第20話 価値観の違い
お疲れ様です。
やつと納期もクリアし、後は身体を休め、
1日でも早く風邪を・・・。
まぁ~、そうなんですが・・・。
書きたいという想いがw
と、言う事で続きですw
それでは、第20話をお楽しみ下さい。
OP曲 【光と闇の狭間で】
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1人の天使を斬り倒したユウナギだったが、
既に『はぁはぁ』と息を荒げていた・・・。
※ BGM 【The Theme of Yunagi α】
https://www.mureka.ai/ja/song-detail/NtapQjVoGti8kipAZa98uB?is_from_share=1
「・・・さ、流石に・・・この数はヤベーな?
斬っても斬ってもキリがねーぜ・・・」
流れ落ちる汗をふぐいながらそうボヤいたユウナギの眼前には、
100人ほどの天使達が薄く気味の悪い笑みを浮かべ、
また上空では弓や魔法を放とうと準備していた・・・。
「ったくよ・・・。
流石にこの数は洒落にならねー」
そうボヤきつつも剣を構えたユウナギに、
『ジリジリ』と天使達が距離を縮めていた時だった・・・。
突然滞空していた天使達が左右に分かれると、
1人の豪華な戦闘衣装を身に着けた天使が現れると、
『バサっ!バサっ!』と翼を羽ばたかせながらユウナギを見下ろした。
「・・・貴様か~?
創造神・レグルス様を始末しに来たとか言うゴミは?」
その男の物言いにユウナギのこめかみが『ピクリ』と反応したが、
それに気付かない男は続けて声を挙げた。
「・・・俺様の名は『天使長・ドナ』
泣く子も黙る偉大なる天使長様だ・・・。
頭が高いぞ・・・ゴミ」
『ピクっ』
「はぁ、はぁ、はぁ・・・。
な、何とか言ったらどうなんだ?
おい、ゴミ・・・。
貴様・・・口が利けないのか?」
豪華な衣装の袖で零れ落ちる汗を拭いながらそう言ったドナに、
ユウナギは不機嫌そうに首を傾け『ゴキっ!』と鳴らすと、
上空で滞空するドナに向けて口を開いた。。
「・・・お、お前・・・逆に大丈夫かよ?
既に息切れしてんぞ?
まぁ~その体形から察してそりゃ~当然だろうな。
しかしお前、此処までただ飛んで来ただけじゃねーのか?
どれくらい飛んで来たんだよ?」
ユウナギの声にドナは汗を拭いながも睨みつけ、
とある方角を指差すと、
『此処から150kmほど離れた街からだ』と答えた。
ユウナギは頭を『ボリボリ』と掻きながら俯くと、
顔を引き攣らせ笑い声を挙げるのを必死に堪えていた。
(こ、このブタ・・・。
ま、まじか?
敵である俺の質問に素直に答えやがったっ!?
このブタ・・・。
脳みそまで『砂糖漬け』なのかよっ!?)
『プププっ』と一瞬、微かな声が零れたが、
すぐに顔上げ『キリっ!』と引き締まった表情を浮かべながら尋ねた。
「・・・で?
その大天使長様とやらはこんな所まで一体何をしに来たんだ?」
そう尋ね時だった・・・。
一瞬周囲に居た天使達が『ザワっ』とざわめいた・・・。
ユウナギは天使達の反応に『な、何だ?』と、鋭く反応を示すと、
『ハァハァ』と上空で息を切らせているドナは顔を引き攣らせながら言った。
「・・・お、おい、ゴミっ!?
俺様は今はまだ・・・『天使長』だ。
だかな~?
レグルス様より時期『大天使長』となる事を承っている。
あの『ポンコツ・アダーラ』如きと一緒にするなっ!」
そう怒声を挙げた瞬間・・・。
ユウナギの双眼が細くなり『アダーラ?』と脳内に疑問符が浮かんだ時、
突然ドナが『ハァハァ』と息を荒げながら高度が落ち始めた。
『ドナ様ーっ!?』と・・・。
周囲で滞空していた天使達が数人がかりでドナの身体を支える中、
そのドナはユウナギの周りに居る天使達に命令を発した。
「・・・とっととこのゴミを片づけろっ!」
ドナの声にユウナギの周囲に居た天使達が身構え戦気が上がった。
(チっ!もう少し身体を休めるかと思ったが、
それにしても・・・アダーラか?
