11.頭が固いね
夜間の移動は危険なので、今日はこの村で一泊することになった。
片付けも埋葬も一応済ませたし、結界石も作動しているので、当面は大きな襲撃はないだろうとみーよに言われた。
仰せの通りに聖女様。このしもべに、なんなりとお申し付け下さいませ。
街の冒険者ギルトから、迎えにというか、応援がくる可能性は殆ど無いらしい。逃げ出した冒険者たちは、多分街に帰るはずだけど、全滅した村のために何かしようとする者は全くいないのだそうで。
ま、報酬が絶対に出ないし、それでなくても安く買い叩かれてるわけだからね。
ってことは、時間差で、みーよは死んだことにされちゃうのね?
本来は、仲間の遺体からでも身分証明書を回収して、死亡確認するものなのだそうだけど、そんなこと真面目にやる人は少数派なんだってさ。
ま、ゴロツキの集まりだもんね、冒険者なんて。
死亡確認がない限りは、しばらくは生死不明なので、その辺の資格とか履歴は残されるらしい。でも、生きてるよって報告にいかないと、やがては死亡扱いになるので、一旦は街に帰る必要があるんだってさ。
エアタクシーでもあればねーと冗談を言うと。
職種によってはその類を持ってたり、便利な移動手段があったりするんだって。
みーよには、ないの?
あるにはあるけど、レベルが全然足りない。出来る人は自前で用意したり、そういう移動手段が使える人とパーティーを組んだり、単独で雇ったりするんだってさ。
出来ない人は、馬車を利用したり、ギルドで用意するポーター制度を活用するんだって。
ポーター?
冒険者の大規模討伐とかで、そこまで移動したり、戦利品を回収するためにキャラバンを組むことがあって、そういうイベントだと、野良聖女もある程度安心して加わることもできるんだって。みーよも2回くらい参加したことがあるそうです。
正直、稼ぎにはあんまりならないんだけど、比較的安全だし、難癖付けられることもあまりない。きちんと報酬を貰えるのは大切な事らしい。
さっき入ったシャワールームのそばに、4人用だと思う大きさのテントを張ったみーよ。ワンタッチで骨組みが出来上がり、あとは内装と防水シートを二重に掛けて、地面にペグで固定すればおしまい。
ちなみに作業は全部、光の奇跡ね。杖を振るってチョチョイのチョイ。
ホント、至れり尽くせりだと思うんだけど、どうもこの世界の人にとっては勝手が違うみたいで、パーティーが組めない理由にもなるらしい。雨風凌げてサイコーだと思うんだけどな。
みーよの話だと、周囲が見渡せない時点でアウト、普通は地面にマントを引いて、包まって寝るのだそうです。
シロウト呼ばわりされて、その時の報酬はナシ、にされちゃったんだって。
頭が固いね。どうせ寝るんだから、交代で見張りを立てれば済む話でしょうに。
夜、ゆっくり眠れるかどうかは、快適な室内に掛かってるんだけどね。
あ、さすがに寝袋はマズイか。なんかあったらすぐに動けないとね。で、寝袋の中に包まらずに、広げた形であたしたちは眠りについた。
ちなみにこのテント、結界石と同じような効果が有るんだって。スゴイね。
それに光の杖の加護で、やわらかい月の光位の防壁も掛けておくので、なにか来ても対応できるよ、というみーよの言葉を信用して。
なんか、ストーンと、落ちるように寝ちゃったわ。
(つづくっ!)
作中に出てきたレトルトカレーは、拙作「甘いカレー」(N3880KW)参照。
みーよの過去に関しては、拙作「聖女ミヨの冒険」(N8175MG)参照。




