187.あたしも、自分の子供が欲しいなぁ
朝稽古が終わりそうなタイミングを見計らって、みーよがあたしたちを呼びに来る。
その時に治療の祝福を掛けてくれるのも、いつもの生活に組み込まれていると思う。
カンタやシュランの怪我の具合も、ああ、こういうものなのね、と納得して頂けたようで、あまり文句は言わなくなったけど。
イラドの怪我については、睨まれ……ないなぁ?
いや、あたしじゃなく、シュランの成長なんだけどね。
その辺、みーよに区別がつくのかなぁ?
打撃痕と模擬剣での打撃の違いは、見る人が見るとはっきり分かるんだけど。
みーよ、個人にヒール掛ける時は、とても丁寧だからね。
区別がつくのかもしれないね。
朝ごはんの後、マム院長から、昼頃に炊き出しを行うという指示。
炊き出し。
アリとシュランは何をするか、知っている。
リコットとカンタ、チビたちは知らないらしい。
準備の手伝いをしながら、話を聞いてみる。
アリとシュランを引き取ってからも、しばらくは炊き出しを行っていたけど、経済状況が悪化し、マム院長の弟子たちがいなくなってからは行っていなかった。
3年後、当時6歳のリコットとカンタが教会に引き取られて。
その時はアリとシュランは10歳と11歳。
僅かばかりの金銭的援助があったそうです。その時に炊き出しを再開する話もあったけど、アリが涙ながらに抗議したので、取りやめになったのだとか。
で、1年半たって。
みーよがこの世界に転生して。彼女を教会で引き取る際に、資金がないもんで。無理に引き取るために、ちびちゃんたちとセットにされたらしい。
小さすぎる子の面倒を、一緒に見る代わりになのか。
誰が面倒を?
お前んところで以前引き取った孤児が、子守りができるくらいにはなってるだろう。この子たち、乳離れはしてるから、面倒を見てやれ。
普段、街のために何かを行っているわけではないのだから、これ位はして貰いたい。あ、資金援助は無しね。リコットとカンタの時に行ったでしょ?
みーよを引き取るお金が無いなら、この小さい子たちの面倒を見ることで帳消しにしてあげましょう。
すったもんだがあったって、そういうことだったのか。
チビたちが、あたしたちの話を何となく聞いている。
意味、分かるのかなぁ?
ま、判るんだろうね。
男の子の方を抱き上げて、お前たちの話をしてるんだよ?
そう言ってやると、周囲の反応が微妙。
え?
現実は、誰かがきちんと教えてやらないと。
お、ちび、なんか難しい顔をしているぞ。
それにしても、ほっぺたツヤツヤだなぁ。抱き寄せてあたしの顔を擦り付けてやると、キャッキャキャッキャと喜んでいる。
子供、可愛いなぁ。
あたしも、自分の子供が欲しいなぁ。
んじゃ、みーよとちびたちは、セットで引き取られたって事なのね?
初めて知ったわ。




