第3話 シェオル・モード
お疲れ様です。
し、湿度に激弱な緋色で御座います。
とは言っても・・・。
暑さにもめっちゃ弱いのですがね?
さて、そんな訳で・・・。
第3話となります^^
それでは、
OP曲 【光と闇の狭間で】
https://www.mureka.ai/ja/song-detail/HKF9mvomaZAsGaxTBnPD5d?is_from_share=1&song_title=%E5%85%89%E3%81%A8%E9%97%87%E3%81%AE%E7%8B%AD%E9%96%93%E3%81%A7&singer=%E7%B7%8B%E8%89%B2%E7%81%AB%E8%8A%B1
悠斗とユウナギの模擬戦を、
ミスティによって呼び出されたカロンが審判を務める事となり、
『始めっ!』と上げられた声にこの場の緊張は高まったのだった・・・。
「へっへっへっ♪
いいね~・・・この緊張感、たまんねぇ~ぜ♪」
じわりじわりと一定の距離を保ちながら、
ユウナギは悠斗はゆっくりと円を描き始めた・・・。
ユウナギは笑みを浮かべていたのに対し、
悠斗は無表情のままだったが、
微かに・・・口角が上がった・・・。
その瞬間だった・・・。
『チっ!』と、何が気に入らないのか、
ユウナギは舌打ちをしながら駆け出した・・・。
「行くぜぇーっ!カミノ・ユウトォォォっ!」
駆け出したユウナギに対し悠斗は平然と構えると、
接近して来たユウナギに『スタっ、スタっ、スタっ』と、
軽やかなステップを踏み始めた・・・。
悠斗のステップに一瞬ユウナギは『何だ?』と、
心の中で訝し気な声を挙げたが止まらない。
「しゃらくせぇぇぇっ!
そんなステップ如きでこの俺様を止められねーぜぇぇぇっ!」
そう叫びながら悠斗に拳を放つ直前・・・。
急停止するとくるりと身体を仰け反らしながら背後に両手を着くと、
そのまま回転し悠斗の下顎目掛け蹴りを放った・・・。
『ヒュオンっ!』と・・・。
風切り音を響かせたが、悠斗は余裕でバックステップすると、
ユウナギは『チっ!』と舌打をしつつも『逃がすかっ!』と声を挙げ、
着地と同時に一気に肉迫した・・・。
そして悠斗の懐にまんまと入り込んだユウナギは、
身体を捻りながら蹴りの態勢に入ると声を挙げた。
「こうも接近されちゃ~逃げられねーだろっ!?」
そう声を挙げつつ放たれた回し蹴りだったが、
悠斗は『ふぅっ!』と息を吐きながらしゃがみ込むと同時に、
片足状態となっているユウナギの足を狙い、
円を描くように蹴りで薙ぎに行った・・・。
『バシっ!』と音を立て、ユウナギが『クっ』と呻いたのも束の間、
バランスを崩されたユウナギが倒れそうになった瞬間、
ユウナギは片手を着き側転で転倒する事を避けた・・・。
そして『ダンっ!』と着地したユウナギは、
そのままバック転をすると『へへっ』と笑っていた・・・。
「・・・いやいや、流石はミラーズ達がお前の事を褒める訳だぜ?
まさかここまでやるとはな~?