どんなヤツかは知らねーが俺達にとっては・・・)
ユウナギはそう考えながらも、取り囲まれている状況に目を細めた。
『かかれぇぇぇっ!』
上空で天使達に支えながら滞空しているドナの声と共に、
一斉にユウナギに襲い掛かったのだった・・・。
「や、やるしかねぇなぁぁぁぁっ!
シェオル・モードっ!」
『バシュっ!』
その身体から紫色の冥界の神力を放出したユウナギは、
地面に向かって拳を放った。
『ドーンっ!』
その一撃は1mほどのクレーターを作り出し、
その抉られた土や砂・・・。
石礫が爆風と共に四散した・・・。
『ぐわぁぁぁっ!』と・・・。
ユウナギに襲い掛かった天使達が吹き飛ばされ、
地面に打ち付けた拳をゆっくりと離しながら立ち上がったユウナギは、
紫色に染まった双眼を挙げながら『グっ』と拳を握り締めた。
(・・・こいつらはあのデブに命令に逆らえないだけだ。
なら・・・あまり傷つけるのは・・・)
拳を握り締めながらそう考えたユウナギは、
拳に冥界の神力を纏わせると笑みを浮かべた・・・。
「てめーら全員・・・ぶち倒すっ!」
そう言い放ったユウナギは『いくぜぇぇぇっ!』と声を張り上げると、
天使達の群れの中に飛び込んで行ったのだった・・・。
一方、ユウナギの下へと駆け出した悠斗は・・・。
『タッタッタッタっ!』と荒野を駆けていた。
※ BGM 【静かなる気配】
https://www.mureka.ai/ja/song-detail/WFMRNspHZdyMu7CEv6BgUe?is_from_share=1
だが次第のその速度は落ち始め、
関節駆動部からは『シュゥゥっ!』と白煙を立ち昇らせていた。
『ブゥー、ブゥー、ブゥー』と・・・。
視界に映し出される警告文とその音に、
悠斗は『持ってくれよっ!』と声を挙げていた。
だが映し出される擬体のステータスは非常にも、
『オーバーヒートによる強制停止まで1分』と表示されていた。
悠斗は険しい表情を浮かべながらも考えていた。
(オーバーヒートなんだろ?
なら・・・擬体を冷やせばなんとか?)
そう考えた悠斗は氷結系の魔法を使用し、
擬体を冷やし始めた・・・。
だが一向に擬体の温度は下がらず、
『ならばっ!』と足を止めると、擬体ごと氷に閉じ込めた。
だが、擬体の熱のせいでみるみるうちに氷は解け、
数歩歩みを進めた瞬間・・・。
『強制停止まであと5・・・』と、カウントダウンが始まった。
そしてカウントがゼロを迎えた時、
『ブゥゥゥン』と擬体は停止し、
『ガシャンっ!』と音を立て地面に崩れ落ちた。
「くそっ!
このままじゃ、ユウナギさんがっ!?
動けっ!
動いてくれよっ!」
そう声を挙げたが、悠斗の視界には赤い文字でこう表示されていた。
『強制メンテナンス中・・・。
再起動まで数分から1時間ほどかかる場合が御座います。
そのまま電源を切らずにお待ち下さい。
詳しくはお問い合わせはメーカーのカスタマーセンターに・・・』
「い、1時間っ!?
まじ・・・か?
それに・・・カ、カスタマーって・・・?」
悠斗の脳裏にはこの擬体に関わった、
ミラーズや鬼達の顔が浮かび上がったが、
どうしようもないこの現状に悠斗は覚悟を決めた。
『・・・パージ』
悠斗の声に擬体が反応すると、
『ブッシュゥゥゥっ!』と夥しい蒸気とエアーを放出しながら、
擬体の背面が開いた。
だが、着用している衣類が邪魔でわずか数ミリ開くにとどまった時、
悠斗は数ミリ開いたその隙間から鬼の気を放出し衣類を焼いた。
衣類が燃えつき背中のハッチが開いた悠斗が擬体から出ると、
ユウナギから神界で教わったステータス画面を操作して、
一瞬にして衣服を変えたのだった・・・。
「・・・どれくらい動けるかまだわからないけど、
このままこの場に居るよりは・・・」
脳内に表示されるマップを確認した悠斗は、
生身のまま駆け出したのだった・・・。
そしてユウナギの方は・・・。
『ドスっ!ドカっ!バキっ!』
襲い掛かる天使達をなぎ倒しながら、
ユウナギは奮戦していた・・・。
※ BGM 【The Theme of Yunagi β】
https://www.mureka.ai/ja/song-detail/Mg26p1oLwoYp9HGZcHavEo?is_from_share=1
『はぁ、はぁ、はぁ・・・』と・・・。
紫色の瞳を鈍く光らせながらも、
ユウナギは打撃のみで天使達と戦っていたのだった・・・。
だが、一向にユウナギを始末出来ずに居る天使達に、
ドナの機嫌はみるみる悪くなっていた・・・。
「い、いいい・・・一体あいつらは何をやっているんだっ!?
