194.「光の女神様なので、ライト関係は特別仕様なの」
夕暮れが進み、ずいぶんと空が暗くなってきた。
あれ、城門閉められる前に間に合うか知らん?
取りあえず、車のライトを点灯。
フォグランプも全部点灯させたら、無茶苦茶明るいね。
「光の女神様なので、ライト関係は特別仕様なの」とみーよ様。
周囲を囲む騎乗の護衛たちや、後ろからついてくる馬車も、この明るさは助かるみたいね。
街の姿が遠くに見える。
畑で作業している農奴たちも、自分たちの粗末な小屋に帰る途中。
こんな派手な御一行様に、びっくりして道を開けてくれる。
オラクルに近づくにつれ、人々の数は増えていくけど、おかげでスムーズに進めるよ。
門は閉ざされる準備中。中に入りたい人達と、阻止したい門番たちが、なんかもめてる中に、乗り付ける。
さすがに10頭の騎馬と生き残りの隊員、それに立派な馬車、あたしたちのトラックを見て、動きを止めたね。
街の中から応援の兵士たちもぞろぞろやってくる。多分だけど、城壁の上から見張られていて、あたしたちが来るのが分かってるんだと思う。
あたしと車に乗っていた護衛が降りる。
周囲の安全を確保して。
姫様と侍女、そしてみーよが、シュランと一緒に降りたよ。
みーよが前に進み出て、あたしとシュランで後ろを固める。
偉そうな羽根飾りを付けた細面の男。門番長。またお前かー
「な、何事でございましょうか、聖女ミヨさま」
ビクビクしながら、揉み手をしつつ近づいてくる。
睨みつけると、飛び上がらんばかりにビクッと震えた。いい気味。
「村々を襲う魔物を退治する途中で、ポートビリアから逃れてきた侯爵家継承者の御一行を野盗よりお助け致しました。捕虜も連れております。必要な手配をお願いして宜しいでしょうか?」
すこぉし、眉をひそめて。
でも、姫様と侍女の姿、護衛の騎馬隊の様子を見て。
本物だ。本当の話だ。そう確信したらしい。
最初っから、そういう風に素直だったら痛い目見ないのにね。ちゃんと仕事しなさいよ。
応援に来た兵士たちと共に、トラックの中に積まれていた、多少ぐったりしている野盗たちを降ろし始める。
護衛の騎馬隊たちとも話をし、馬の世話と宿舎の準備を手配する。
姫様と侍女に、今日中に領主様への謁見を申し込むか尋ねた。
疲れている風だったけど、是非にとの、お願い。
えっと、あたしらも付き合わされるのね?
んで、車で街の中には入れないんでしょ? と思ったら。
そのまま入っていいってさ。馬車と同じ扱いらしい。
そういうバタバタの間に、揉めてた人々も街の中に入れて貰えたらしい。良かったね。