手を抜いたつもりもねーが、その動き・・・」
そう言いながらユウナギは立ち上がり方をグルグルと回すと、
構えながらこう言った・・・。
「てめー・・・何か武道をやっているようだな?」
そう言ったユウナギの眼は鋭く、
その表情から真剣さが伺えた・・・。
すると悠斗は『フっ!』と息を吐き、
再び『スタっ、スタっ、スタっ』と、ステップを踏みながら口を開いた。
『・・・古武道を少々♪』
そう言いながら『ニヤっ』と一瞬笑みを浮かべた悠斗に、
ユウナギは『けっ!スカしてんじゃねーぜっ!』と吐き捨て、
『はぁぁぁっ!』と気合いを入れながら再び駆け出した・・・。
その様子を見ていた者達は、
この緊迫した戦いに言葉も出ず『ゴクリ』と喉を鳴らしたが、
ミラーズと陣は少々不満げな声を零していた・・・。
「・・・なぁ、ミラーズ姉さん?」
「・・・何かしら?」
「・・・ユウナギのヤツ、わかってねーんじゃねーのか?」
そう苛立った様子を見せながら言った言葉に、
ミラーズもまた『えぇ、本当に・・・』と眉間に皺を寄せた。
「・・・あいつは悠斗の事を試しているつもりだろうけど、
とんだお門違いだ・・・」
「・・・えぇ。
試されているのはリョウヘイの方だって事に、
全然気づいてないわね?」
そう言ったミラーズに陣は、
頭を『ボリボリ』と掻きながら『はぁ~』と息を吐くと、
ユウナギに対し鋭い眼差しを向けながら言った。
「この分だと、シェオルを使っても負けんじゃねーか?」
そう言った瞬間・・・。
ミラーズの黄金の眼球だけが『ジロっ』と陣へと向くと、
顔を少し引き攣らせながら『・・・でしょうね』と肯定した。
その頃、悠斗とユウナギは・・・。
『セヤァァァっ!ハァァァっ!おっらぁぁぁっ!』と・・・。
ユウナギは悠斗に対し連続攻撃を試みていた。
だが、ユウナギの予想に反し、
悠斗の動きは止められないどころか、
そのステップに翻弄され、次第に掠りもしなくなっていた。
(チっ!?なっ、何だってんだよっ!?
このガキはよぉぉぉっ!
う、動きが全然読めねーっ!?)
『スタっ、スタっ、スタっ』と・・・。
悠斗は一定のリズムでステップを踏み、
構えを左右入れ替えながらユウナギを見つめていた・・・。
(だぁぁぁぁぁっ!まじでうぜぇぇぇっ!
こんな男だか女だかわからねーヤツにっ!
俺は翻弄されてんのかよっ!?)
心の中で絶叫していたユウナギだったが、
突然悠斗が『スタっ』と・・・ステップを止めるとこう言った。
「・・・力、使いなよ?」
『・・・えっ?』
悠斗の言葉にユウナギは意味が理解出来ず茫然とした・・・。
「だーかーらー・・・。
ユウナギさんの力・・・使いなよ?」
「・・・ち、力ってお前?」
ユウナギがそう呟き程度の声を挙げると、
悠斗は『コクリ』と頷いた。
『えっ?』と、ユウナギは悠斗の反応に眉間に皺を寄せると、
審判を務めるカロンに視線を向けた・・・。
『いいのか?』と、そうカロンに視線で問いかけると、
カロンは『ニヤっ』と笑みを浮かべた事で返答した・・・。
茫然としているユウナギは、悠斗に視線を向けると、
『・・・お、お前、俺の力が何かわかってんのかよ?』と尋ねた。
すると悠斗はストレッチをしながら言った。
「・・・多分、冥界系の力じゃないの?」
「・・・はぁ?
お、お前・・・知っていたのか?」
ユウナギの問いに悠斗は身体を捻りながら『いいや~?』と答えると、
『でもさ~』と話を続けた。
「・・・冥界っぽい匂いがするからね~?」
そう答えた悠斗にユウナギは『はぁ?』と呆れた様子を見せた。
「てめーは俺の力を知っていた訳じゃなく、
何となく・・・で、そう言ったのか?」
呆れながらもそう尋ねたユウナギに、
悠斗は屈伸運動をしながら『そんな感じかな?』と答えた。
そんな悠斗にユウナギは顏を引き攣らせると、
『てめーは犬かよ?』と呆れながら言い捨てると、
悠斗は『失礼なっ!』と声を荒げた。
「・・・俺は人間ですっ!」
『・・・・・』
一瞬・・・。
この場が静まり返った・・・。
悠斗の反応にそうなったのだが、
どうやら悠斗が真面目に答えた事が分かったらしい・・・。
するとユウナギは『ヒクっ!』と顔を引き攣らせながら言った。
「・・・に、人間ってお前?
