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Sweet Bomb NEXT  ~ 今度は異世界で大暴れっ!  作者: 白河・DG・夜舟
転移十四日目っ! ~ 青でも赤でもなんでもいい、大暴れしてやるっ!

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123/147

123.マイアミ、なんでも知ってるんだね

挿絵(By みてみん)


 ダナンが、こんな美味い酒は飲んだことがない! と滅茶苦茶感動していた。

 マイアミも、しきりに感心している。

 こりゃ、真っ赤っ赤の付き人との聖戦の話は、後にした方が良さそうかな。

 みーよ、コイツらにこんなイイ酒飲ませたら、朝も夜も入り浸りになっちゃうんじゃないの?

 とか思いつつ、あたしもグラスを傾ける。

 今日も色々あったし、こういう時は旨い酒と旨いツマミに限りますなぁ。

「酒が美味すぎて、要件(はなし)を忘れてしまいそうだわい」

「なーによ、改まって」

「暇になったらでいいんじゃが、お前たち、迷宮(ラビリンス)に興味はないか?」

「なによ、仕事の話なの?」

「うむ」

 あーダナン、なんかそっちが専門だとか、言ってたね。

 あたしらの夕食の支度を始めているアリちゃんが、聞き耳を立ててるのが分かる。稼いできてね? だよね。

 どっかヘンな所に行って、変な時間に帰ってきて、ゴロゴロごろごろしてる。

 で、突然ドバっと稼いでくる。

 うん、アリちゃんの目から見れば、この人たち一体何なのって思うよね。

 分かるよ。そういうもんなの。荒くれ(ごろつき)どもの巣窟(たまりば)、冒険者って職業はね。

「結構深く潜るようになったんじゃが、ちと詰まるようになってきおってな。単純に火力が足りないんじゃ」

「それはアンタがヘタレなだけでしょ?」

「なーにをいうかーワシじゃないと、あそこまでは潜れんぞ」

「あなた一人で潜っているわけではないでしょう」

 少し呆れた声のマイアミ。

「大きくて硬い魔物は彼の専門なので任せているのだが、小さくて素早い奴らが押し寄せると、デンだけでは捌き切れないのだ」

「で、あたしの出番ってわけ?」

「軽戦士と、本職の聖職者が足りない。欲を言えば魔法使いが欲しいが、マクロン閣下はご自分が行きたくない迷宮なので、我々と契約を結んでいるのだ」

 ふーん。まあ、あの閣下が自分で地下に潜っていく姿は、あんまり想像できないね。

「迷宮への行き帰りは、固定の転移陣が設置されておる。潜る日数はそちらの都合でかまわぬ。契約なのでな、迷宮からの取得品が少ないと、契約解除されてしまうんじゃ」

「なーによ。そっちの都合だけじゃないのさ」

 予定と日数はこっちの都合でいいって言われてもね。

「潜るための備品を、わたしたちで準備しろ、と?」

 ん? そっち?

 なによ、にへへって笑っちゃって?

「アーリューシャイン様の付き人への恩寵は、本来は付き人のためだけのものですよ?」

「ほほう、今、現に、こうして吞んでおるが?」

 ダナン、交渉もするんだ。へえ。

 みーよに、ねえ。

「あら、たった今奇跡の力が失われましたね。片づけましょうか」

「ちょ、ちょっと待たんかぁ!」

 みーよは小首をかしげて、とぼけた顔でダナンを見る。

「一日、一人に付き、金貨1枚」

「た、高いわぁ!」

「そうでしょうか? では、このお話は、無かったことに……」

 また、テーブルに並べられたお酒たち(おんちょう)を片付けようと。

「ちょ、ちょっと待てぇ。そう急ぐな」

「話は、最初から詰めておきなよ。ってかダナン、アンタ頭を回す役割じゃないんでしょ?」

 あたしも同じだけど。

「う、うむう、そうなんじゃが……」

 ちらと、マイアミを見る。

 あら、交代なのね?

「本人がやってみたいと言い張るのでね。失礼した」

 本命(マイアミ)登場ね。

「どこまで頼める?」

「付き人と同じレベルの待遇は、お約束できます。共に深部へ、アーリューシャイン様の光を輝かせるのですから、量の面では問題無いか、と」

「ふむ。こちらは、迷宮への行き帰り、迷宮からの通常の帰還スクロールは無償提供する。緊急脱出時は、街への転移陣スクロールも保険として無償で負担しよう」

 街への転移陣スクロール……なんか、マクロン閣下がお店で、大金貨10枚とか言ってたヤツ?

 ……持ってんの?

 へえぇ、おっかねもちー!

「取り分は人数割りではなく、そちらの教会分として半分渡す。別に、迷宮での飲食と休息の代金として、そちらの言い分を全て呑む」

「3人分、一日金貨3枚で、宜しいのですね?」

「構わん。約束する」

「ちょっと待てぇ。稼ぎが無かったらどうするんじゃ?」

「その時は、赤字だな。どっちにしても、マクロン閣下から契約解除だしな」

 乾いた笑みを浮かべるマイアミ。

 結構大変(シビア)そうだね。

「そっちは、いつがいいの?」

「早いに越したことは無いが、青き清浄の調べ教会の件もあるだろう。明日も手伝いにいく。人手はある程度いても良いのだろう? ダナンとデンも向かわせる」

「あぁ? わしか?」

「恐らく、侵喰の酷い二人は、葬還になるだろう。だが、もしかすると、硬い殻を打ち壊すために、お前の戦斧が必要になるかもしれんぞ」

「けっ」

 仕方ないな、というダナンの顔。

「マイアミ、なんでも知ってるんだね」

「そんなことはないのだがな。あそことも、付き合いはそれなりに長いのだよ」

 そういうもんですか。


 夕食なんだけど、トルモルト教会関係者の方々は、さすがにお帰り頂いた。

 デンはまだ残りたそうな顔をしていたけど、我慢なさい。こっちは補修の職人さんたちの夕食の支度もあるの。余裕無いの。

 でも、手伝ってくれてありがとう。アンタやっぱり出来る子デンだわ。

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