154.教えてないのか? 必要無いと思ってました。
冒険者ギルドに到着すると、たむろしてる同業者が注目しだす。
自然に道が開けるし、変な声を掛けてくるヤツも、誰もいない。
うん、気持ちいいね。ちゃんと躾けられてるね。
2、3人待ちの列に並ぼうとしたけど、先に受付嬢が二階へと案内してくれた。例のトロ子ちゃんだった。あたしらの専属にでもなったのかしらん?
すっかり慣れた応接室で待っていると、すぐにギルドマスターがやってきた。
「迷宮探索に参加してたんだったな。かなりの成果だったと聞くぞ」
もう知ってるの?
情報が速すぎない?
「マクロン閣下から連絡があった。戦果の記録も送られてきているから、帰りに受付で冒険者カードを書き換えていってくれ」
「今いないメンバーは?」
「早めにギルドに立ち寄るように伝えて欲しい」
ハイハイ。それはマイアミのお仕事だね。
それにしても、閣下も仕事が速いね。
「で、迷宮で見つけた遺品だったな」
「はい」
みーよが祈り、杖から出してきた遺品の数々を、ギルマスは一つずつ確かめるように調べていった。
「鎧のデザインは皇龍公国のものだな。大盾の紋章は、俺はあまり詳しくないんだ」
ふーん。
「あえてこの迷宮に来ているとは考えにくい。向こうと迷宮が繋がっているのか、転移でもさせられたのか」
「皇龍公国って、何?」
ギルマスが、顔をあげてあたし、ではなく、みーよを見た。
教えてないのか?
必要無いと思ってました。
だーかーらー二人でアイコンタクトやめてー
「皇龍公国は我々の住む魔導帝国に敵対している、大きな国だ。オラクルは比較的国境が近いので、他人事ではないのだよ」
そうなんだ。解説ありがと、マイアミ。
「一応、領主様に報告しておく。調べられるだけ、調べておこう。遺品のみを買い取ることもできるが、解決後に清算でもいいぞ」
んと、調査するから遺品は預かるけど、関わらないなら買い取ってもいいよ、ってことだね?
マイアミとみーよは互いに見つめ合って。
「解決後で」
「解決後に清算して下さい」
意見が一致したみたいだね。
「よし分かった。俺も、敵対する国とはいえ、出来れば遺品位は届けてやりたい。冒険者ギルドに国境は関係無いからな」
ふーん、冒険者ギルドって、国は関係無いんだ。そうなんだ。




