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光と闇の狭間で・・・  作者: 緋色火花
第一章・堕天使の暴挙編
17/22

第17話 大いなる不安要素

お疲れ様です。


んー・・・書けちゃったからアツプしますw


楽しんでいただけると幸いですw


体調は・・・お察しって事で。

深く追求しないようにw



それでは、17話をお楽しみ下さい。

OP曲 【光と闇の狭間で】


https://www.mureka.ai/ja/song-detail/HKF9mvomaZAsGaxTBnPD5d?is_from_share=1



※ BGM 【Theme of Goddess Order】


https://www.mureka.ai/ja/song-detail/Se2o9r2Ke16QUAno6qa3pK?is_from_share=1


『ドゴォォォォンっ!』と・・・。


この月夜の照らす深夜に、轟音共に眩し光で昼間のように明るくなった。


その中心部ではきのこ雲が立ち昇り、

その威力の凄まじさを物語っていた・・・。


『ブォォォォっ!』と・・・。


凄まじい爆風が悠斗と対峙するリヴォルト達にまで届いた。


そんな光景に悠斗は身体に張り付いた砂や土を払い取ると、

立ち昇るきのこ雲を見ながら呆れたように言った。


「・・・あぁ~、多分アレ・・・オーダーだよね?」


そう言った悠斗にリヴォルトは『お、おのれ』と呻くと、

悠斗に苛立ちを募らせた顔を見せながら声を挙げた。


「・・・あの爆発からは神力を感じたぞっ!?

 それはつまり・・・。

 お前達と共に居ると言う・・・女神の仕業かっ!?」


そう怒声を挙げたリヴォルトに悠斗は肩を竦めながら答えた。


「・・・そうじゃない?」


興味なさげにそう返した悠斗にリヴォルトは更に怒りを滲ませた。


「・・・レグルス様の情報では、

 あの女神は出来損ないだと聞いているっ!

 それが・・・あんな・・・」


怒りを露にし拳を握り締め、

『ブルブル』と震えながら言った。


「・・・お前の始末は後だっ!」


そう怒声を挙げたリヴォルトに、

悠斗は訝し気に『はぁ?』と声を挙げると、

オーダーが居る方角を睨みつけながら口を開いた。


「・・・出来損ない風情が、

 我々の大切な『駒』をよくも・・・」


『ギチギチ』と歯を食い縛りながら言ったリヴォルトに、

あからさまに目付きが変わった悠斗は言った。


「・・・おい、寝返り勇者?」


「・・・なっ!?

 なんだとっ!?

 俺は寝返ってなどいないっ!

 俺は自分の信じた側に着いただけだっ!」


怒りを滲ませそう言ったリヴォルトに、

悠斗は肩をぐるんと回し、苛立ちを募らせながら口を開いた。


「・・・お前はただ、力を欲しただけだろ?

 そんなモノに大義名分など・・・ない」


『ジャリっ』と・・・。


そう言いながら一歩踏み出した悠斗に、

リヴォルトは『生意気なっ!』と声を荒げると言った。


「・・・駒が少し減ったところで、

 我々にはまだ多くの駒が居る・・・。

 それにまだ別動隊が・・・」


そうリヴォルトが言った時だった・・・。


100名を超える天使達が武装し、

別の方向から向かって来る姿が見えたのだった。


※ BGM 【月下の強襲 α】


https://www.mureka.ai/ja/song-detail/3q5JRoiy9Xitmbykp8qcsN?is_from_share=1


「クックックっ・・・。

 多勢に無勢・・・さぁ、どうする?

 この数相手に・・・ユウト?

 お前はどう抗う?」


そう挑発するリヴォルトに悠斗は刀の背で、

自分の肩を『トントン』と叩きながら言った。


「・・・待ってやるよ?」


「・・・はぁ?

 待ってやる・・・だ~?

 ユウト・・・。

 お前はこの状況が分かっているのか?

 お前如き人族風情が、100名を越える天使達相手に、

 どう抗うと言うんだよ?」


自慢げな笑みを浮かべながらそう言ったリヴォルトに、

悠斗は肩を竦めると鋭い眼差しを向けた。


「・・・たった114名だろ?

