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Sweet Bomb NEXT  ~ 今度は異世界で大暴れっ!  作者: 白河・DG・夜舟
転移三日目っ! ~ オノ村での一夜っ!

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18.「はい。これも聖女の務めですので」

 みーよが、少し水を飲んで、口を湿らせる。

 何か、考えがあるらしい。

 村長も、そんなみーよの様子を見て、改めて向き直った。

「こちらに来るまでの間に、ゴブリンを10匹、討伐致しました」

「おお、それはありがたい。代替わりしてからというものの、オラクルの大聖女様は、こちらまでは巡礼なされませんので」 

「そうですよね。困ったものです」

「あなたさまのような方が大聖女に成られて下されば、みな安心して暮らせるのですが」

 大聖女?

 巡礼?

 何の事?

 まあ、後で聞けばいいか。

「それと、オオカミを4頭、巨大な熊を1頭、討伐しております」

 みーよが何でもない事のように言うと、村長さんの顔色が変わった。

「な、なんと……」

「光の女神アーリューシャイン様のお導きにより、この村にたどり着くことが出来ました。もしも宜しければ、こちらに寄贈致しますが、いかが致しましょうか?」

 寄贈? 村に? タダで? えーもったいないよー

 ……なんて、言わない。

 考えるのは、みーよのお役目。

 考え無しに動くのは、あたしのお勤め。

 で、みーよはこっちの世界の人なんだから、きっとこれって、なんか意味があるんだよね?

「見せて、頂いても?」

「勿論で御座います」

「で、では、外へ……」

 村長さん、なんか半信半疑だね。

 オークの時は、アギト・ナイフ見せたら一発だったのにね。

 言われるままに外に出ると、村長さんは納屋の方から、木製の大きなテーブルみたいなものを取りだそうとしていた。

 大きいんで、一人で持つのは無理よ?

 ま、あたしは持てるけど。

 手伝ってあげると、感謝された。

 みーよが杖をかざし、両ひざを揃えて窮屈そうに前かがみになり、祈りを唱えると。

 杖からの光と共に、オオカミの遺骸が4頭、そして食べかけのデカい熊ちゃんの遺骸が次々に現れた。

 テーブルが、ミシミシと音を立てる。

「おお、本当に!」

 村長さんが感嘆の声をあげる。

 何かやってると、村の建物から幾人かやってくる。

 農家のおかみさんみたいな恰好の女性陣が、なんかキャーキャー言って喜んでるよ。

 その後ろで、おばあちゃん? が目に涙を浮かべてるし。

 ふっくらした村長の奥さんも目を丸くしてるし、子供たちがツンツンと熊やオオカミを突っついて遊び始めた。

「本当に、寄贈して頂けるのですか?」

 改まった様子で、村長が尋ねてくる。

「はい。これも聖女の務めですので」

 へえ、聖女ってそんなことするんだ?

「寄進は、いかほど……?」

「お気持ちで充分で御座います」

 寄進?

 ああ、お金貰えるんだね。

 村長は少し考えて、自分の家に戻った。そしてすぐに出て来た。

「今あるだけの金貨ですが、宜しいのでしょうか」

「はい、結構です。光の女神アーリューシャイン様に感謝を」

「感謝を」

 村長に合わせて、居合わせた村人たちが唱和する。

 で、うわぁあと嬉しそうに叫びだす。

「貴重な肉だ!」

「やった!」

「早速、捌いてしまおう」

 それからの村人たちの行動は、速かった。

 肉を解体するための櫓みたいなものが組まれ、吊るされたオオカミが次々に毛皮を剥がれていく。熊は最後に捌くみたいね。


「みんな、喜んでくれて、良かったね」

「そうね」

 みーよは、冒険者ギルドに卸してもいいけれど、世話になった村に寄贈した方が良いと判断したらしい。村長さんに貰った金貨は、相場としては低めだけど、それでもいいんだって。やっぱりそーなんだ。

 オオカミはめったに捕れない、貴重な獲物。被害がでると、罠を仕掛けて退治するけど、狩猟対象にするには割に合わないんだって。

 何日もかかりきりになって、得られるものが少ないのなら、本当に困った時以外、手を出したくないらしい。

 ただ、肉も毛皮も有用なので、加工の手間が掛かっても十分におつりがくるみたい。

 肉は干し肉にして保存食。主にスープの材料にする。

 毛皮は(なめ)して冬用の衣類へ。とても重宝するのだそうです。


 熊は、ホントに狩るのが難しい獲物。

 獲物というより害獣扱いで、村の近辺に現れると、総出で追い払いに掛かるか、冒険者ギルドに依頼を入れるみたいね。

 当然、肉も毛皮も高級品扱い。今回の場合は、村長が買い取って備蓄に回すらしいね。すぐには食べないんだね。美味しいのにね。

 ま、喜んでもらえるなら、あたしも文句はないけどさ。


 で、巡礼っていうのは、この村を含める周辺の村々を回って、豊作や安全を願う儀式を行うことらしい。

 具体的には、村の周囲に設置された結界石に、理力を注ぐって訳だね。

 で、同時にその年の収穫物の一部を、税として取り立てていく訳だから、割と大がかりな事みたいだね。

 だから誰でもできる事ではなく、村々を治め、治安を保つ大都市を守護する大聖女が取り仕切らなければ、意味がないんだって。

 なので、ただの野良聖女のみーよでは、執り行えないんだってさ。

 下手な事をしていると、勝手に税を取り立てているのではないかと見なされて、反乱者と決めつけられることもある。

 で、その大聖女様の巡礼があれば、作物は豊かに育ち、魔物は寄り付かなくなるのだとか。

 それって、結構大事な行事なんじゃないの?

 今の大聖女様とやらは、そういうことをしてくれていないの?

 サボってんの?

 

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