153.稼ぎは、もう少し有意義に使いなさいよ。とは思うけど
お店番のツインテール娘も、なんか嬉しそうだ。
お疲れーと、軽い口調で大金貨の入った袋を手渡してくれる。
客もいないので、そのまま店内で報酬を分けた。
あたしらに大金貨6枚、マイアミたちにも同じね。
「普段の実入りはどうなの?」
「大金貨2枚から3枚が相場だ」
へえ、結構な稼ぎだね。
「低階層のコボルトが美味い稼ぎじゃが、一回当たるとしばらくは出てこないんじゃ」
「トルモルト様から賜る弓も矢も、無償ではないのだよ。それなりの寄進が求められる」
「武具の手入れ、修理も金がかかるでな」
「で、これは食事と宿泊代だ。世話になった」
あら、気前がいいわね、大金貨1枚。
3人を3日分だから、金貨9枚じゃないの?
「多すぎます。お釣りを」
「いや、取って置いてくれ。そなたらのおかげでかなり深く潜れた。前にも言ったが、出来れば次回も頼みたい。このメンバーなら20階層まで行けそうな気もする」
「はい、検討します」
みーよの返事があいまいだね。もう交渉は始まっているのね?
「頼む」
念を押すようにマイアミがいう。
「冒険者ギルドに寄っていくか?」
「遺品の報告ですから、共に向かう方が良いでしょうね」
「わしも行かないとダメか?」
何よダナン。何ソワソワしてんのよ。
「いや、構いませんよ」
マイアミが苦笑して、大金貨を1枚手渡す。
「デンの分は渡しておきます。残りは諸経費扱いで私が預かりますね」
「お、おう!」
ダナンは金を受け取ると、じゃあまたな、と手を振って、鎧をガシャガシャ言わせながら店を出ていった。
「なによ、随分と急ぎの用みたいね?」
「さあ。呑みに行くのか、女性を抱きに行くのか、賭け事か、その全部か」
ああ、そういう事ね。
稼ぎは、もう少し有意義に使いなさいよ。とは思うけど。
まあ、本人の勝手か。
ギルドに向かう途中で、トルモルト教会の会計状態を聞いてみた。
ウチらみたく、稼いだ時に半分こ、ではない。
毎月払いの定額制なんだって。
その方が真面目に働くから、という理由らしい。
で、冒険者ならランクによって奉納額も変わってくる。
マイアミたちは月に金貨5枚。
家賃50万か。中々の高級暮らしぶりですな。
食事、宿泊、身の回りのお世話は基本的にメイドさんが全部やってくれる。
ちなみにメイドは二人いるそうな。そうなんだ。
聖人といわれて威張り腐っているあのエロハゲは、適当にお金を入れているらしい。ズルイと思うけど、そもそもあの教会の所有者がアイツなんだって。ムカつくわ。
でもねーそっか。強くてお金持ちって、そりゃモテるよね。
体つきもかなりいいし、飼っている女たちにはなんか優しそうだし。
はっ!
あたしは、全然興味ないもんね。
むしろ嫌い、大っ嫌いだもんね。
許さないもんね、あんな奴。
今度出会ったらケチョンケチョンにしてやるんだもんねっ!