どうしてあのゴミを消せないのだっ!?」
ドナの太った身体を支えながら飛んでいる天使達に怒鳴り散らすも、
その眼前ではユウナギが息を荒げながらも奮戦していた・・・。
すると天使1人がその状況を見つめながら言った。
「天使長様っ!?
ヤ、ヤツは打撃のみで戦っておりますっ!」
そう声を挙げた天使にドナは顔を真っ赤にしながら、
『そんな事くらい見ればわかるっ!このクズがっ!』と怒声を挙げながら、
その天使に向かって拳を振り上げた。
『バキっ!』と音を響かせ吹き飛んだ天使を睨みつけるドナは、
殴った事で少し冷静になったのか、
『あっ、そうだ・・・』と何かを思いつき天使達に向かって声を挙げた。
「・・・貴様らぁぁぁっ!
この俺が不甲斐ない貴様達にバフを掛けてやるっ!
希少な魔法だっ!
貴様らは光栄に思えぇぇぇっ!」
ドナがそう声を荒げ叫んだ時、
ユウナギは『バフだ~?』と訝し気な表情を見せた・・・。
ドナは繰り広げられている戦いを見下ろしながら、
両手をかざすと声を挙げた。
『・・・物理衝撃耐性最小化っ!』
『っ!?』
『・・・攻撃力最大化っ!』
『っ!?』
続けて強力な魔法を使用したドナの息遣いは、
『ハァハア』から『ゼェゼェ』へと変わり、
顔色も青ざめていた。
ドナの魔法に天使達、1人1人の身体が強力な光を纏うと、
タイミングよくユウナギが放った拳が天使の男の顔面を捉えた。
『バキィィィっ!』と、クリーンヒットした瞬間、
ユウナギは思わず『ヤベっ!?つい力がっ!?』と、
慌てた様子で声を挙げた瞬間、
光りに包まれた天使は驚き『あ、あれ?痛く・・・ない』と声を挙げた。
天使の反応にユウナギは『えっ?はぁ?』と驚き固まっていると、
後方から殺気を伴いながら剣が振り下ろされた・・・。
咄嗟にユウナギは反応し『これならっ!』と声を挙げながら、
身体を捻り躱した・・・。
つもりだった・・・。
『ザクっ!』と強い衝撃の後に激痛が襲い、
『ガクっ』と片膝を着いたユウナギの肩には剣が突き刺さっていた。
だが間一髪素手で剣を掴んだ事によって、
切り裂かれずに済みはしたが、天使のその力の強さに、
ユウナギの顔は大きく歪み始めた・・・。
(なっ、なんて・・・力だっ!・
こ、このままじゃ・・・ヤ、ヤベェ・・・)
剣を素手で掴み必死で抵抗するも、
『うぉぉぉっ!』と雄叫びをあげる天使の目はイッていた・・・。
(こ、この野郎・・・。
か、完全に・・・目が・・・)
天使の力の前に次第に押され始め、
ユウナギのその肩から『ブシュゥゥっ!』と鮮血が吹き出した。
『ぐぁぁっ!』と、その痛みに耐えながらも声を挙げユウナギは、
天使の力に抗いながらも思考を巡らせていた・・・。
(あ、あのデブの魔法・・・。
ま、まじでヤベェ・・・。
クっ!こ、このままじゃ・・・)
『死ねぇぇぇぇぇっ!』
血走った双眼を見開いたまま雄叫びを挙げた瞬間、
ユウナギは『く、くそったれぇぇっ!』と声を張り上げた時だった・・・。
突然2人の上に影が差すと『はぁぁぁっ!』と声を挙げながら、
天使を蹴り飛ばしたのだった・・・。
※ BGM 【駆けつけた者】
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蹴り飛ばされた天使はそのまま『ズザザザァァァっ!』と地面を滑り、
そのまま気を失ってしまったが、
ユウナギの前に立つ和装姿の男が、ユウナギに向かって手を差し伸べた。
ユウナギは『お、お前?』と声を挙げその手を掴むと、
『ゆ、悠斗・・・お前どうして?』と・・・。
そう安堵の表情を浮かべながらも悠斗は差し伸べた手を引くと、
立ち上がらせたユウナギに向かって静かに口を開いた。
「・・・ユウナギさん?