 それくらい・・・余裕だけど?」


『なっ!?』と・・・。


驚いたリヴォルトはすぐさま振り返り、

こちらに向かって来る天使の1人に念話を飛ばした。


そして返答された時・・・。


顔を引き攣らせながら悠斗へと視線を向けたリヴォルトは、

『な、何故、数がわかった?』と尋ねた。


すると悠斗は『あぁ~』と、気のない返答を返すと答えた。


「・・・数えた・・・から?」


『っ!?』


「・・・あれくらいの距離、

 普通に見えるだろ?

 んー・・・もう1kmは切ってるな?」


そう答えた悠斗にリヴォルトは、

『イチキロ・・・ってのはわからんが・・・』と戸惑いつつ返すと、

悠斗は『カチン』と納刀すると突然座り込んだ。


悠斗の行動にリヴォルトは困惑しつつも尋ねた。


「お、お前・・・いきなりどうした?

 どうして・・・座ってんだよ?」


そう尋ねられた悠斗は『ふわぁぁ~』と、

大きなあくびをし、目に涙を滲ませながら返した。


「・・・あいつらが来るのを待ってんだけど?

 何か文句でもある?」


そう平然と返した悠斗にリヴォルトは『い、いや』と、

思わずそう答えてしまうと、

頭を横に『ブンブン』と勢いよく振りながら声を荒げた。


「・・・お前には緊張感と言うモノがないのかぁぁぁっ!?」


そう声を荒げたリヴォルトに悠斗は首を傾げた。


「・・・たったアレだけ・・・だろ?

 あんな数・・・。

 緊張以前の問題だし・・・。

 逆に・・・こう言いたいね?」


そう挑発的に眼差しを向ける悠斗に、

リヴォルトは『な、何だ?』と返すと、

口角を微かに上げながら鋭い眼光を向けながら言った。


「・・・なんならさ?

 今、この場に・・・レグルスってのを呼べよ?」


「は、はぁ?

 ・・・お、お前は一体何を言って?」


思いがけない悠斗の発言にリヴォルトがそう返すと、

悠斗は座ったまま『カチっ!』と・・・。

黒鞘の刀の鯉口を切りながら言った。


「・・・ヤツを始末すれば早く帰れるじゃんね?」


『おっ・・・おまっ・・・おまっ』と・・・。


悠斗の大胆な発言にリヴォルトは何も言えなくなってしまった。


挙句果てには悠斗が『ゴロン』と寝そべりながら言った。


「・・・あんたの仲間ってのが来たら起こしてくれない?」


「・・・へっ?」


「それまでは小休止って事で~♪」


悠斗はそう言いながら手をヒラヒラとさせると、

双眼を閉じ沈黙した・・・。


そんな悠斗の姿を見たリヴォルトは額な汗が浮かび始め、

今まで感じた事のない恐怖を悠斗に感じたのだった。


(・・・なっ、何なんだこいつはっ!?

 レグルス様を呼び捨てにするとごろか・・・。

 こ、この場に・・・よ、呼べ・・・だとっ!?

 そ、それに・・・天使達が来たら起こせとも・・・?

 な、何なんだよ・・・こいつはっ!?)


すっかり悠斗のペースに飲み込まれたリヴォルトが、

激しく動揺し困惑している間、

双眼を閉じた悠斗はオーダーに念話を飛ばした。


{・・・オーダー聞こえる?}


{ゆ、悠斗っ!?

 あ、貴方・・・大丈夫なのっ!?}


{・・・あぁ~全然問題ないよ?

 だけど念の為・・・こっちには来ないでね?

 避難した人達が襲われる可能性がない訳じゃないからさ?}


{・・・も、問題ないっ!?

 そ、それに・・・こっちにはって・・・悠斗っ!?

 一体どう言う事よ?