そんな事知ってるっつーんだよっ!?
お、俺はそんな事を聞いてんじゃねーんだよっ!?」
そう苛立ちながら言った瞬間だった・・・。
皆の視線がユウナギに向けられている事に気づくと、
ユウナギは『はぁ?ってか・・・まさか?』と、
今度は違う意味で顔を引き攣らせた・・・。
そしてじっと悠斗を見据えながら心の中で絶叫した。
(こいつはド天然つー事かよぉぉぉぉぉっ!?)
顔を盛大に引き攣らせるユウナギは、
皆にその視線を向けると、みんなはユウナギの意図を察したのか、
『コクリ』と頷き、ミラーズと陣に至っては、
しぶーい表情を見せていたのだった・・・。
「ま、まじか?
こ、こいつ・・・最強種(ド天然)かっ!?」
そう呟くように言ったユウナギに、
悠斗は『はぁ?』と声を挙げると口を開いた。
「ユ、ユウナギさん酷くないっ!?
ってか・・・俺を『奇行種』みたいに言わないでよっ!」
そう声を荒げた悠斗にユウナギは、てっきりバカにされた事かと思いきや、
『奇行種』と言う言葉に怒っているようだった・・・。
『そ、そっちっ!?』と・・・。
驚くユウナギにカロンが堪り兼ねて口を開いた。
「・・・つ、続けねーのか?」
『あっ』と、声を挙げたユウナギが、
今、何をしているのか?と言う事を思い出すと、
『コホン』と咳払いをした後にこう言った・・・。
「い、いいんだな?」
『コクリ』
「・・・わかった」
ユウナギは『スゥ~』とゆっくりと呼吸すると、
『行くぜ・・・ユウト?』と呟いた。
そして両足を広げながら『はぁぁぁっ!』と声を挙げると、
ユウナギの身体から紫色の神力が放出され始めた・・・。
この瞬間、悠斗は・・・。
『ニヤっ』と笑みを浮かべると静かに半身となり構えた。
(勇者の力って・・・これじゃないよね?)
そんな事を考えながらも、悠斗はユウナギの出方を待ったのだった。
※ BGM【SHEOL】
https://www.mureka.ai/ja/song-detail/6VVaq9zkjrt9TamVJH7BbR?is_from_share=1&song_title=sheol&singer=%E7%B7%8B%E8%89%B2%E7%81%AB%E8%8A%B1
『・・・シェオル・モードっ!』
『カっ!』と見開かれたユウナギの右目が紫色に染まると、
静かに構えながら言った・・・。
「・・・痛い目・・・見る事になるぜ?」
『フっ』と笑い口角を上げたユウナギに悠斗は言った。
「・・・そうはならないから安心してよ?」
「なっ!?
てっ、てめー・・・い、いい・・・度胸だ」
そう言ったユウナギは『はぁぁっ!』と駆け出すと、
悠斗に肉迫した。
悠斗まで残り数歩と言った所で、左右に身体を振り、
フェイントを掛けながら距離を詰めると、
右足で蹴りを放ったが、この攻撃はユウナギのフェイントだった。
(・・・この蹴りは捨てだっ!
次の二撃目で、その顔面を蹴り上げてやるぜっ!)
そう思いながらもユウナギの予想だ通り、
最初の蹴りは悠斗のスウェーバックでいとも簡単に躱されたが、
だがその躱された瞬間・・・。
『ここだっ!』と、心の中でそう声を挙げると、
一撃目の足が地面に着く直前に軽く跳びながら身体を捻り、
左足の踵で悠斗の左頬を砕きに行った・・・。
「喰らいやがれっ!」
そう声を発しながら放たれた二撃目だったが、
身体を捻りまだ半分も回転していない時には既に、
悠斗はユウナギから距離を取っていた・・・。
「う、嘘だろっ!?どうしてっ!?」
そう声を挙げながら着地した瞬間・・・。
悠斗は一気に踏み込むと、ショルダーチャージをかましたのだった。
『ドスっ!』と・・・。
その肉同士がぶつかる音を発した瞬間、
ユウナギは身体を九の字に折り『ぐはっ!』と呻き声を挙げた。
吹き飛ばされる事はなかったが、
その衝撃で数歩後ろに後退すると、鳩尾辺りを触りながら顔を顰めた。
(こ、こいつ・・・ぶつける寸前に肩口を下から突き上げ、
俺の鳩尾に・・・クっ!