あんた・・・一体何をやってんだよ?」
そう言いながら血を流し肩を押える傷に向かって、
悠斗は『ヒール』を使用した・・・。
傷が完治し『す、すまねー』と口を開いた瞬間、
悠斗はその眼光を鋭くしながら『フンっ!』と気合いを入れながら、
茫然とするユウナギの左頬を殴ったのだった・・・。
『バキっ!』
『ぐはっ!』とその衝撃に声を挙げたユウナギは、
そのまま地面に倒れ、痛みを堪えながらも悠斗を見上げた時、
苛立ちを見せる悠斗は言った。
「・・・もしかしてユウナギさん?
打撃のみでこいつらと?」
「・・・・・」
突然悠斗が乱入し、その行動に茫然とする中、
そんな天使達を見つめながら悠斗は更に続けた。
「・・・忘れたのか?
こいつらが集落の人達を虐殺していた姿をさ?」
『あっ!?』と・・・。
悠斗の言葉にユウナギの脳裏には、
自分達の前で何の罪もない者達が無残に殺されて行く姿を・・・。
その光景を思い出したユウナギは『クっ!』と呻きながらも俯くと、
悠斗は再び天使達を睨みつけながらマジックボックスを開いた。
静かにその中から黒鞘の刀を取り出した悠斗は、
腰を落とし双眼を閉じた・・・。
そんな光景を上空から見ていたドナ達もまた、
悠斗の乱入に茫然としていたが、
攻撃の手が止まる天使達に気付くと声を荒げた。
『貴様らぁぁぁぁっ!?
一体何をやっているのだぁぁぁぁっ!?
さっさと・・・。
さっさと始末しろぉぉぉっ!』
ドナの怒声が上がった時だった・・・。
荒野の向こうから夜空が暁に染まり始めた・・・。
双眼を閉じ精神世界に入った悠斗が双眼を見開いた時、
その瞳は真紅に染まっていた・・・。
そして次の瞬間・・・。
天使達が『うおぉぉぉっ!』と声を挙げ、
悠斗達に襲い掛かった瞬間、
悠斗の身体から『バシュっ!』と真紅の鬼の気が放出された。
その真紅の力の前に、雄叫びを挙げていた天使達の動きが止まった。
その様子を見ていたドナは、
悠斗の鬼の力の禍々しさに盛大に顔を引き攣らせ呟いた。
「なっ、なん・・・なんだ?
あの・・・ま、禍々しい・・・ち、力は?
あ、あれは・・・本当に人族・・・なのか?」
悠斗の放つ禍々しい力の前に、ドナが怯え気圧されていた時、
悠斗は未だに地面の上で悠斗を見上げて居るユウナギに言った。
「・・・ユウナギさん?
あんたはこのまま此処に居てくれ」
「・・・はぁ?」
「・・・まぁ、価値観の違いってのもあるかもだけど。
あんたが何を思ってかは俺は知らない・・・。
だけど・・・こいつらが斬れないって言うのなら、
あんたはこの場で戦う資格を持たないよ」
『っ!?』
周囲の天使達を真紅の瞳で睨み付けている悠斗が、
一瞬、ユウナギを見下ろした時、
その放たれる威圧にユウナギは『ゴクリ』と喉を鳴らした。
(こ、こいつ・・・なんて哀しげな目を?
そ、それに・・・こ、こいつ・・・擬体は?
な、生身じゃ・・・ねーか?)
