↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Sweet Bomb NEXT  ~ 今度は異世界で大暴れっ!  作者: 白河・DG・夜舟
転移二十六日目っ! ~ 訓練と実戦っ!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

201/250

201.人間をナメてるんだよね。だから、死ぬんだよ。

 マイアミと別れて、村々の周囲に出る魔物退治(実際は、結界石への理力注入)のために、街の外へ。

 聖女たちが手分けして行うって話だけど、あたしたちが受けた依頼分はちゃんと片づけないとね。

 車を奇跡で出して貰って、いざ、出発!

 順調に残りの3件をこなして、任務終了。

 何も出なければ、夕暮れ前には街に帰れるね。


挿絵(By みてみん)


 と、思ってたけど。

 こんなオラクルの街の近くに、オークの先遣隊が出没している。

 何でいるのよ、こんな所に?

 5匹の分隊。何者かと交戦中。

 弓持ちの男と小柄な女性が、夕暮れの広がる空の下、オークどもから距離を取ろうと苦労しながら戦っている。

 オークどもは半包囲。じりじりと間を詰めているみたい。何本か矢が当たってるけど、ものともしない感じね。

「みーよ」

「うん。でも、向こうの獲物かもしれないから、確認は取ってね」

「おっけー」

 そうだね、助けて欲しいなんて、思ってないかもね。

 車を寄せていくと、気づいたオークどもがこちらを警戒する。

 振り向いたオークの首筋に矢が命中。でも、効いていないみたいね。

 車から降りて、叫ぶ。

「助けが必要?」

「頼む!」

 男の声。どっかで聞いたことある声だね。

 ま、いっか。

 久しぶり、じゃないけど、オークって美味しい獲物なんだよね。

「シュラン、アンタは無理しないでね」

「え、師匠、アレと戦うんですか?」

 おろろ、まあシュランにとってはデカすぎで脅威を感じるのか。

「そりゃそうでしょ。あたし、オーク・キラーだもん」

 言い捨てて、そのまま観察(ジャッジ)。

 オークどもは3匹があたしに、後の2匹は弓持ちと小柄な女性の方を見ている。

 あたしらに挟まれた形だけど、奴らはそんな風には思ってないのかもね。

 と、シュランとみーよも車から降りてきた。

 オークの一匹が、そっちに気を取られている。

 あたしの相手は2匹になっちゃったね。

 で、コイツラ。

 隊長オーク、結構な武装してるね。皮鎧とヘルメット着用。

 武器もぼろい大ナタじゃなくて、ちゃんとしたシミターじゃないのさ。

 おまけに丸盾まで持っている。完全装備だね。

 で、もう一匹、というか、残りは普通のオーク。

 オーク・アグフとの時と同じ、分遣隊みたいね。

 もちろん全員、身長2メートル以上。体重150キロ以上。

 まるで軍隊だね。

 このところ、ショボイ稼ぎしかなかったけど、これは美味しそうだね。

「シュラン、2分持たせて」

「えぇ?!」

 なによ、頑張んなさいよ、稼ぎ時よ?

 奇跡で車を出しているみーよは、光の障壁(プロテクション)を使えないのよ。

 知ってるでしょ? みーよの守護(まも)りは、アンタしかいないのよ。

 気合入れて、体、張んなさいよ。

 で、みーよがシュランに向けて、光の祝福(ブレス)を唱えている。

 どうやら、あたしには貰えないらしい。

 ってか、イラナイし。

 こういうのは、先に指揮官(コマンダー)を叩いて混乱(バラバラに)させるのが一番だよね。

 一つステップを踏んで、デカい隊長オークに突っ込む。

 斜めに振るわれるシミター。

 剣筋が丸見えなんで、ギリギリまで見切ってかわす。

 空を切ったスペースを詰めて、ほぼ密着。

 姿勢を低くして、脚裏に回り込む。

 オマエ鈍重だ(ニブイ)ね、反応(レスポンス)が鈍(トロ)いよ。

 アキレス腱の辺りを、アギト・ナイフでバッサリ。

 悲鳴なんて聞く前に、そのデカい図体の背中をよじ登り、死角から相方オークの頭上に襲い掛かる!

 コイツも大ナタを振るおうとはしたけど、ちゃんとあたしが見えてないんで、空振りだね。

 片手でヤツの頭に腕を回し、ぐるりと回って背中に張り付く。

 首にアギト・ナイフを差し込んで、掻き切ってやった。

 派手に飛び散る血しぶき。

 それでも、あたしを掴もうとする腕。

 はん、そんな鈍(あま)いもんに掴まるわけないでしょ。

 飛び降りて、瞬時で周囲を観察(スキャン)。

 オークどもは、残り3匹。まだ二手に分かれたまま。

 弓持ちの男は大丈夫そう。距離を保ちつつ、弓を構えている。

 小柄な女性はかなり疲れているみたいね。んと、理力切れか知らん?

