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Sweet Bomb NEXT  ~ 今度は異世界で大暴れっ!  作者: 白河・DG・夜舟
転移二十四日目っ! ~ ゴブリン退治に出発っ!

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185/276

185.なによ、あんただって、泣いてるじゃない

「なんか、一日が目まぐるしいんですけど」

 ため息をつくシュラン。

 そういえば、車酔いはどうなったの?

「あ、そうですね。忘れてました」

 ま、そういうもんだよね。

 目まぐるしいのは、移動が格段に速くなったからだね。

 村まで片道30分を切るからね。

 注目浴びまくりだけどね。

 うん、このトラックがあれば、狩りができるね。現地に行って、ドローンで獲物を探して、追いかければいいんだもんね。

 でも、車の音で分かっちゃうか。無理かなぁ?


 オラクルに帰還。

 さすがに車は街の中には入れられないんで、みーよが光の奇跡で消しちゃった。

 ただ、トラックとドローンは一度創ったんで、次回からはもっと早く出せるし、理力の負担も少なく出来そうなんだって。

 あと、シュランの付き人としての力が格段に上がったので、聖女であるみーよの力も増しているんだってさ。やっぱり、付き人あっての聖女みたいね。

 気を失ったまま毛布に包んだ女性を抱えたあたしが、門番を睨みつけると、どうぞお通り下さい、だって。当然でしょ?

 道行く人たちがチラチラ見てるけど、無視無視。

 ギルドに行きたいけど、先に青の教会に行く。

 あらぁ、新しい患者さんかい?

 おっかさんに呆れられるというか、喜ばれるというか。

 あの村、お金あまり無さそうだから、期待できないけど、いい?

 構やしないよ、儲けるためにこんな事してるわけじゃないさね。

 ルブラン、出番だよ。

 そんなやり取りのあと、彼女を預かって貰うことが出来た。


 ギルドで、依頼達成証明を受け付けた受付嬢。

 みーよ、あたし、シュランのギルドカードを確認して。

 受付嬢に、ちょっとビックリされた。

 少々お待ちください、だって。

 なんだろ? 戦利品や魔石の鑑定も頼みたいんだけど。

 あら、ギルマスじゃん。よく会うね。

 何よ、お二階? 大したことじゃないでしょ?


 大したことなのね。シュラン、二階級特進だって。

 いきなりEランクって、スゴイね。

 ギルドカードも、木から石をとば(ステップ)して鉄になったよ。

「い、いや、俺なんか、なんにもしてない…………」

 謙遜してるけど、最初にゴブリンどもに奇襲かけたの、アンタでしょ?

 あれは正直、助かったよ。

 それに、最後のホブにとどめを刺したの、アンタだし。

 あたしの声にとっさに反応できたんだから、当然でしょ?

 そもそも、アンタのランクが上がってくれないと、もっと稼げるところに連れていけないのよ。だからそれでいいの。

 コイツ、結構使える。

 なので、これからも、タップリとシゴいてあげるからね。


 戦利品の鑑定も、思ったよりは色を付けて貰えた。

 ゴブの魔石が50個で、大銀貨5枚。安いなぁ。

 ホブの魔石が3個で、金貨1枚と大銀貨5枚。そうか、ホブは1匹に付き大銀貨5枚なのね。こっちも安いわ。

 戦利品のクロスボウが、出来があまり良くないけど、1台につき大銀貨5枚。10丁なので大銀貨50枚。金貨にして5枚。これは美味しいね。

 棍棒は大銀貨5枚。大ナタも同じ。合わせて金貨1枚。

 山刀は金貨1枚だって。

 後、依頼達成の報酬で金貨1枚だね。

 合計、金貨10枚。思ったよりは、まあまあの稼ぎじゃない?


「アギト・ナイフを研ぎに出したいんだけど、シュランの小剣はどうする?」

「え、いいんですか?」

「いいもなにも、大事な商売道具でしょ?」

「じゃ、じゃあ…………」

 大丈夫よ、あそこの鍛冶屋、腕がいいから。


 帰りに鍛冶屋に寄って、あたしとシュランの武器を研いでもらうことにした。

 あたしのは金貨1枚。シュランのは、そんなに傷んではいないけど、心意気が良いということで、大銀貨2枚で引き受けてくれた。

 明日の夕方には、二本とも仕上げてくれるって。

 イイ人でしょ?

 よく分かんないですけど、職人さんって感じでした。


 武器屋に冷やかしに寄ったら、あたしの予備武器に棍棒を勧められた。

 ん-棍棒ね。さっきギルドで鑑定して貰って売り払ったんだけどね。

 軽いし、それなりの威力だし、お勧めですよ?

 見た目がカッコワルイ。パス。

 そうですか。では、またショートソードをお貸しいたしましょう。

 コイツの分も、いい?