そう思った瞬間・・・。
悠斗は『コォォォォっ!』と呼吸音を変えた。
(気道も何処まで使えるかはわかんないけど、
でも、やるしかない。
それに・・・。
俺はレグルスとやり合う前に、
どうしても試しておかなければならない事がある)
すると上空から『貴様らぁぁぁっ!』と、
怒り心頭なドナの声を挙げたその瞬間、
悠斗は一気に駆け出した・・・。
※ BGM 【鬼華散華 α】
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『白鷲流・奥義・鬼華散華』
駆け出した悠斗の姿を追っていた天使達の前から、
『シュバっ!』と、真紅の鬼の気が花びらが舞い散り姿を消した。
『ど、どこだっ!?あいつは何処へ行ったっ!?』
突然天使達の前から姿を消した悠斗の姿を探し、
皆が視線を彷徨わせる中、
上空から見ていたドナ自身も『どこだっ!?』と視線を彷徨わせていた。
すると突然とある天使の前に『シュバっ!』と、
真紅の花びらを舞い踊らせながら悠斗が姿を現すと、
声を挙げる間もなく天使を袈裟斬りにし、
呻き声を挙げ間もなく倒れた・・・。
その光景を目にした数人の天使達がどよめく中、
すぐに『シュバっ!』と姿を消した悠斗は次々と天使達を葬っていった。
呻き声は『ブシュゥゥゥっ!』と言う、
血飛沫が吹き出す音で掻き消され、
真紅の花びら舞い踊るその光景に皆が慄き怯えを露にした・・・。
「な、何なんだ・・・あいつはっ!?
ばっ、化け物だっ!?
こ。殺される・・・俺達は・・・俺達はぁぁぁぁっ!?」
『ヒィィィっ!』と恐怖に染まった天使が声を挙げ、
踵を返し逃走を計ろうとしたその瞬間・・・。
『シュバっ!』と逃走を計った天使の前に姿を現した悠斗は、
躊躇う事も無く天使を斬り倒した・・・。
『ブシュゥゥゥっ!』と・・・。
吹き出す鮮血を浴びた悠斗は、その表情を変える事も無く、
血の雨の中を静かに踏み出した・・・。
「・・・お前達が人族にやってきた行いを、
許す訳にはいかない。
レグルスみたいな狂神に従わされ、
中には無理矢理・・・なんてヤツもいるかもしれない。
だけど・・・それでも・・・。
お前達のやった事は、無かった事には出来ない」
そう言い終えた悠斗は再び『シュバっ!』と、
真紅の花びらを舞い散らしながら姿を消すと、
恐怖が連鎖した天使達は各々に逃走を計った・・・。
『だ、だめだぁぁぁっ!?
あんな化け物とは戦える訳がねぇぇぇぇぇっ!?』
『嫌だぁぁぁぁっ!?
俺はまだ死ねないんだぁぁぁっ!』
『レ、レグルス様っ!?
レグルス様ぁぁぁぁっ!?
どうか我々をっ!』
そう声を挙げた者達はその瞬間、
悠斗によって切り裂かれ、鮮血と言う名の雨を降らせた。
『バシャバシャバシャ』と・・・。
太陽が昇り周囲を赤るく照らす中、
天使達の鮮血が地面を濡らし、
『パシャパシャ』と鮮血の水溜まりとなった地面を歩く悠斗の姿に、
ユウナギの背中に『ゾクっ』と冷たいモノが走って行った・・・。
「あ、あいつ・・・。
どうしてあんな哀しい目をしながら?」
天使達の血を浴び真っ赤に染まった悠斗の双眼からは、
太陽の光が悠斗の双眼を照らすと、
まるで泣いているかのように『キラリ』と光り血の涙を流していた。
(あいつが泣いているんじゃねー。
天使達の血が涙のように?)
そう思いながらユウナギは立ち上がると、
滞空したまま顔を盛大に引き攣らせるドナに向かって声を挙げた。
「・・・おいっ!そこのデブっ!」
「デ、デブっ!?
こ、このゴミがぁぁぁぁっ!?