きゅ、急所狙いとは・・・)
シェオルを纏っていたおかげで、ダメージはそれほどでもなかったが、
ユウナギ自身のメンタル面にはダメージが入ったようだった。
悠斗は静かにユウナギを見つめながら言った。
「今の一撃目の蹴りを放った瞬間にわかったよ?」
「・・・なっ、何だと?
あの蹴りで一体何が?」
そう尋ねたユウナギ悠斗は言った。
「・・・体重が全然乗ってないから、
あぁ~、次がメインか?ってね」
「・・・チっ!」
そう舌打ちするユウナギを見据えた悠斗は、
今度はステップを踏む事なく静かに構えを取った・・・。
(なっ、何だ?
こ、こいつ・・・ふ、雰囲気が?)
そう感じ取ったのはユウナギだけではなかった。
ミラーズや陣達を含めた戦闘経験がある者達はその雰囲気に顏を顰め、
カロンは審判をしながら悠斗を見つめていた。
(・・・こ、こいつ、少し会わないうちに腕を上げてやがる。
それにユウナギは冥界の力を纏っているのにも関わらず、
どうして打撃が入るんだよ?)
そう眉間に皺を寄せているカロンのその後ろでは、
ミラーズと陣が今の一撃について話していた。
「・・・凄いわね?」
「あ、あぁ・・・。
俺も正直驚いたぜ。
通常の打撃であれば、シェオルの力に阻まれるはずだが、
今の一撃・・・シェオルの壁を貫きやがった・・・」
そう言った陣にミラーズの眉間にもキツく皺が寄った。
「・・・ユウト君はまだ気道も鬼の力も使ってないはずよね?」
「あぁ、それは間違いないはずだ。
鬼の赤銅色の力はまだ一度も見てねーぜ?」
そう訝し気に答えた陣に、ミラーズは『じゃ~一体どうやって?』と、
頭を捻っていたのだった・・・。
そしてユウナギは『痛っつ・・・』と少し顔を顰めて見せたが、
『ふぅぅぅ』と深く息を吐くと肩を揺らしながら構えた。
(こいつは油断していい相手じゃねー・・・。
なら・・・どうするよ・・・俺?)
そう考えながらもユウナギは悠斗を見ていると、
悠斗は再び構えを解きながら口を開いた。
「・・・その上の力・・・ありそうだね?」
「・・・はぁ?」
そのユウナギの声は、この場に居た者達全員の声だっただろう。
ユウナギ自身も何を言われているか分かっていないようだった。
すると悠斗は『だーかーらーっ!』と言葉を続けたが、
今度は先程とは様子が違っていた・・・。
「・・・ユウナギさん?」
「なっ・・・何んだよ?」
「・・・正直、つまんない」
「・・・はぁ?」
「シェオル・・・だっけ?
その程度の力じゃ・・・つまんないって言ってんだけど?」
少しキレ気味でそう煽った悠斗の言葉に、
この場に居た者達全員が意味不明だと感じていた。
すると悠斗は眼差しを鋭くしながら言った。
「・・・ユウナギさん?
本当に勇者だったのか?」
『なっ!?』と・・・。
悠斗の抑揚のないその物言いにユウナギは盛大に顔を引き攣らせた。
そして『ワナワナ』と身体を震わせるとこう言った。
「・・・て、てめー、いつまでも調子に乗ってんじゃねー。
勇者だったの?・・・だぁ~?
てっ、てめー・・・言い度胸だぜっ!