 ちゃんと説明しなさいよっ!}


{・・・説明は全て片付いてからって事で~。

 でわでわ~}


そうお気楽に言った悠斗との念話が切れると、

オーダーは悠斗が居るであろう方角へと視線を向けた・・・。


その時だった・・・。


オーダーはあまりの驚きに固まり、

呼吸をする事さえ忘れていた・・・。


「ど、どうして・・・アレがこの星で見えるのよ?」


困惑するオーダーの視線の先にある夜空を見つめると、

顔を顰め考え込み始めた・・・。


(・・・どうしてアレがこの星で見えるのよ?

 私が女神として覚醒した瞬間・・・。

 あの子達の情報が頭の中に流れ込んで来た。

 その時、悠斗の故郷の国で見えた・・・)


オーダーは睨みつけるように夜空を眺めると、

怒気を纏わせながらこう言った・・・。


『・・・シ、シリウスが・・・瞬いて・・・。

 ど、どうしてこのリード星で、

 『北斗七星』なんてモノが見えるのよ?』


突然夜空に輝く『北斗七星』を見たオーダーが困惑している頃、

悠斗は双眼を閉じたまま思考の海へと潜っていた。


※ BGM 【思考の海】


https://www.mureka.ai/ja/song-detail/LbofxpdjHm6K8sS5QMtFsN?is_from_share=1


(・・・天使達が114名。

 普通の人間じゃない相手に・・・どこまでやれるか・・・だな~?

 それにまだ・・・。

 アレを試す必要は感じないしね?

 擬体も武器もある。

 大丈夫・・・やれるはずだ。

 って言うか・・・。

 ユウナギさんは今、何処で何してんだろ?

 別に俺には何も言わなかったけど、

 ユウナギさんも気付いたはず・・・なんだよな~?

 このままヤツらが俺達を放って置くはずないってさ~?

 あぁ~あ~・・・。

 ユウナギさんが居れば、少しは・・・『楽』なんだけどな~。

 でもまぁ~・・・いっか♪)


そう考えつつも悠斗は視界に映る擬体の状況を閲覧していた。


(色々とヤバそうだけど・・・。

 何も擬体にだけ気を遣えばいいって訳じゃない。

 一番問題なのは・・・。

 ベガが卑弥呼の下で打った黒鞘の刀だ・・・。

 悪くはない・・・。

 でもそれは以上でも以下でもないって事だ。

 こんな戦いでいつどうなるかわからないからな~?

 マジックボックスに入れてあるのはただの剣・・・。

 日本円だと1000円程度の代物だからな~?

 天使達とやりあったら・・・当然持たない・・・。

 さて・・・どうするかな~?)


悠斗はそう考えながらも次第に眠りに落ちて行くのだった・・・。



そしてその頃・・・。


ユウナギは1人、暗い時空洞の中を駆けずり回っていた。


※ BGM【The Theme of Yunagi α】


https://www.mureka.ai/ja/song-detail/NtapQjVoGti8kipAZa98uB?is_from_share=1


『ハァ、ハァ、ハァ、ハァ』


息を荒げ眉間に皺を寄せているユウナギは、

迷路のようなこの時空洞内に張り巡らされた道を、

ひたすら走り続けていたのだった・・・。


「・・・まじでここは何処なんだぁぁぁぁぁっ!?

 ど、どれだけ広いんだよっ!?

 まーじで・・・まじで迷った・・・。

 だぁぁぁぁぁぁぁっ!

 あ、あの・・・酒呑み爆乳師匠めぇぇぇっ!?

 時空洞内がどうなっているかを前もって教えておけっつーのっ!

 師匠の・・・。

 卑弥呼のバカヤロウがぁぁぁぁぁっ!」


そう怒りの声を張り上げたユウナギは走り続けながらも、

拳を強く握り締めた・・・。


(・・・しかし、その・・・なんだ~?

 どうにも嫌な予感が止まらねー・・・。

 別に考えなかった訳じゃねーが、

 ヤツらは俺達の居場所がわかっているはずだ。

 リード星を離れる時・・・。

 一瞬ソレは頭に過ったが、悠斗の顔を見たら・・・つい。

 だぁぁぁぁぁぁぁぁっ!

 やっちまった感が半端ねぇぇぇぇっ!

 とっとと戻ってって・・・。

 また道が途切れてやがるぅぅぅぅぅっ!?