誰がデブだとぉぉぉぉっ!?」
そう怒声を挙げたドナに向かって、
ユウナギは『クイクイっ!』と指で降りて来るように挑発した。
『ただのゴミ如きが、いつまでも調子に乗りよってぇぇぇっ!?』
そうドナが声を荒げた瞬間・・・。
そのドナ達の前に『シュバっ!』と・・・。
真紅の花びらを舞い踊らせながら悠斗が姿を現すと言った。
「・・・お前が元凶か?」
真っ赤な血に染まった姿と不気味な光を放つ真紅の瞳を前に、
ドナは『レグルス様ぁぁぁっ!』と声を張り上げた。
身体を支える天使達を振り払い、背中を見せ逃走を計ろうとしたドナに、
悠斗が無言のまま刀を振り上げたその瞬間・・・。
何かを感じた悠斗は『っ!?』と警戒を強め双眼を閉じた時、
『ドッシャァァァァっ!』と、悠斗に向かって落雷が直撃した。
「ゆ、悠斗ぉぉぉぉっ!?」
落雷が直撃した悠斗の身体が、
『ボっ!』と炎を上げながら落下し始めた時、
ユウナギが駆け出そうとするも、
その行く手を天使達が取り囲みユウナギの足が止まった。
『ドッシャァァァっ!』と・・・。
地面に落下した悠斗の身体は炎の中におり、
その身体が『ビクリ』と動く事はなかった。
「ゆ、悠斗ぉぉぉぉっ!?
悠斗ぉぉぉぉっ!?
き、貴様らぁぁぁっ!邪魔を・・・。
俺様の邪魔をするんじゃねぇぇぇぇっ!?」
ドナはそんな悠斗の姿に『ガァ~ハッハッハっ!』と、
楽しげな笑い声を挙げたのだった。
「・・・この俺様に逆らうからだぁぁぁっ!
レグルス様の忠実なるこのドナに勝てるとでも思っていたのかぁぁぁっ!」
狂気に満ちた笑い声をドナが上げる中、
断末魔とも言えるユウナギの声が響き渡り、
今にもユウナギが異形の力を使おうとしたその瞬間だった・・・。
今まで『ビクリ』とも動かなかった悠斗が、
燃え盛る炎の中から『ムクっ』と身体を起こしたのだった。
『えっ!?』と・・・。
この場に居た誰もが同様の声を挙げ、
ユウナギもその中の1人だった・・・。
「・・・ゆ、悠斗?
あ、あれ?
い、一体・・・どう言うこったよ?」
『ボォォォっ!』と燃え盛る炎の中、
ゆっくりと立ち上がった悠斗は『フンっ!』と気合いを込めながら、
刀を横に薙いだ時、炎は一瞬にして消失した。
「い、一体悠斗のヤツ・・・何をしやがったんだ?」
そう呟くようにユウナギ声を零した時、
悠斗の頭の中ではその光景を思い返していた。
~ 悠斗の回想 ~
あのブタの声にレグルスが応えるには、
『落雷』以外有り得ないとは思っていた・・・。
だからまぁ~、俺はこの『雷撃耐性』が高い、
この和装装備にしたんだけど、
俺自身・・・異能の『白雷』のおかげで、
ほとんどダメージはなかった。
それに瞬時に精神世界に入った俺は、
不死鳥の門を開きその力を纏った・・・。
おかげである程度ノーダメではあるけど・・・。
リスクがない訳じゃない。
元々生身の身体じゃ負荷が大きいむ白雷の力を纏い、
また同時に不死鳥の力を使った事で、
内臓にダメージが・・・。
だけどある意味・・・俺のやりたい事は試せたし、
まだ五分五分だけど光明は見えた気がする。
~ 回想終了 ~
悠斗は上空で口を大きく開け固まっているドナを見上げると、
刀の切っ先を向けながらこう言った。
「・・・おい、そこのブタ?
北京ダックにしてやるから降りて来いよ?」
そうキメ顔で言った悠斗だったが、
その『北京ダック』が何なのか・・・。
当然ドナ達にはわからない。
あまりの反応の無さに悠斗が『ん?』と不思議そうに首を傾げた時、
後方に居たユウナギから呆れた声が挙がった。
「・・・おいっ!てめーっ!悠斗っ!?」
「・・・ん?何?」
「馬鹿野郎っ!?
北京ダックはアヒルなんだよっ!
豚じゃねーんだよっ!?」
ユウナギのその突っ込みに悠斗は『あぁ~そうだった』と言いながら、
再び上空を見上げ、再び切っ先を向けながら口を開いた。
「・・・・・」
『?』
「・・・・・」
首を傾げたまま動かなくなった悠斗に、
ユウナギは怒声を挙げた。
「・・・てめーっ!?
バカ悠斗ぉぉぉっ!?」
「バカって何だよっ!?