冥途の土産に俺の力を知ってから逝きやがれぇぇぇっ!」
そうユウナギがブチギレ、怒声を発した瞬間・・・。
『うおぉぉぉぉぉぉぉっ!
冥界眼っ!
てめーの力を俺に貸しやがれぇぇぇぇぇっ!
シェオルモード・バーストォォォっ!』
『バシュっ!』とユウナギの右目に在る『冥界眼』が鈍く光ると、
その身体から夥しい冥界の神力が溢れ双眼を紫色へと変えた。
『うおぉぉぉぉっ!まだだぁぁぁっ!』
そう声を張り上げたユウナギは、
本気で悠斗を倒しに行く事を決めると、
『バースト』ではなく・・・。
※ 挿入曲 【Phantom of the Abyss】
https://www.mureka.ai/ja/song-detail/E7JbNft4bcQi9LNC2WsJpF?is_from_share=1&song_title=phantom-of-the-abyss&singer=%E7%B7%8B%E8%89%B2%E7%81%AB%E8%8A%B1
『・・・アビス・モードォォォォっ!』と声を張り上げた。
ユウナギの叫びと共に、その身体から『紫炎の神力』が吹き出し、
『ババババっ!バッシューンっ!』と、
まるでバイクのエギゾースト音のような音を立て噴出した。
その様子を見た悠斗は無意識ながら口角を上げ、
『へぇ~、確かにこれは凄いな?』と呟いた。
そして『・・・流石にこれは本気にならないとな?』と声を挙げたが、
悠斗の笑みを浮かべたその顔にユウナギは怒りを滲ませた。
「へ、へぇ~・・・。
まぁ~、薄々は気付いていたが、
まだ本気じゃなかったとはな~?」
怒りを滲ませながらユウナギは拳を握り締めると、
『ぶっ飛ばすっ!』と声を挙げながら駆け出した。
『ヒュンっ!』と・・・。
風切り音だけをその場に残し姿を消したユウナギは、
『このスピードについてこれっかよっ!』と思う中、
悠斗は『・・・やるじゃん♪』と心の中で呟くと、
動くのを止め静止した・・・。
(なっ、何だ?こいつ・・・動きを?)
そう思いつつもユウナギが悠斗の背後に回って時、
声すら上げずに蹴りを放ったが、
悠斗は間一髪しゃがみ込み、ユウナギの蹴りを交わした。
「ま。まじでかっ!?」
そんな悠斗に蹴りを躱された事で声を挙げた瞬間、
ユウナギに背を向けしゃがみ込んだまま、
その喉元に蹴りを放った・・・。
(反撃出来んのかよっ!?)
『うおっ!?』と驚きつつ悠斗の蹴りを躱した瞬間、
悠斗は片手を地面に着け、ユウナギが最初にやったように、
側転して離脱した。
『よっと・・・』と、着地と同時に構えを取った悠斗だったが、
その背中には冷たいモノが走っていた。
(確かにそのモードのユウナギさんの一撃をもらった時点で積むな~?
ん~・・・これは俺も~)
悠斗がそう考えていた時だった・・・。
悠斗の眼前から忽然と姿を消したユウナギに、
『凄いな?』と声を挙げた悠斗だったが、
『ははっ!』と楽しげに笑うと双眼を閉じた・・・。
この戦いを見守る者達は『えっ?』と驚く中、
悠斗は薄く笑みを浮かべると、瞬時に集中した・・・。
『あ、あれはっ!?』と声を挙げたのは、
上位神・ヲグナだった・・・。
「悠斗君は『剣の結界』をっ!?」
ヲグナのそんな声にユウナギは『えっ!?』と驚ろき、
一瞬スピードが鈍った・・・。
『そこだっ!』と声を挙げながら蹴りを放つと、
その蹴りは『シュっ!』とユウナギの頬を掠めたのだった・・・。
『チっ!』と悔しげに舌打ちをし、一度距離を取り構えた・・・。
そして蹴りが掠った左頬を撫でると『こいつ・・・』と、
焦りの色を濃くした。
(・・・こいつは剣の結界を扱えるって事か?