 だぁぁぁぁぁぁっ!

 まじで面倒臭せぇぇぇぇぇぇぇっ!

 って・・・。

 叫んでいる場合じゃねー・・・。

 早く戻って・・・。)


そう考えつつもユウナギは途切れた道から踵を返すと、

急ぎ戻って行くのだった・・・。



~ リード星 ~


10分後・・・。


『バッサァァァっ!』と、

幾つもの翼の羽ばたきが悠斗の耳に届くと、

双眼を見開いた悠斗は目を覚まし上半身を起こした・・・。


※ BGM 【月下の強襲 β】


https://www.mureka.ai/ja/song-detail/7Y42ArrYDatXj1Y6upnbcV?is_from_share=1


そして頭を『ボリボリ』掻き、

『ふわぁぁぁ』とあくびをしながら周囲を見渡した。


「・・・お早いご到着で」


そうボヤきながら立ち上がった悠斗は、

リヴォルトへと視線を向けた。


「・・・これで全員?」


「あ、あぁ・・・」


未だにリヴォルトは悠斗と言う男に困惑し、

思い悩んでいた・・・。


(ど、どうしてこいつは・・・。

 ユウトはこんなにも平然としていられるんだ?

 100人越えだぞ?

 俺でもこれだけの数を始末するには余程の集中力が・・・。

 な、なのに・・・どうしてこいつは?)


そう考えつつ眼前の悠斗を見つめていると、

悠斗は両肩をぐるぐると回しながら言った。


「・・・リヴォルト?

 何してんだよ?

 さっさとやろうよ・・・」


『なっ!?』


悠斗の平然としたその物言いにリヴォルトは古碑武士を強く握り締め、

そして呟くように言った。


「・・・お、恐れを知らん者は・・・これだから・・・」


そう呟いた瞬間・・・。


リヴォルトは増援に来た天使達に向かって声を張り上げた。


『貴様らぁぁぁっ!

 レグルス様の敵である・・・。

 あのガキをっ!

 ユウトを始末しろぉぉぉぉっ!』


リヴォルトがそう声を張り上げたのと同時に、

天使達が『おぉぉぉっ!』と吠え、

そんな光景を見た悠斗の口角はあからさまに上がった。


そして『スっ』と静かに刀の柄を握り、

腰はを落とすと『コォォォォっ!』と呼吸音を変えた。


『・・・気道・繰術』


『ダッダッダっ!』と・・・。


地響きのような天使達の足音が周囲に木霊し、

悠斗は『ググっ』と力を溜めると、

我先にと・・・。

天使達が悠斗目掛け襲い掛かって来る姿に、

悠斗は双眼を閉じながら呟いた。


『・・・さぁ、いこうか』


※ BGM 【気道】


https://www.mureka.ai/ja/song-detail/JGQVuWpLbVcamJT2VVW5TF?is_from_share=1


その瞬間、悠斗は一段ギアを上げ、

溜めた力を一気に解放し駆け出した。


『タタタタタタっ!』


気道により身体能力を上げた悠斗は、

最初に到着した天使の振り下ろす剣を見向きもせず躱すと、

『ザザァァァっ!』と土煙を上げながら抜刀し、

その場でぐるりと一回転した。


悠斗はこの時、神野流や白鷲流の剣技は使っていなかった。


使っていたのは繰術のみで、

襲い掛かる天使達に対し、ただの剣技だけで対応していた。


(・・・技は確かに威力はあるけど、

 なるべくなら・・・擬体と刀に負担はかけたくない。

 それに・・・。

 こういう時の為に、基礎訓練を徹底的にやったんだ。

 どこまで行けるかはわからないけどさっ!)


『はぁぁぁっ!』


『ズシャっ!』と・・・。


悠斗の気合いの一撃が天使を両断すると、

すぐさま駆け出し、群がる攻撃をかい潜って行った。


『ヒュオンっ!シュっ!シュパっ!ブォンっ!』


紙一重で躱し、その攻撃の風切り音だけが悠斗の耳を触った。


そんな中でも悠斗は『ははっ』と笑みを零し、

額に汗を滲ませながらも動きを止める事はなかった・・・。


そんな悠斗の姿を見ていたリヴォルトは、

いつの間にか強く握られていた拳は開かれ、

ただただ・・・。

悠斗の動きに目を奪われていた・・・。


(な、何故だ?