 もちろんですとも。

 で、またしても借りちゃったよ。

 こっちの武器屋も、ホント気に入ってるんだよね。気が利くんだわ。


 気づけば、もう夕方。

 シュランとリコットが行きつけだという肉屋に寄って、羊肉の売れ残りをお買い上げ。安くして貰えちゃった。


 我が家の教会。うん、キレイ。

 走って出迎えてくれる、ちびちゃんたち。

 ほっとした顔のアリと、元気なリコットは、見習い聖女の服を着ている!

 新顔のエレナは、メイド経験豊富なケイトと共に、教会の家事全般を引き継いだみたいね。

 エレナはともかく、ケイトには賃金が発生するということで、その辺も話し合わないとね。

 みんな、ただいま。話したいことが、たくさんあるよ。

 私たちも、いっぱいお話ししたいことがたくさんあるの。

 お帰り。はじめての冒険はいかがでしたか?

 マムちんの、穏やかな笑顔。

 そういうつもりじゃなかったんですけど、割と稼げました。

 え?

 奉納しても、よろしいですか?

 え? シュランを連れて行ったんでしょ? そんな危ない所に?

 そのシュランが大活躍でね。

 う、うそぉ!

 ホブゴブリンを1頭、倒したよ。

 ギルドで、Eランクになったよ、二階級特進。

 うわ、まさか、ありえない、なんでなんで?

 その辺も含めて、先に奉納させてね?

 はい、院長室に全員集合!


 はい、今日の稼ぎ。金貨じゃらじゃら。

 10枚あるけど、メンテで使うんで、経費は引かせてね。

 女神ちゃんの公正な分け方で、教会に4枚ね。あたしら6枚だけど、代わりにお肉買ってきたよ、これ、おごり。

 金貨10枚!

 とりわけ、カンタが感動している。

 シュラン兄ちゃんが稼いできたの?

 い、いや、俺じゃなくて…………

 いや、いい仕事したよ。ランク特進は当然だと思う。これだけ出来るなら、稼げる迷宮に連れて行ってもいいと思うよ。

 で、金貨1枚、これ、シュランの取り分。

 え? なんで俺に?

 教会に奉納後の分け前は、半分がパーティー用の経費。残った半分をメンバーで分ける。

 金貨6枚の半分は経費。武器の整備や補充、冒険中の飲食、移動、その他諸々に使う。

 残りは3枚。メンバーは3人。だからアンタにも1枚。あたしはみーよに預けてるけど、アンタは自分で好きに使いな。

 俺の稼ぎ…………

 うわー兄ちゃんすげー

 カンタの憧れが眩しい。こんな身近に、夢をかなえた人がいる。

 イクミねーちゃんは、師匠は、最初から手の届かない人だけど。

 シュラン兄ちゃんは身近にいるからワカル。努力って報われるんだ。

 しかも俺、才能があるらしいし! やるぞ、やってやる!

 その横で、アリちゃんが震えている。

 危ないことして、心配で心配でしょうがない。

 でも、ちゃんと稼いでくるんだね。

 シュラン、あんた、本当にスゴイよ。

 あれ、なんで涙が出てくるんだろう? あれ?

 あらあら、シュランも震えてるよ。

 なに泣いてるんだよアリ。変だろう?

 なによ、あんただって、泣いてるじゃない。

 え? そ、そうか? オカシイな……

 そんな子供たちの様子を見守る、マム院長、ケイト。

 さぁさぁ、お肉預かりますよ。焼いてしまいますからね。

 積もる話もあるでしょう。談話室にどうぞ。


挿絵(By みてみん)


     ~ ・ ~


 夕食後、マム院長と相談。移動手段確保。村々を巡って、巡礼の真似事をしても良いだろうか?

 公に行うと、謀反と思われるかも。巡礼と収税は、基本的に同時に行うので。

 でも、誰かが巡礼を行わないとマズイですよね?

 そういう村は、魔物に困っているはず。依頼を受けて、ついでに結界石のメンテを行う形なら大丈夫ですよ。

 分かりました。仰せの通りに致します。

 周辺の村々から支持が集まれば、領主様も無視は出来ない。

 身内だということで惑わされず、公正に判断して頂ければ、どちらが大聖女に相応しいのか、きっとご理解頂けるはずだわ。

 でも、くれぐれもオラフレア様に非礼な事を行わないようにね?

 承知しております。郁ちゃん次第ですが。

 え? あたし? ちゃんと言うこと聞いてるもん。

 マム先生とみーよ、互いを見合って、ため息。

 ま、まあ、付き人が頭を下げるのは、聖女だけですから。

 ご理解頂けますよね、多分。

 た、多分、ね。



                    (つづくっ!)



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