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Sweet Bomb NEXT  ~ 今度は異世界で大暴れっ!  作者: 白河・DG・夜舟
転移十四日目っ! ~ 青でも赤でもなんでもいい、大暴れしてやるっ!

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115/150

115.男に言い寄られても、きっぱり拒める力、みたいな?

「で、これからどうするんだい?」

 みんな一息ついて。打ち合わせモードだね。

「状態の悪い人は、今日はもうやめておこうかと思う。分かってはいたけど、私の力が全然足りてない」

 アオイが、けっこう悔しそうにしてる。

「ダメじゃないだろう。アオイは頑張ってるよ」

 お父さんが優しく慰め、励ましてるね。

 あたしもそう思うよ。

「今の人は、鎮静(メディ)感情浄化(クリーナー)も全く入らなかったでしょ?」

「まあ、確かに……」

 ああ、お父さんがクリーナー? の担当だったっけ。反省するのはお父さんも同じか。

 でも、お父さんのせいにはしないんだね。

「イクミさんのとっさの判断が無ければ、けが人や死人が出ていたと思う。顔に怪我までさせて……」

 すぐに治し(ヒールし)て貰ったし、平気だよ?

「あー前衛職(フロント)だし、斬った張ったは日常茶飯事(いつものこと)だよ? この程度でキャーキャー言わないよ」

 そう、言わない。マイアミが役に立ってないだなんて、言わない。

 あら、視線を感じてムッとしてんの? だったらちゃんと仕事して。

「あたしゃ思うんだけど」

 あら、おっかさん、出番ですね?

 直接治療に当たっている人だけの打ち合わせと思ってたけど。

 いや、この人の意見、大事だわ。伺いますよ。

 みんな、おっかさんに注目してる。気持ちは同じなんだね。

「マイアミ、アンタが治癒(ヒール)に当たった方がいいんじゃないかい?」

「い、いや、取り押さえる者がいないと、危険では?」

「役に立ってないじゃないか」

 うわぁ、言っちゃったよ。あたしでも口には出来ないのに。

 まあ、態度で示してるけどさ。

「ぐ、ぐう……」

 ま、正論なんだよね。正直、役にたたないなら、いなくてもいい位。

「ミヨ」

「は、はい」

 緊張して、みーよの声が少しうわずってる。割と珍しいなぁ。

「アンタもそれなりには、清めの奇跡は行えるんだろ?」

「それなりの力しか、ありません。亡くなった人を弔う事は出来ますが、生きている人の自我抵抗(レジスト)を超えられるだけの力は無いですよ?」

 レジスト?

「受け入れて貰えれば、問題ないんだろ?」

「それは、そうですけど……」

「アオイと二人がかりでやってみたらどうだい?」

 ん-杖を身体に差し込んじゃう奇跡の事?

「……ちょっと、女神さまに相談してみても?」

「うん、やっておくれ」

 みーよが祈りの姿勢を取って、瞑想し始める。

 彼女の反応が、消えた。深く交信してるみたい。暫くかかりそうだね。

「レジストって、なに?」

 その間に、アオイに聞いてみる。

「生き物が持つ、魔法や理力に対する抵抗力の事なんだけど。外部からの干渉に対して、受け入れないという意思を示す力の事なんだけど」

 ん-ばい菌やウイルスに対する免疫みたいなもん?

 言葉にしようとしたけど、共通語理念(コモン)が全く働かない。

 ん-恋愛で、言い寄られても断固拒否、とか……

 お、行けそう。

「男に言い寄られても、きっぱり拒める力、みたいな?」

 え、なんで吹き出すの? ここ、笑うところ?

「ああ、まあ、それでいいですけど。スゴイ着眼点なんですけどー」

 まだ笑ってる。割とツボにさえ入ってる?

 そ、そんなに可笑しいかなぁ?

「イクミさん、モテモテでお悩み中なんだけど。そうくるかーそれでいいけどー」

 それでいいのかーなにがいいのかー理解がその程度でいいのかーけどけど?

 みーよが祈りの姿勢を解いた。

「直接触れるのは絶対に無理。生理的に受け付けないそうです。外から、オークの痕跡だけ浄化する位なら、ヤッテみる、そうです……大丈夫でしょうか?」

「やってみてダメなら、そんときにまた考えればいいさ。イクミ、アンタが頭を押さえる方に回んな。マイアミがヒール役。足を抑えるのは、分かってんね?」

 弟君が、頷いた。

「お母さん、イーシュは……」

「あたしゃ口出しする立場じゃないんだけどさ。アオイ、乗り越えなきゃなんないのは、お前もおんなじなんじゃないのかい?」

 乗り越える?

 あー真っ赤っ赤に、付き人(けいやく)を失なわされた事ね?

「けどー……」

 唇をかんで、考え込むアオイ。

「イクミ」

「あ、はい」

「頼みがあるんだけど」

「なに?」

 おっかさん、今度はなに言い出すんだ?

「イーシュを、しばらくの間、弟子にしてやって貰えないかね?」

 げ。そうきたか。

 ん-どうしよーかな。しばらくでいいなら、面倒見れない事も無いけど。

「イーシュ、アンタはどうしたいの?」

 本人に意思確認が、先だね。

「お、俺は……」

 こっちも唇をかんで考え始めたね。姉弟揃ってのクセなのかな?

「考え込むようなら、話は無しだね。あたしも今の弟子をキチンと育てて行きたいしね」

 イーシュは、シュランに歳が近い。いい稽古相手にはなりそうなんだけど。

 本人のやる気だけは、どうにもなんない。

 無理強いさせてまで、教える義理もないしね。

「そうだね。いや、悪かったね」

 おっかさん、肩をすくめてる。ま、子育ては中々大変そうだね。

 でも、焦らないでゆっくりやるんでしょ?

「いや、お母さんが正しい、と思う……イーシュ」

「姉ちゃん……」

「お願い、力を貸して。私だけじゃ、限界」

「……分かってる。分かった」

 アオイが、イーシュの側に行き、杖を高く掲げる。

 青い光が現れ始め、だんだん強くなる。

「付き人イーシュよ、青き清浄の調べに従い、奏で、鳴らし、打ち叩く力を再びその手に宿したまえ。

 清浄なる調べよ、恩寵の青き光を彼の心臓に与えたまえ」

 そのまま、アオイは青く光る杖を、イーシュの胸に、その心臓に当てて、めり込ませていく。

 何で、入るの? いつも思うよ。どうなってんの?

 イーシュの身体が青く光る。

 一瞬、強く大きく光って、ゆっくりと消えていった。

 アオイも、光の消え方に合わせて、杖を引き抜いていく。

「姉ちゃん……」

「イーシュ。また、やり直そう。お願いね」

「……うん」


挿絵(By みてみん)


 イーシュが、あたしの方をみる。

「イクミさん、俺をしばらくの間、弟子にしてください」

 ま、しょーがないか。面倒みてやるよ。

「分かった。毎朝、ウチらの教会で朝稽古してるから、参加しな」

「はい」

「私が一緒に行こう」

 マイアミ、別にアンタは来なくてもいいんだよ?

 ま、余計な事は言わないで置こうか。

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