150.なるほど、面白いね、これ
仕留めたコボルトは全部で21匹。ダナンの弓で10匹。あたしが直接殺したのが9匹。瀕死に止めを、ダナンとマイアミで1匹づつだね。
コボルト・ガードはあたしとダナンでそれぞれ1匹づつの討伐。
コボルトの魔石は、ゴブリンよりはマシ程度の価値だとか言ってたね。
確か第2層で、30匹程度の群れに遭遇したんだっけ。
ただ、クロスボウが結構なお値段になるんだとか。
あとは、コボルト・ガードの山賊刀と、ダナンが倒した方の大剣だね。
「名前ありの魔物の討伐者は、武装を自分のモノにできるんじゃが、お前はどうするんだ?」
名前あり?
まあ、ガードって名前がついてんのか。
「ん-使わないかな」
「わしも、いらんわ」
という訳で、売っぱらって山分けでいいよね。
ガードの魔石は、オーク・コマンダーと同じ価値の大金貨1枚。これは大きいね。
あらかた処理が終わって、みーよとマイアミで遺骸の浄化を行って。
コボルトたちがやってきた道をたどると。
思った通り、転移陣への通路を見つけた。
マイアミが手をかざして、作動状況を確かめると。
「使えそうですね」
点検したマイアミが、嬉しそうに宣言する。
魔法陣の光に近づくと、あたしの意識に、第14階層、が認識された。
「あ、分かった。確かにここ、14階層だね」
みーよも理解したみたい。
「じゃろう?」
ダナンもニヤニヤしている。
「転移陣に認識され、登録されたんですよ」
認識? 登録?
「ええ。次回に潜るときは、第3階層の転移陣からこの地点に跳ぶことが出来ます。まだ、10階層へも行けるとは思いますけどね」
今回、来るときに転移した階層の事ね?
「深く潜ると、手前の階層に行けなくなるんですよ。まだマッピングも完成していないのでね」
ふうん。
「今回はここまでにしましょう」
あたしたちは、魔法陣の中に一緒に入る。
マイアミが何かつぶやくと、景色がうっすらとかすみ、再び鮮明になった。
「第3階層、だね」
うん、分かるわ。
なるほど、面白いね、これ。
「さ、行きましょう」
第3階層はアンデッド・ゾーンだっけ。
でも、速足で歩けば、魔物には遭遇しない……事も無かったけど、めんどくさいので振り切った。
第2階層も問題ない。何も出なかった。
第1階層は、さすがにゴブリンの群れに遭遇したけど、みーよが強い光で照らし出すと、一目散に逃げていった。
「奴らは、こっちが弱っていると襲ってきますが、手ごわいと分かるとすぐに逃げ出しますね」
「迷宮の帰りで、弱っていそうだと見当でも付けているの?」
「そんなところですね」
どうせゴミしか出ないんで、追いかける足も勿体ない。
デンの体調も悪いので、追い足があまり無いしね。
それでも自分で歩いて、罠とかないかと調べてくれる。アンタ立派だよ。
その後は何事もなく、地上にたどり着いた。
設置されている鉄の扉も、マイアミが手をかざすと、ひとりでに開いた。
太陽の光がまぶしい。
風が、気持ちいい。
ん-と伸びをする。
みーよも同じように伸びをした。
二人で見つめ合い、笑いあった。
マイアミが背後で、再び鉄の扉を閉ざした。
「オラクルに帰りましょう」
街への転移陣に乗り、あたしたちは再び、不思議な力で空間を飛び越えた。