 お前の相手はただの人族じゃないんだぞ?

 天使だ・・・。

 神ほどの力はないとは言え、天使の・・・。

 100人以上も居る天使達の攻撃なんだぞっ!?

 それなのに・・・ど、どうしてこいつは・・・。

 お、お前は・・・一体・・・何なんだよっ!?

 俺だってレグルス様から力を授かる前では、

 たった1人の天使にさえ・・・く、苦労したんだぞっ!?)


リヴォルトが茫然としている頃、

悠斗は次々に襲い掛かって来る天使達の攻撃に苦戦をし始めた。


(・・・こ、この程度の戦闘でエラーが出るのかっ!?)


悠斗の眼前に映し出されたポップには、

『赤い文字』で擬体が悲鳴を上げている事を告げていた。


(あまりにも精密に造られ過ぎたせいで、

 内部温度が50℃を超えたっ!?

 人間と同じで汗を流し温度を下げる機能があっても、

 この温度は流石に・・・。

 俺は辛うじて耐えられるけど、このままじゃ擬体が・・・)


悠斗がそう考える中も天使達の怒涛の攻撃は続いた。


擬体の中に居る悠斗はさほどでもなかったが、

精巧に造られ過ぎた擬体はオーバーヒート寸前だったのだ。


悠斗が見ている視界に次第に細かなノイズが入り始め、

警告ランプが止めどなく点滅していた・・・。


悠斗は天使の大ぶりの攻撃を背後に感じると、

一瞬にして背後に回り込み、

振り下ろされた腕を掴み捻り上げると、

首に左腕を巻きつけ天使を盾にした・・・。


『はぁ、はぁ、はぁ、はぁ』と・・・。


呼吸を荒げる悠斗に拘束された形となった天使は、

苦痛に顔を歪めながらも悠斗の異常なほど熱い体温を感じていた。


(なっ、何だよ、このガキの体温はっ!?

 あ、熱い・・・あまりにも熱過ぎる・・・。

 こ、こいつが何処の星の者かは知らんが、

 この体温であんな動きが出来るってのかよっ!?)


そう考えている間も、

天使の耳に掛かる悠斗の息は火傷しそうなほど熱かった。


「・・・はぁ、はぁ、はぁ。

 ま、まだ・・・半分も居るのか?

 面倒臭いな・・・」


そう言いながら悠斗は顔が険しくなった瞬間、

拘束していた天使を解放すると同時に、

以後から『ズシャっ!』と天使の首を切断し、

『ブッシャァァァっ!』と首の根元から夥しい鮮血が吹き出した。


『ボトっ、ゴロン』と、天使の落ちた首が転がり、

その光景を垣間見た天使達が激しく動揺すると、

悠斗は一気に後方に跳ぶ着地しながら納刀した・・・。


「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ・・・。

 まだ半分近く居る。

 俺自身は別にそうでもないけど、

 擬体が・・・そろそろヤバい。

 なら・・・ここは・・・一気に・・・」


周囲を警戒しながら抜刀術の態勢を取った悠斗は、

静かに双眼を閉じ、精神世界へと侵入した・・・。


そして精神世界の中で双眼を開いた悠斗は、

赤い霧に包まれた空間の中で、

眼前に立つ『絶・真紅之門』と刻まれた門の前に居た。


「・・・ったく。

 天使達相手に鬼の力なんて使う予定はなかったってのにさ~?

 擬体がこうなっちゃったら・・・」


そう『ブツブツ』と愚痴を言いながら、

悠斗は大きな両開きの扉の前に来た・・・。


「・・・一気に片づけないと擬体が持たない。

 でも問題なのは・・・」


そう呟きながら悠斗は視線を上げると、

険しい表情をしながら呟いた。


「・・・今までの真紅だったら問題ないんだろうけど、

 統合したせいで・・・。

 ぎ、擬体・・・だ、大丈夫かな?

