初めての王立魔法学校!
私たちは今、大きな建物の前にいる。学校の敷地は高い壁と薄い結界に囲まれており、中へ入るには正面の校門を通るしかないようだ。けれど、その校門は固く閉ざされていた。
「どうやって入る?閉まってるみたいだけど」
「箒で飛び越えればいいんじゃないか?」
レナ姉が箒に乗ろうとする。
それを聞いたリナ姉が、レナ姉から箒を取り上げた。
「それじゃ不法侵入じゃないか!それに結界があるから、飛び越えるのは無理だよ!」
「大丈夫!なんとかなる!」
「ねえ、校門の横に受付の窓口があるよ」
「あ、ほんとだ」
ミア姉が受付の方に近寄る。
「あの、少しいいですか?」
「はい、どうされましたか?」
受付の女性は笑顔で対応する。
「入学試験の過去問を取りにきたんですけど、どうすればいいですか?」
「私がお渡ししますので、少々お待ちください」
「はい」
受付の女性は机の引き出しから、数冊の冊子を取り出した。
「これが過去問になります」
「ありがとうございます!」
ミア姉が過去問を受け取ると、校門の向こうから一人のおじいさんがこちらへ歩いてきた。
背筋はまっすぐ伸びており、立ち姿には年齢を感じさせない力強さがある。
白く長い髪と整えられたひげ、顔に刻まれたしわから長い年月を感じさせる一方、その青い瞳には若者のような鋭さと活力が宿っている。
深い紺色のローブの下には白いシャツと黒いベストを着用し、腰には金色の懐中時計を下げている。
「校門の方から三人の強い魔力を感じて、誰かと思って来てみれば……お主らだったか」
「あ!久しぶりだな、セドリックじいちゃん!」
「相変わらずだな、レナ。わしをじいちゃんと呼ぶ者は、お前くらいだ」
おじいさんは笑っている。
「お久しぶりです、セドリックさん」
「十年ぶりですね、セドリックさん」
ミア姉とリナ姉も挨拶をしている。
だれなんだろう。
「リナ姉、この人はだれ?」
「この人はね、王立魔法学校の校長先生だよ」
「え!?」
私は驚いた。すごそうな人だとは思ったけど、まさか校長先生だったなんて。
それよりも、レナ姉が校長先生とこんなに親しそうなのは、どういうことなんだろう。
「ノアも久しぶりだね。こんなに大きくなったとは」
ん?久しぶり?
私は全然覚えてないけど、どういうことなんだろう?
私が首を傾げていると、セドリック校長先生が優しく笑った。
「十年くらい前に一度、君たち四姉妹に会っているんだよ」
「すみません、覚えてないです」
「まあ、無理もない。そのときのノアは一歳だったからね」
うーん……考えてみたけど、やっぱり全然思い出せない。
「ミア、その手に持っているのは過去問だね?だれかこの学校に入学するのかい?」
「ノアがこの学校に入学したいそうなんです。だから私たちでいろいろ教えてあげようと思って」
「そうか、そうか。まさかノアがここで学びたいとは、嬉しいね」
「せっかく来たのだ。学校の中を見ていくか?」
「いいんですか!?」
胸が一気に高鳴った。
これから通うかもしれない魔法学校を、今から見られるんだ。
こうして私は、初めて王立魔法学校の中を見学することになった。




