155.「リコットも、リコットなりに張り切ってるんです」
帰りに受付で冒険者カードを更新して。
教会に帰るのは久しぶりな気がする。
玄関を開けると、子供たちがわっと群がってきた。
フフン、君らのお目当ては、うちらの稼ぎでしょ。わかってんのよー
「無事に帰ってきて頂いて、良かったです」
アリちゃん、そこ泣くところ?
「師匠、お帰りなさい」
「お帰りなさい」
シュランとカンタも、ちょっとだけ、しんみりしてる。
なんかあったの?
「お帰り―」
リコットもしがみついてくるし。
変わんないのは、ちびちゃんたちだけだね。
二人とも抱き上げて肩に運んで。
「お帰りなさい、聖女ミヨ、付き人イクミ」
マムちんはいつも通りだね。あたしの取り越し苦労か。
奉納の儀式を済ませると、子供たちの表情もかなり明るくなった。
ま、なんたって教会に350万円の寄進だもんね。
迷宮探索、儲かるなぁ。
地味にみーよが出す食事と寝床の代金も、大きいんだよね。
リコットがお着換えして、同じくお着換えしたシュランを連れて、お肉の買い出しに出かけた。
「イクミねーちゃんがよく食べるから、お肉を仕入れてくる、だって」
「へー」
残ったアリちゃんが、いつもの格好で椅子に座る。
「前にあたしらがパレードに出てた時は、帰りにアリちゃんがお肉を仕入れてきてくれたんでしょ?」
「ですね。で、リコットが、次は自分で買いに行きたいって」
「アリお姉ちゃんの買い方を見て、自分でもやってみたくなったって事?」
「そうかもしれませんね。私も、買い物がこんなの楽しいだなんて、思ってませんでしたから」
ふーん。そういうもんですか。
で、シュランが護衛についてるし、お洋服も立派だから、ちょっとしたお貴族様って感覚なのかしらん?
いや、お貴族様は自分で市場に行って買い物なんか、しないのかもしれないけど。
「リコットも、リコットなりに張り切ってるんです」
そういうアリちゃんの目が、なんか優しい。妹分の成長を楽しんでいるってところか知らん。
シュランもいるし、その辺はボチボチ任せても大丈夫、といった所かな?




