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Sweet Bomb NEXT  ~ 今度は異世界で大暴れっ!  作者: 白河・DG・夜舟
転移二十三日目っ! ~ 青の教会に集まって儀式っ!

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172/276

172.救われて良かったね。本当に良かった。私たちの分まで生きてね

「では、残った二人を人族として葬還する儀式を執り行います」

 お父さんの声と共に、再び青い光が円形の舞台を包む。

 あたしたちも、他の人たちも、少し離れた処で見守る。

 教会への青い通路が再び通り、その中を白黒長帽子の弟子二人が、担架のようなもので女性を舞台へ運び込む。

 担架が、宙に浮いた状態になっている。

 彼らは教会に往復して、もう一人も同じように運び込んだ。

 青い光でよく見えないだけど、女性たちは例のポンチョを着たままで、意識はないみたい。一人は小柄でまだ若そう。もう一人は成人してるね。二十代半ば、かな。

「皇龍公国第八皇位継承者、アーデリカ様で御座います」

 横で見守るふくよかさん、ケイトが説明してくれる。

 皇位継承者?

「お仕えしておりました」

 少し涙ぐみながら、ケイトが話す。

「もうお一人は、アーデリカ様にお仕えする侍女で公爵夫人のイライザ様です」

 ……へえ、じゃあこの三人が、一緒(ひとまとめ)にオークの捕虜にされちゃったって事なのね?

「居住していた城をオークの軍勢に攻め落とされて、私たちは虜囚となり、昼夜問わず辱めを受け続けてきたのです」

 そうなんだ。

「ようやく、ようやく解放されるのですね」

 ケイトは何かを堪えるように、じっと彼女たちを見つめている。

 白黒長帽子の偉い人が、青い光に包まれた舞台の中に入る。

 豪勢な杖を彼女たちにかざし、宙に円を描くように回し始める。

 どんどん速く回すと、うっすらと円軌道に光が起こり始めた。

 杖を回す手を止めたけど、光は残ったまま。

 その円の光が、眠る二人を包むと。

 二人とも、宙に浮かぶ担架から降りて、立ち上がった。

 目に光。表情に力。

 意識を、取り戻している。

「姫様、先生……」

 ケイトが泣きながら青い光の壁を越えて中に入ろうとする。

 でも、超えられない。

 意識を取り戻した二人が、ケイトに微笑みかける。

 そして、周囲を見回し、一緒に捕虜になっていた女性たち一人一人に笑顔を向ける。


 救われて良かったね。本当に良かった。私たちの分まで生きてね。


 声は聞こえない。

 でも、そう言っているように、聞こえた。

「ああ……」

 ケイトが堪え切れない様子で、膝から崩れ落ちる。

 でも、顔は彼女たちに向けたままだ。

 まるで最後まで焼き付けるかのように。


 白黒長帽子が、厳かな口調で彼女たちのために祈る。

「生命と死の裁定者として、貴女らを人族の元に還さん。貴方らの生涯をここに刻み、魂石とせん。高貴なる(アーク)・終焉(ディマイス)」

 光の輪が強く輝き、彼女たちも呼応して輝く。

 身体が縮みだした。

 笑顔のまま、消え行くように小さくなり、やがて人の形を失う。

 後に、ほのかに黄色味を帯びる、大人の男性のこぶし位の大きさの石が二つ、残された。

「人族としてその生を全うした証し、魂石である」

 そう宣言し、弟子たち二人に手渡す。彼らも恭しく、受け取った。

 青い光が消え、彼らも舞台から降りてくる。

 葬還の儀式が終わったらしい。

 そうか。オーク・ジェネラルに取り憑かれていたあの子、消えちゃったんだね。

 これで良かったのかは分からないけど。あたしは出来る限りの事はしたよ。

 だから、これでいいんだよね。


挿絵(By みてみん)

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