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Sweet Bomb NEXT  ~ 今度は異世界で大暴れっ!  作者: 白河・DG・夜舟
転移十五日目っ! ~ 青の教会で大暴れっ!

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130.視界が揺れるけど、大丈夫、あたしが付いてる

 目を覚ますと、白いシーツが敷かれたベットの上にいた。

 高い天井。周囲から聞こえる寝息。

 ん? どこだ?

 身体を起こそうとして、起き上がれない。

 拘束とかじゃなく、起き上がれないのよね。

 ん-起き上がる気持ちになれない、って感じかな?

「気が付いたようだね」

 おっかさんだ。

「いや、凄いねあんた。ホント、ウチのイーシュの嫁に欲しいよ」

 穏やかな顔で、冗談じゃないことを言ってくる。

「どうなったの?」

 答える前に、おっかさんが水差しを口に付けてくれる。

 ン、酸っぱい。なにこれ?

「身体の回復薬だよ。リハビリの終盤に使うもんだねぇ」

 へーそうなんだ。

「あれだけ侵喰が進んだ、しかもジェネラルの体液をこれでもかと受け容れた身体でも、人の形に戻れるんだねぇ」

 ゴメン、訳の分かんない話は、頭に入んない。

「ああ、そうだったね。上手く行ったよ。とても上手く行った」

 そうなんだ、良かった。

「こういうのは、あたしゃ今でも反対だし、これからも反対するけどね。上手く行った事に文句は言っちゃダメなんだろうね」

 そ、そうなんですか。

「あたしはどうしたら?」

「今日の所はウチで一泊していきな、と言いたいんだけどねぇ」

 おっかさん、ちょっと名残惜しそうにあたしを見る。

「あんたの聖女様が、連れ帰っちまうだろうねえ」

 みーよが? そうなの?

「これ以上はココに置いておけませんって息巻いてたからねぇ」

 そうなんだ。

 まあ、心配は、させたかもね。

 うん、結構な死闘だったとは思う。外の声とか様子って、あの中じゃ分かんないんだよね。

「郁ちゃん、起きたの?」

 お、みーよだ。

「起きた。上手く行ったんだって?」

「行った、行ったけど、郁ちゃんが……」

 なんて顔してんのよ。

「大丈夫よ、ちょっと疲れただけ。ん-こういう時に使う、も少しゴツイ武器が欲しくなったわ」

 うわ、スゴク心配そうな顔。

 大丈夫だって、と、起きようと思うんだけど、あれ? 起きられないなぁ。

 ん? なんだこれは。

 少し考えて、思い当たった。

 これは、青の何とかの、術だ。

 平静(セレニティ)? 鎮静(メディ)? 多分、そんな感じだ。

 へえ、結構スゴイじゃん。効いてるよ。

「まだ起きちゃだめだね。もう少し寝てな」

「えーもう元気だよ?」

 おっかさん、そんな風にあたしを甘やかさないでよ。

 ってか、お腹空いた。

 お酒飲みたい。

 ウチでゴロゴロしたい。

 寝るならウチで寝たい。

 今日のお仕事は終わりでいいんでしょ?

 そういや、なんか、アオイが抵抗(レジスト)がどうこう言ってたね。

 男を寄せつけない、あたしのパワーをとくと見よ!

 って、どーやるんだろ?

 起きる起きる起きる!

 こんな感じかしらん。

 ん、なんか、起きれるような気がしてきた。

 意志の力でねじ伏せる感じかしらん。

 寝させようとする力をはねつける……

 ちょっと弱いね。やっぱり、ねじ伏せるでいい感じ。おらぁっ!

 ガバッと起きたあたしに、みーよはキョトンと、おっかさんはビックリ。


挿絵(By みてみん)


「あれ、意外に元気?」

「な、なんで起きれるんだい?!」

「ん、元気になったから?」

「いやそうじゃない。凪風(カーム)の術は、鎮静(メディ)よりはるかに強力なんだよ?」

「分かんない。あたしシロウトだし」

 おっかさんは、呆れた顔であたしを見つめる。

「なんか、もう、あんたは色々と、規格外なんだね」

 うん、そうかもしんない。

 ンと、着ているものはポンチョな寝着か。身体は、なんかキレイだね、返り血とか、たっぷり浴びたと思うんだけどね。

「ああ、身体かい? そりゃ清めるさ。ここをどこだと思ってるんだい?」

 そりゃそうだよね。そっか、体の隅々まで見られちったのか。イヤン。

「あんたの身体を洗ったのはあたしさ。嫁入り前なんだろ? ま、あんまり気にしてるようには見えないけどね」

 いや、気にしてるよ。とっても気にしてる。

 そうか、気にしてないように見えるのか。おかしいな。

「着替えるなら、中の部屋を使っとくれ……ホントに立てるのかい?」

 ん-どーだろ?

 ソロッと足をベットから降ろしてみると、なんか覚束(おぼつか)ない気もする。

 地面がグラグラ揺れている感じ。

 ええい根性根性!

 みーよとおウチに帰るんだ。ウチで目いっぱいゴロゴロを堪能するんだ。

 ちびちゃんたちのミルク臭いニオイに癒されて、カンタとリコットの元気な笑顔を見て、アリとシュランの青春を見届けて、マムちんと晩酌を交わすんだ。

 よし、帰ろう。

 視界が揺れるけど、大丈夫、あたしが付いてる。

 上手に操縦してあげる。任せて、あたし天才だし。

 とと、ととと……

 あ、れ?

 フラッと来て、倒れそうになって、踏ん張って、踏ん張れなくて……

 アレ、あれれ?

「ほら言わんこっちゃない」

 おっかさんにガッチリ、支えられちった。

「ミヨ、あんたの付き人は、今日は帰せないよ。いいね」

「……は、はい」

 えーちょっと待って、あたし大丈夫、帰れるよ、帰れるってば!

 うわ、お父さんだ。

 なんかゴニョゴニョ言ってる。またあたしを寝かせるつもりだ。

 うぬう、負けるもんか、抵抗(レジスト)してやるぅ!

 男め、寄るな触るな近づくなぁ!

 あたしはイケメンイケボイス大好き。他はすべて却下却下却下なのぉ!

 お父さん、おっかさんの方を見て、肩をすくめ、手を挙げている。

 降参? 

 降参なのね!

 おっし勝ったわ!

 何よおっかさん、これ飲めって?

 お薬か、しょーがないなー

 一口吸ったら。

 なんか、急に眠くなってきた。

 しまった、これ、ねむりグス……り……



                    (つづくっ!)

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