 じゃ、先にみーよとシュランを襲う1匹の処理(しまつ)だね。

 シュラン、白い光に全身が覆われている。

 オークの大ナタを盾で受け流しながら、小剣を振るっている。

 へえ、ちゃんと戦えてるじゃないか。

 その後ろで、戦いぶりを見守るみーよ。光の障壁(プロテクション)がないから、付き人のシュランが頼みの綱だね。

 お待たせしちゃったねぇ。

 オークの背後に取りつく。

 なんだ、と振り向いたその首に、ざっくりとアギト・ナイフを突き刺して、そのまま掻き切ってやる。

 シュラン、かわす事を覚えたみたいで、さっと離れたよ。

 オークは腕を無駄に振り回しながら、地面に倒れた。

 首から湧き出す血が、池のように地面に滲みだしていく。

「やるじゃん」

「は、はは……」

 ぶるぶる震えながら、それでもシュランはあたしに向けて、笑って見せた。

「残り2匹。仕留めるよ」

「は、はい!」

 立て続けに仲間を3匹失ったオークども。憎々しげにあたしとシュランを睨みつける。

 逃げないのは立派。そして、そんだけ。

 真正面から突っ込むあたしに、オークが細かく大ナタで牽制してくる。振り回してこないね。

 アギト・ナイフの背でナタをはじくと、ようやく怖れの顔がにじんできた。

 でも、もう遅い(ておくれ)。全然遅(おしま)い。

 力を込めて、柔らかい脂肪まみれのどてっぱらにナイフを突き刺す。

 そのまま切り裂いていくと、なんか喚きだした。

 破れかぶれの大振りを難なくかわして、片足を切り裂いてからシュランの元に向かう。

 あら、力任せの体当たりにひっくり返されてるシュラン。

 コイツらにそういう闘い方はダメよ?

 シュランを殺そうと襲い掛かったオークの背後に、こっちが殺そうと襲い掛かる。

 振り向いたオークの下あごから突き出る牙を掴んでロック。

 反対側に廻した腕に力が入りやすくなり、そのまま口の中にアギト・ナイフを突き入れる。

 喉の奥から斜め上に引き裂いてやった。

 声にならない呻き。

「シュラン、転がって避けな」

「は、はい!」

 そのままオークが、シュランのかわしたスペースにどっと倒れる。

 心臓を一突きしたいんだけど、態勢が宜しくない。

 ま、首でいいか。

 あら、汚い腕で抱きかかえられたけど、お返しにアギト・ナイフの口づけを、もう一度口の中に差し入れてやった。

 ヤツの血が、喉の奥から肺腑に流れていく。

 吐かれても汚いので、ナイフを抜いて、空いた手でヤツの顎を閉めてやる。

 ヤツは何度か震えて、あたしを抱えたまま、息絶えた。

 あん、もう、邪魔な腕を振りほどいて、ようやく立ち上がるあたし。

 まだとどめを刺していない、ラスト1匹は?

 弓持ち男が、近矢を放ちながら食い止めてる。

 あたしの両手、両足、よし、まだ動くね。

 荒れ狂ってなんか叫んでいるオークの背後まで一気に駆け寄る。

 気づいて振り向くヤツに、そのまま斬りかかる。

 大ナタで受け止めようとされたけど、斬撃をキャンセルして足元にスライディング。

 両足の腱を斬りつけて、背後に回る。

 なおも大ナタをやみくもに振るってきたけど、こんな密着状態でそんなもん、何の役にも立たないと分からないらしい。

 せめて腰の予備武器を抜くか、大ナタを捨てて素手で足掻けばいいのにね。

 コイツラ、ロクな武術も無いくせに、力任せで勝てるとか思ってるんだよね。

 人間をナメてるんだよね。

 だから、死ぬんだよ。

 ほら、足の腱を斬られたんでロクに立ってられないんだろ。

 下がってきたあごに、垂直にアギト・ナイフを差し入れる。

 そのまま斜め右、頭の後ろの方に切り裂いた。

 ようやく武器を手放してあたしを捕まえに来たけど、遅すぎ。

 もうおしまいだよ。

 むやみに腕を振るいながら、大量の汚い血をばらまきながら、ヤツはバッタリと倒れた。

 あー汚い。気持ち悪いわ。

 アギト・ナイフを収納して、周囲を確認。

 弓持ち男、疲れ切っているけど、健在。

 小柄な女性、少し離れた処でしゃがみこんでいる。疲労困憊って感じ。

 みーよ、無事。こっちに歩いてくる。

 側にシュランが付きそう。

 オーク、4匹は絶命。最初に闘った、アキレス腱を断ち切った隊長オークが、仲間の死を立て続けに見させられたまま、茫然と座り込んでいる。

 ツカツカと近寄る。

 座り込んでいる分、あたしより背が低く見える。

 何か言ってるけど、共通語(コモン)じゃないし、分かんない。

 武器を捨てて命乞いしているらしいけど、知らない。聞きたくもない。

 無言で、とどめを刺してやった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。