↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Sweet Bomb NEXT  ~ 今度は異世界で大暴れっ!  作者: 白河・DG・夜舟
転移十四日目っ! ~ 青でも赤でもなんでもいい、大暴れしてやるっ!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

121/150

121.イイよ、もう一回やろう。何度でもやろう。これ楽しいわー!

 あら、茫然としてるのは、縦ロールちゃんも同じなの?

 つかつか近づくと、震えた様子で御者? 執事? が行く手を阻む。

 軽く手で押しのけて。あらん、倒れるんじゃないわよ。手加減してあげたでしょ?

「まさか、負けるはずなんてないとか思ってた、とか?」

 反応が、無いわね?

「イイよ、もう一回やろう。何度でもやろう。これ楽しいわー!」

 だってまだあたし本気じゃないもん。本気出させてよー!

「こ、こ、この猿娘がっ!」

 ようやく、憎々しげに口を出してくる赤い子ちゃん。

「あの侍女たちじゃ、話になんないわね。他に強いのいるんでしょ?

 あたし、本気(ガチ)殺し(ヤリ)合いたいの。まだアギト・ナイフさえ振り回してないのよ? 分かるでしょ?」

 な、なんだコイツ、みたいな目で見つめないで。照れるじゃないのさ。

「ルール分かんなかったから遠慮したんだけど、これじゃ次からは開始30秒瞬殺なの。あの侍女達じゃ弱すぎて話になんないのよ。

 ……シロウトにはワカンナイか」

 後ろから、肩を叩かれた。何よ、今、とってもイイ所なのに。

 げっ、みーよだった。

「付き人が、大変失礼致しました。聖戦を受けて頂き、誠に有難う御座います。聖約に基づき、青き清浄の調べ教会のアオイとイーシュの付き人誓約を御認め下さいますよう、重ねて申し添えます」

 慇懃無礼が服着てご挨拶しているような、すっごく丁寧なお言葉。

 うわぁ、この真っ赤な娘、すごく悔しそうだけど、なんにも言えないでいる。

 目に涙が、今にも溢れそうだね。

「お嬢様……」

 お、侍女登場。あたしにビクつきながらも、お嬢様のお世話をしなきゃならないのね?

 お仕事大変だね。

「こ、こ、この愚か者が!」

 あらん、扇子で引っぱたいてる。ダメよ、そんな八つ当たりは。

「お、お前たちが負けなければ、(わらわ)は、(わらわ)は、こんな恥さらしな思いなどせずに済んだのじゃ。そうじゃ、悪いのはお前たちじゃ! (わらわ)は何も悪く無いのじゃ!」

「仰せの通りで御座います。大変、申し訳御座いませんでした……」

 侍女二人、深々と、それはもう深々と頭を下げている。

「爺! さささ、さっさっと帰るのじゃ。(わらわ)は大変不愉快なのじゃ!」

「は、ははっ!」

 キイッと涙目であたしをもう一度睨みつけ、馬車に乗り込むお嬢様(まっかっか)

 一緒に乗り込む侍女たちに。

「アンタらも、大変だねぇ」

 せいぜい、同情してあげたけど。あたしの方を振り返ろうとはしなかった。

 細かく、震えていた。結い上げた髪の下から見えたうなじが、朱に染まっていた。

 赤いじゅうたんが巻き上げられ、二頭の馬に引かれた豪華な馬車が、騒々しく帰って行った。

 街の人が、じっと、じいっと、見送って。

 姿が完全に消えた、後。

「うわああああああぁ!」

「かったああああああ!」

「ざまあ、は、まずいか」

「やったあああああぁ!」

 どこに潜んでいたんだって位の大勢の人たちが、わらわらと大通りにあふれて来たよ。

「凄かった!」

「すっきりした!」

「さすがオーク・キラー!」

「強すぎる!」

「かっこいいっ!」

 口々に、そんなに褒められてもねえ。

 かかってきた火の粉を、払っただけだからね?

 みーよが、杖を掲げて、みんなの声援に応えている。

 あたしも、両手を掲げて、同じように声援に応えておいた。

 公開格闘戦だからね。

 多分、みーよがオラクルの大聖女になるために、必要な事なんだろうね。


挿絵(By みてみん)


 ようやく熱気から解放されて、子供たちの心配ができるようになる。

 すでに気が付いているアリちゃんも、シュランも、身体は大丈夫そうだ。

 買ったばかりのお洋服が破れていないか心配だったけど、こっちも大丈夫みたいね。理力? で持ち上げて運んでるから、その辺は手荒な真似をすることはないのかしらん。

「俺……」

「あれはしょうがないよ。ただ、あたしはああいう時、みーよを守るので手一杯だから。君らは正直、見捨てるよ」

「い、いえ、分かってます」

 自覚が足りない、と反省しているシュラン。

 ま、責めるつもりは無いよ。あれは初見じゃ無理だし。

「イクミねーちゃん、いや、師匠、凄かった……あのぶわーってのに、当たんないのね」

 あーぶわーね。

 はい、ここに撃つよって、向こうが言ってるからね。

「ホントに勝っちゃうんだねぇ……」

 少し呆れた顔の、みーよ。

 ん-思ってたより、弱かったよ?

 ただ、このルールでシュトルムとかがアレの付き人になって勝負となると、かなり厳しいかもしんない。

 こっちのバリアとか加護とかって、多分当てにできない弱さなんだとしか思えないんだよね。一発当たったらオシマイ、なんだよね、多分。

 みーよが争いを避けたがるのも、なんかワカル。

 でも、全力出してイイっていうのは、気に入ったわ。

「あの、助けて頂いて、ありがとうございました」

 まだビビっている、アリちゃん。

「うん、怖かった……」

 まだ震えている、リコットちゃん。

「うん、突然だったし、怖かったね」

 二人とも軽く抱きしめてあげると、落ち着いたみたいね。

 ゴメン、その辺は、あたしの認識不足だと思う。

 無理なもんは無理だけど、来ると分かってさえいれば、もうチョイやりようはあったと思う。

「聖女になるなら、こういうこともあると、覚悟はしておいてね」

「は、はい……」

 そうだね、そういう覚悟も、大切だね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。