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Sweet Bomb NEXT  ~ 今度は異世界で大暴れっ!  作者: 白河・DG・夜舟
転移二十八日目っ! ~ みーよが、大聖女に!

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215.やれったらやれ、と命令していいんじゃないの?

挿絵(By みてみん)


 司令部にいた全員で、ポートビリアの外郭市街地に入る。

 馬車の上に、むりやり平たい舞台のような板を乗せて。

 その上に、あたしらが立たされる。

 オラクルで、オーク軍討伐のパレードの時にやったね。でもあの時は、専用の馬車だったよ。

 これは、お披露目というよりは、顔見せ、って感じかもね。

 あちこちが破壊され、火がまだくすぶっているような街並みを貫く大きな大通りは、最低限、片付けられ、10メートルごとに全身甲冑の兵士たちが並んでいる。

 そんな中を、あたしたちの馬車と、周囲を護衛し、先導する騎馬たちが進んでいく。

 お披露目は必要。でも、大聖女として任命される前も後も、みーよが暗殺されると、街のみんなは奴隷にさせられる公算が高い。

 だから、こんな大勢の人たちの前で、いかにも狙い撃ちして下さいと言わんばかりのパレードは、危ないことこの上ない。

 でも、これをやらないと、守護結石の守護者としては認められないらしい。

 街の人たち、というか、生き残った人たちが、不安げにあたしたちを見つめる。

 なんか、きな臭いというか。なにがどうなっているのやら。

 と、思ってたけど。

 身軽そうな格好の兵士たちが、狙撃手が潜みそうな要所を抑えているね。

 へえ、やるじゃん。

 そんな感じで何事もなく、外郭区は通りすぎる。

 内郭の城壁は、守りが堅かったみたいで、オークどもに突破されていないみたいね。門が開いて、その中を通っていく。

 こっち側には、皇龍公国の兵士は並んでいない。

 代わりに、多分だけどポートビリア側の兵士たちが並んでいる。

 こっちは、まだ被害がなかったようで、人々の顔が比較的明るい。

 前任の守護者が逃げ出して、どうしようかと思っていたらしく、とりあえず安心だね。

 オーク・キングを倒した英雄を付き人に持つ、魔導帝国側の聖女様が新たに就任されるということで、歓迎ムード一色だった。

 外郭の街と違って、こちらは被害がほとんどない事も、あると思う。

 街の人たちも、上流階級の人たちがほとんどなので、品がいいんだろうね。

 みーよもあたしも、軽く手を振って、歓声に応えた。


 街の中心、領主の館がある区画に入る。

 大きな城壁、高い塔、堅く守られた正門。

 オラクルの領主館より、立派な建物だね。

 門をくぐったところでパレードは終了。

 あたしたちのいる馬車の上部に梯子が掛けられた。

 みーよを抱き上げて、軽々と梯子を飛び降りる。

「もう、人前でこういうのは恥ずかしいから!」

 文句を言われちゃった。いや、でも、みーよの聖女服だと、梯子を降りるのは難しいと思うよ?

 で、司令官と取り巻きの案内で、建物の内部へ。

 何十人も入れそうな大広間から、上部に続く階段へ。

 渡り通路を通って、別の建物に入って。そこからさらに上の階段へ。

 踊り場で折り返して、再び階段。

 どうも、館の内部に別の塔が建てられているみたいね。

 で、居住区みたいな所に出た。

 廊下があり、左側にドアが3つ。突き当りに、また階段。

「この上に、守護結石が鎮座する空間がある。早めに大聖女の就任の儀を行いたいのだが、貴殿らも突然の事で不安もあるだろう。就任前に、貴殿らの仲間たちと相談して、最終決定をして頂きたい」

 司令官、変な事を言い出す。

 やれったらやれ、と命令していいんじゃないの?

 そういう立場なんだし、それが当然だし。

 そもそも、隷属の首輪を付けられてるんだから、命令一つで済むでしょ?

 そんなにあたしたちに気遣いしなくても、良くない?

 ……なんて思っても口には出さない。

 あたしはみーよのお付き。考えるのはあたしじゃない。

 そのまま真ん中の部屋に案内されると。

 エロハゲと愛人たちとデンが、いた。

 エロエルフは相変わらず、全身が布人間状態。

 デンもフードを深くかぶって、実際の所、中身が本人かは分からないんだよね。

 猫娘は、見たまんまだね。あたしをジッと睨んでいる。

 で、エロハゲ。割と深い怪我を何か所か負ってたと思うんだけど、完治しているみたいね。でも、少し顔色が悪い。

「みんな無事だったのね」

 意識を失ってた、あたしが言うことじゃないけどね。

「儂の獲物を横取りしおって、その言い草はないだろう」

 さっそく、エロハゲが突っかかってくる。なんだ、元気じゃん。

「知らないわよ。こっちは手筈通りに仕事したわよ。アンタがヘタレなだけでしょ」

「なにぃ!」

「なによ!」

 睨み合っていると、みーよに肩を叩かれた。

 気づくと、司令官と取り巻きたちが、呆れた顔であたしたちを見つめている。

「お前たち、本当に“仲間”なのか?」 

 副官が、興味深そうにあたしを見つめる。

 違うよ。単なる成り行き。そんだけ。

 周囲が見えないエロハゲの面倒を、あたしが見ているだけなのよ。

「これでよく、オーク・キングと親衛隊を討伐できたものだな」

 司令官、心底、呆れた顔をしている。

 それでも、気を取り直したらしく。

「拙者らは、席を外そう。一刻(30分)後に呼びに来る故、話し合いを済ませておかれよ」

 そのまま、部屋を出ていった。

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