 も、持つ・・・よね?

 って・・・自信ないけど、今は・・・やるしかない」


そう決めた悠斗は『絶・真紅之門』の扉に触れると、

『ギギィィィィっ!』とも食らいの扉が擦れ軋む音を奏でながら開いた。


するとその門の中から流れて来たのは、

慣れたいつもの赤い霧よりも更に高濃度の赤い霧が風に乗って吹きつけ、

その中へと悠斗は一歩足を踏み入れた・・・。



~ 現実世界 ~


『カっ!』と双眼を見開いた瞬間・・・。


悠斗の双眼は『真紅』に染まり、

その身体からは高濃度の真紅の鬼の気が放出された・・・。


『シュバっ!』と・・・。

悠斗の身体から吹き出した真紅の鬼の気の禍々しさに、

天使達は無言となり、その威圧に腰を抜かす者達まで現れた。


そんな光景を見たリヴォルトもまた、

『な、何だアレは?』と激しく動揺する中、

抜刀術の態勢となっていた悠斗は『コォォォォっ!』と呼吸音を変えた。


(・・・冥界の地で卑弥呼と戦った時から考えていた技。

 剣技を一から鍛え上げるのと同時に修練を重ねて来た・・・。

 あの卑弥呼の『鬼華繚乱』の連続攻撃をベースとした、

 『白鷲流の新技』で一気に決めるっ!

 って言うか・・・。

 ごめん、卑弥呼・・・。

 お前の技・・・ちょっとパクっちゃった♪

 でもいいよね?

 一応俺・・・『愛人』らしいからさ♪)


『シュバっ!シュバシュバシュバっ!』


悠斗の真紅の瞳が妖し気な光を放つと同時に、

その身体から立ち昇る深紅の鬼の気もまた呼応し吹き出した。


悠斗は抜刀術の態勢のまま『はぁぁぁぁぁぁぁっ!』と、

気合いを込めた声を発すると、

『カっ!』と双眼を見開くの同時に、

『バシュンっ!』と深紅の鬼の気が咆哮を上げた。


※ BGM 【鬼華散華】


https://www.mureka.ai/ja/song-detail/HZd5JVcZx5LWMkM9XjsWdz?is_from_share=1



『・・・白鷲流・奥義っ!』


そう言いながら駆け出すと、

真紅の鬼の気がまるで流星の尾のようにたなびいた。


『うわぁぁぁぁっ!』と・・・。


天使達が蜘蛛の子を散らすように逃げ惑う中、

悠斗は『カチっ!』と黒鞘の肩なの鯉口を切りながら声を挙げた。


『・・・鬼華散華(おなはなさんか)っ!』


『シュバっ!』と深紅の鬼の気が勢いよく瞬くと、

花びらが散る如く真紅の鬼の花びらが舞い落ちた。


それに呼応するかのように、

悠斗が天使を一人斬る度に『シュバっ!』と音を立てて、

瞬時に姿を消した悠斗は別の天使の前に踊り出ると同時に斬り、

それに呼応し真紅の鬼の気もまた、

音を立てながら鬼の気の真紅の花びらが『ヒラヒラ』と舞い落ちた。


『ど、どうなっているっ!?』


そう困惑しつつも声を荒げたリヴォルトに、

天使達からの返答はなかった・・・。


その天使達から聞こえてくる声は全て、

悲鳴や断末魔の声だけだった・・・。


「・・・な、何故だ。

 ど、どうして・・・こ、こんな・・・こんな事が?

 あ、あいつは・・・。

 ユウトは・・・ただの人族ではないのか?