酷くないっ!?」
「酷くくねーよっ!?
何も思い浮かばねーのならっ!
いちいちキメ顔すんしぜゃねーよっ!」
「・・・確かに」
『・・・・・』
悠斗の言葉にこの場の空気が固まった瞬間、
ユウナギは『グダグダじゃねーかぁぁっ!』と声を荒げると、
すぐに冥界の神力を放出しながら声を挙げた。
「冥界眼・・・力を貸しやがれぇぇぇっ!
シェオル・バーストォォォっ!」
『カっ!』と見開かれた双眼が紫色に染まると、
凄まじい紫色の神力が『ババババ、バシューンっ!』と、
まるでバイクのエギゾースト音のように音を立て吹き出した。
「やるぞっ!悠斗っ!」
そう声を挙げたユウナギに悠斗が反応すると、
『コォォォっ!』と気道を行使した際、
突然『ゴホゴホっ!』と咳き込みながら片膝を着いた。
『悠斗ぉぉぉっ!?』と、ユウナギが心配そうな声を挙げ、
悠斗もまた『しまった』と表情を歪めながら失態を悔いた時、
『あっ、そうだ』ちと悠斗は何かを思いついた・・・。
(・・・あの力を使えば身体はある意味、俺のモノじゃなくなるから)
そう考えて居た時、
片膝を着き崩れ落ちた悠斗に向かって、
複数の天使達がチャンスとばかりに襲い掛かったのだった。
「悠斗ぉぉぉっ!?離脱しろぉぉぉっ!」
ユウナギは戦いながらもそう声を張り上げた時、
苦しそうにしながらも悠斗の口角は微かに上がった。
『今だぁぁぁっ!』と・・・。
天使の1人が声を挙げながら、
悠斗に向かって跳躍し剣を大きく振りかぶったその瞬間・・・。
(・・・冥界に居た時以来だっけか?
あの時は炎と水だったから・・・。
あぁ、でも確かトータル30分だっけか?)
顔を顰めなら背後から跳躍し、
斬りかかろうとしている天使の気配を掴みながら、
悠斗は『はぁぁぁっ!』と声を張り上げた。
すると突然、悠斗の周囲の気流が変わり渦を巻き始めると、
襲い掛かった天使がその渦に弾かれ飛ばされた。
悠斗は竜巻となったその螺旋を描く渦の中心で、
静かに双眼を閉じると、魂の刻まれた5つの力の中から、
1つの力を選ぶと声を挙げた。
『来いっ!風神っ!』
※ BGM 【螺旋の風神】
https://www.mureka.ai/ja/song-detail/BYxU5RvdaK3ccHPBUCWLiA?is_from_share=1
竜巻の中から強烈な青緑の光を放った瞬間、
竜巻を手刀で切り裂き姿を現したのは、
中学生くらいの青緑色のショートヘアを風に靡かせた少年だった。
その姿にユウナギが相手の攻撃を防ぎながらも視線を向け、
『だ、誰だ?』と眉間に皺を寄せた時、
その青緑色の神をした少年は満面の笑みを浮かべながらこう言った。
『・・・亜神・風神モードっ!』
その物言いにユウナギは『ゆ、悠斗なのかっ!?』と声を挙げると、
悠斗は透かさずサムズアップして応えたのだった。
「前に言ってた『5つの亜神の力』ってヤツか?
マジでお前・・・何でも有りだな?」
そんな呆れた声を挙げたユウナギに、
風神と化した悠斗は『あはは』と笑うと週に視線を向け、
汗を滴らせる天使達に言った。
「・・・かかって来いよ?」
『クイクイっ!』と指で挑発した悠斗を前に、
上空で『ぐぬぬぬ』と怒りを滲ませるドナは、
悠斗のその力の前に呻く事しか出来なかったのだった・・・。
ED 【太陽と月の刻】
https://www.mureka.ai/ja/song-detail/XuDv1BqTrmVrk7AP7cXziZ?is_from_share=1
ってな事で・・・。
今回はこんな感じとなりました~。
楽しんでいただけたのなら幸いですw
noteの方の画像付き設定資料集の準備も、
着々と進んでおりますので、
完成した暁には皆様にご報告致しますっ!
因みに・・・。
『緋色の残響』のMVも作っていますので、
そちらの方もお楽しみにw
ってな事で、緋色火花でした。