まぁ~ミラーズ達からの信頼度も考える・・・な?
だが・・・こっちの攻撃が1つでも入ればそれで終わるはずた)
そう考えたユウナギは『ダダっ!』と駆け出すと、
容赦なく悠斗に襲い掛かった・・・。
『シュシュっ!シュバっ!ブオンっ!シュっ!』
ユウナギの連続攻撃を紙一重で躱していたが、
『ここだっ!』と声を挙げたユウナギの拳が、
悠斗の胸部の真ん中に向かって放たれた。
『くそっ!』と顔を顰めながらそう言った悠斗は、
両腕を交差させると、そこに『バシィィっ!』と強烈な一撃が入った。
『ズザァァァァっ!』と・・・。
ユウナギの放った一撃の衝撃で、
悠斗は防御態勢のまま、床から煙を発しながら滑ると、
『キュっ!』と靴音を響かせながら停止した・・・。
そして『痛っってぇぇぇぇっ』と声を挙げ、
その場で両腕を器用に摩りながら『ピョンピョン』跳ねると、
両腕を『ブルブルっ!』と振りながら『こんにゃろ~』と笑みを浮かべた。
(なっ、何なんだよ、こいつはっ!?
た、確かに今の一撃は俺のミスで体重こそ乗らなかったが、
だ、だからと言って咄嗟にブロックなんて出来んのかよっ!?
こっちは・・・アビス・モードなんだぜっ!?
そ、それをこいつは・・・)
ユウナギは今までにない不安感に襲われると、
『こ、こんな事、今まで一度も・・・』と、そう思った時だった・・・。
ユウナギは『ははっ』と自笑したかと思うと、
何かを思い出し笑みを浮かべた・・・
(いや、一度だけ・・・あったっけな~?
それはあの『異形の者』・・・。
『アトラス』とやり合った時と同じ不安感だぜ)
異形の者のアトラスとの一件を思い出し、
『ゴクリ』と喉を鳴らしたその頃・・・。
悠斗は痛みに耐えながらも考えていた。
(・・・こっちも出し惜しみしている場合じゃないよね~?
それに、今現在の自分の状態も確認しておかないとね?)
そう考えた悠斗は手足を『ブルブル』と振ると構え、
『ニヤっ』と笑みを浮かべた・・・。
そんな悠斗の姿にユウナギは嫌な予感を感じ、
緊張から来た喉の渇きを感じた時、
悠斗は静かに構えながら双眼を閉じた・・・。
ユウナギはそんな悠斗の姿に、
『また剣の結界か?』とそう思い顔を顰めると、
悠斗の行動に不安感が加速した・・・。
(ヤ、ヤバい気が・・・す、する。
な、何かはわからないが・・・こ、これは何だ?)
自分の本能が『ヤバい』と感じたのか、
ユウナギの緊張がピークに達した時だった・・・。
悠斗は双眼を閉じたまま、
眼前にそびえ建つ『赤い門』の前に立っていた。
そして悠斗が見上げた悠斗の視線の先には、
こう書かれていた・・・。
『・・・真紅之門』と・・・。
その門を見上げながら悠斗は言った。
「・・・この状態なら『真紅』まではいけるよな?」
精神世界の中にそびえ建つ『第三之鬼魂之門』である、
『真紅之門の扉』にその手を伸ばしたのだった・・・。
ED曲 【太陽と月の刻】
https://www.mureka.ai/ja/song-detail/XuDv1BqTrmVrk7AP7cXziZ?is_from_share=1&song_title=%E5%A4%AA%E9%99%BD%E3%81%A8%E6%9C%88%E3%81%AE%E5%88%BB&singer=%E7%B7%8B%E8%89%B2%E7%81%AB%E8%8A%B1
ってな事で・・・。
今回はこんな感じとなりましたっ!
ってか、ここにきてキーボードの調子が悪い><
次の展開も楽しみにしていただけたら・・・と♪
ってなことで、緋色火花でした。