 いくら・・・いくら神々が選んだ者だったとしても・・・。

 こ、こんなにも・・・常軌を逸している人族が、

 この世に・・・居るのか?」


悠斗の凄まじさとリヴォルト自身初めて見る鬼の力に、

慄きながら自然と足が後退し始めた・・・。


「こ、こんな力・・・お、俺は知らない・・・。

 ま、魔王なんて・・・。

 こいつの力に比べたら・・・ガ、ガキのお遊び程度だ。

 だ、駄目だ・・・。

 い、一刻も早くこの場から逃げなければ、

 俺達は・・・いや、俺は・・・殺される・・・」


『ガクガク』と震えながらそう言っている間も、

次々悠斗が鬼の気の花びらを散らせ、

114名居たはずの天使達が次々と消され、

残り数名となったその時だった・・・。


悠斗は視界に映し出される赤い警告文をチラ見すると、

その警告文にはこう書かれていた・・・。


『オーバーヒートによる擬体の機能停止まで、

 残り3分・・・。

 装着者の安全の為、擬体の停止後強制排出致します』


その警告文をチラ見した悠斗は『チっ!』と舌打ちすると、

その視線を次の天使へと向けたその時だった・・・。


突然奇妙な気配を感じた悠斗はその足を止めると、

周囲を見渡し『危険察知』のスキルとその気配を追い始めた。


(・・・だ、誰だ?

 この奇妙な気配は?

 何処に居る?)


態勢を低くし周囲を警戒する悠斗の姿に、

リヴォルトは眉間に皺を寄せた。


「あ、あいつは一体・・・どうした?」


悠斗の行動に怪訝な表情を浮かべたその時、

突然この空間に『あっはっはっ!』と笑い声が木霊した。


「・・・だ、誰だ?」


悠斗は左手で地面に触れながら、

地面の振動を使い居場所を探そうとし、

またその声に心当たりがあるリヴォルトは、

驚きながらも声を挙げた。


「・・・レ、レグルス様?」


リヴォルトが夜空を見上げながらそう言った時、

悠斗は『この声はレグルスの?』と心の中で呟いた。


※ BGM 【Regulus's Theme】


https://www.mureka.ai/ja/song-detail/JuBeUA6LDEV2WqiNAHCK76?is_from_share=1


するとレグルスと思われる男の声が再び聴こえて来た。


『・・・流石は上位神・ヲグナが選びし男だな?

 こんなまだ少年とも言える者がこのような力を持つとはね?』


そう言いながらもレグルスはどこか余裕な気配を醸し出した時、

警戒を解き立ち上がった悠斗は夜空に向かって声を挙げた。


「・・・レグルス。

 お前を始末しに来た・・・。

 すぐに姿を見せろ」


悠斗が眼光鋭く夜空に向かって声を挙げた時、

レグルスは『フッフッフっ』と笑った後、悠斗にこう言った。


『・・・その状態で俺に勝てるとでも?』


「・・・・・」


『・・・少年。

 悪い事は言わぬ・・・。

 すぐに俺が支配するリード星から出て行くのだ』


「・・・断わる」


『フフフフフっ・・・・ハッハッハッハっ!』


「何がおかしい?」


『・・・おかしくもなるさ。

 突然この星系に在るはずもない『星座』が現れ、

 一体何事かと思ったが・・・。

 そうかそうか・・・そう言う事か?・・・とな?』


「どう言う意味だっ!?」


悠斗がそう声を荒げた時、

レグルスは皆に夜空を見上げるようにと促すと口を開いた。


『・・・少し調べて見たら少年?

 お前の居た星の『星座』らしいな?』


悠斗は訝し気な表情を浮かべながら、

満天の星空を見渡した時、『えっ?』と驚きの声を挙げた。


「ど、どうして・・・この星に『北斗七星』が?」


悠斗が向けた視線の先には、

見慣れた『北斗七星』の七つの星が瞬いており、

その姿に悠斗は茫然としたのだった・・・。


『あっはっはっはっ!

 少年・・・。

 貴様・・・『特異点』か?』


「・・・特異点?

