いを定めて、急転換。

 意を決して模擬剣を構える隊長さんの直前で反転して、後ろから迫ってくる兵士たち二人に、二刀流上下廻し斬りの要領で模擬剣を浴びせてひっくり返す。

 うわん、また折れたぁ!

 何本折れば気が済むのよぉ……

 ひっくり返った兵士たちから模擬剣を奪い取って、右端の孤立してる兵士に襲い掛かる。

 逃げずに戦うのは、立派!

 でも、技量が伴ってないのが、残念!

 斜め上からの袈裟斬りを余裕でかわして、背後を取る。

 模擬剣を捨てて、そいつの両足を引っ掴む。

 持ち上げてグルグルと回し始める。

 これなら、折れないでしょ?

 悲鳴がうるさいけどね。

 こっちに向かってきた兵士たちに、まともにぶん投げてやった。

 まとめて2人、仕留めたね。

 よし、これで残りは3人。

 位置がみんなバラバラ。指揮系統も何もないね。

 離れた位置にいる兵士に向かって走る。

 やみくもに振るわれた剣なんて、当たるはずもない。

 まあ、これでも喰らって落ちつきなさい、とばかりにラリアットを喰らわせて仕留めた。

 そのまま反転。恐怖に襲われても逃げない、勇敢な兵士さんにドラゴンキックをまともに浴びせてあげた。冷静になれば、かわせるのにね。

 後は隊長さんだけ。あたし、素手だけどね。

「鎧を着てるんだし、死なないでしょ? その方が、手加減しなくてイイんで楽なのよ」

 ツカツカ近づいていくと、顔が真っ白よ?

 だからぁ、敵にそんな顔しても通用しないのよ?

 そう気づいて、上段から一気に模擬剣を振るってきたけど。

 見てから、かわせるよね、それは。

 半身ひねってかわし、腕と肩を掴み、足を絡ませて。

 最後はコブラツイストを決めてあげた。

 ギブね。割とこの技、痛いからね。

 うん。おしまい。美味しかった。満足満足。

 でも、折角なんで、お代わりが欲しいな。

 健在な隊員が10人。

 他には、最初に3人食べちゃったんで、中途半端な隊が7人。

 あ、そっちの隊の中には一対一(サシ)で闘った隊長さんもいるから、残り6人なのね。

 当然、やるでしょ?

 残り全員で相手してもいいよ?

 え?

 隊の半分を失うと、軍としては機能しなくなる?

 今日はもう勘弁してほしい?

 しょうがないなぁ。じゃあ明日、また相手してね。

 うん、楽しかった。じゃあねー


 沈痛な面持ちの面々を後にして、鼻歌を歌いながら歩いていくと。

 治癒担当らしい、法服を着た人たちが何人か、走ってくる。

 そういえば、各宗派の代表者と会合の予定とか、執事さんが言ってたね。

 そのまま、すれ違っちゃった。

 うん、ご苦労ご苦労。

 あれ、みーよも走ってくるよ?

 うーん、走り方、相変わらず可愛いなぁ。

 でも、執務室でお仕事してたんじゃ……

 え、おいでされた。

 なによーさっきの訓練場に逆戻りじゃないのさ。

 みーよ得意の、マルチヒール!

 あたしがたっぷり遊んだ兵士たちを癒して。

 で、個別に、他の法服組が治していくのね。

 チームプレイね。いい連携だわ。ウンウン。

 え?

 ウンウンじゃないって?

 やり過ぎです、め!

 みーよに叱られちった。しょぼん……

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