 まぁ~そう言われるけど俺にさっぱり・・・」


夜空に向かってそう声を挙げた時、

レグルスはこう言った。


「・・・少年のその奇妙な力。

 この場で確かめよう」


「・・・確かめる?」


悠斗がそう言いながら首を傾げた時、

レグルスはリヴォルトに向けて告げた。


『リヴォルト。

 今からお前に力を与える』


「・・・お、俺に力を?」


『あぁ、そうだ・・・。

 その少年と拮抗出来るだけの力を、

 勇者・リヴォルトに与えよう・・・』


その声にリヴォルトは片膝を着き頭を垂れながら、

『有難き幸せ』とそう言った時だった・・・。


突然この夜空の中から、青黒い光りの柱が現れ、

頭を垂れるリヴォルトに降り注いだ時、

『ぐあぁぁぁぁぁぁっ!』とリヴォルトは苦しそうな声を挙げた。


「リヴォルトっ!?」


その苦しみの様子から悠斗はリヴォルトを気遣い声を挙げ、

強く眉間に皺を寄せた悠斗は声を挙げた。


「だ、ダメだっ!リヴォルトっ!?

 そ、その力を受け入れたらダメだぁぁぁぁっ!」


悠斗の叫びが苦しむリヴォルトに届き、

『ユ、ユウト?』と、青黒い光りの柱の外に居る悠斗に向かって、

力の限り手を伸ばした・・・。


リヴォルトの行動に気付いた悠斗はなりふり構わず駆け出し、

青黒い光りの柱に向かって手を出した時、

『バチンっ!バチバチバチっ!』と、感電した。


『ぐぁぁぁぁっ!』


青黒い放電が手を突っ込んだ悠斗を襲い感電すると、

凄まじい数のポップが現れ、

無数の真っ赤な警告文が視界を覆った・・・。


『・・・異常加熱により装着者は直ちに擬体からの離脱を要求します』


そんな警告文が視界を埋め尽くす中、

『ぐわぁぁぁっ!』と苦痛な叫びを上げる悠斗を見て、

リヴォルトは悠斗へと手を差し伸べながら、

『ユウトォォォォっ!』と声を張り上げていた。


『バチンっ!』と激しい音を響かせ、

弾き飛ばされた悠斗の擬体の関節部からは、

『シュゥゥゥ』っと、黒煙が立ち昇っていた・・・。


「ユ、ユウトの身体は・・・ぎ、擬体なのかっ!?」


その様子に驚くリヴォルトだったが、

それでも悠斗に向かって声を挙げた瞬間・・・。


苛立ちを含ませたレグルスの声が響いた。


『・・・敵と成れ合うな・・・リヴォルト。

 我の命令だけを聞いておればよいのだ・・・』


その声にリヴォルトは『レ、レグルス様?で、ですが・・・』と、

何かを訴えようとした時、

レグルスは怒りを滲ませながら声を挙げた。


『貴様は我の言う事のみっ!聞けばよいのだっ!』


そう怒りを露にしたのと同時に、

青黒い光りが強制的にリヴォルトの中へと侵入し始めた。


「リ、リヴォル・・・ト」


両膝を着き項垂れつつも、

悠斗はリヴォルトに向かって手を差し伸べたが、

創造神であるレグルスの力には抗えるはずもなかった・・・。


「リヴォルトォォォォっ!?」


悠斗の断末魔のような声が夜空に響き渡った時、

青黒い光りの柱から解放されたリヴォルトは無言で立ち上がった。


「・・・ユ、ユウト」


「リ、リヴォルト・・・?

 お、お前・・・だ、大丈夫・・・なのか?」


リヴォルトを心配しそう声を挙げた悠斗に、

『あぁ~何ともない』と言いながら顔を上げたリヴォルトの顔は、

精悍な顔立ちなど消え失せ、

悪意に満ちた歪んだ笑みを見せながら言った。


「・・・ぶっ殺す。

 アハハハハハ・・・ハ・・・」


狂気に満ちたその声と表情に、

悠斗は『クっ!』と呻きつつも拳を強く握るのだった・・・。


「や、殺るしか・・・ないの・・・か?」



ED曲 【太陽と月の刻】


https://www.mureka.ai/ja/song-detail/XuDv1BqTrmVrk7AP7cXziZ?is_from_share=1



ってな事で・・・。


今回声だけですがレグルスが登場。


神ってヤツはどうしてもこうも傲慢で・・・。


次の展開を楽しみにしてもらえれば・・・とw



ってなことで、緋色火花でした。

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