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光と闇の狭間で・・・  作者: 緋色火花
第一章・堕天使の暴挙編
16/22

第16話 進化した門と女神の一撃

お疲れ様です。


やはり仕事が落ち着いたのは・・・フェイクだったっ!?

し、知ってた・・・よ。

うんうん・・・そうだろうと思ったよ?


ってな訳で・・・社畜です。


えっと~・・・今回も頑張りましたw

色々・・・と?



それでは、第16話をお楽しみ下さい。

OP曲 【光と闇の狭間で】


https://www.mureka.ai/ja/song-detail/HKF9mvomaZAsGaxTBnPD5d?is_from_share=1


※ BGM 【静かなる怒り β】


https://www.mureka.ai/ja/song-detail/8Z7T9Y3oDsT5qwohw8A9Je?is_from_share=1



『カチャっ!』と、刀の切っ先を再び向けた悠斗に、

リヴォルトは『お前、いい根性してるよな?』と笑みを浮かべた。


「・・・確かに剣の腕前は中々のモノだが、

 だが少年・・・。

 いや、ユウト・・・」


『ん?』と、悠斗はリヴォルトの話に眉間に皺を寄せた時、

その表情を見たリヴォルトは『ククっ!』と笑いながら言った。


「・・・圧倒的な力の前では、

 多少剣の腕前がよくても・・・意味ないんだぜ?」


そう勝ち誇ったかのようにリヴォルトは嫌味に笑みを浮かべると、

『はぁぁぁぁっ!』と・・・。

気合いと共に神力を放出した・・・。


『シュォォォォっ!』と、神力を溢れさせた途端、

周囲の風が『ブワっ!』と巻き上がり、

『フンっ!』とドヤ顔を見せながら口を開いた。


「・・・どうだ、ユウト?

 これが・・・力だっ!」


「・・・あっそ」


ドヤ顔でそう言い放ったリヴォルトに、

悠斗がそう返すと、その表情は険しいモノへと変わった。


「・・・生意気なヤツだぜ。

 これだけ力の差を見せてやったと言うのに・・・。

 強情なヤツだ・・・。

 だがな、ユウト?

 お前の出方次第では・・・考えてやらんでもないぜ?」


『・・・どう言う事?』と・・・。


悠斗は首を傾げながらそう返した時、

リヴォルトはゆっくりと悠斗に向かって右手を挙げた。


「・・・お前は見所がある。

 その才能・・・この俺に匹敵するほどにな?

 そんなお前をこのまま殺すにはおしい・・・。

 そう思ったものでな?」


そう言いながら『ほら』と、

悠斗の右手に視線を向け握手するよう促してきたが、

悠斗はくるりと背中を向けると数歩進み足を止めた。


刀の背を肩に乗せ『トントントン』っと、

リズミカルに弾ませ『ピタリ』と止めながら言った。


「・・・くだらない」


『・・・あぁ?』と・・・。


悠斗の言葉にリヴォルトは眉間に強く皺を寄せ、

『断るのか・・・俺の誘いを?』と苛立ちを滲ませていた・・・。


悠斗は『フっ』と俯きつつ笑みを浮かべると振り返り、

『カチン』と刀を納刀し腰を落とすと抜刀術の姿勢を見せた。


悠斗の構えに『ゾクっ!』と悪寒が走ったリヴォルトは、

『ヒクっ!』と顔を着き攣らせながら声を荒げた。


「こ、この俺がっ!

 神より力を与えられし勇者のこの俺の誘いを断るとはっ!?

 ぶっ・・・無礼極まりないっ!」


そう声を荒げた後、

リヴォルトは剣先を悠斗へと向けながら言った。


「・・・いいだろう、ユウト。

 貴様は今、この場でっ!

 殺してやるっ!

 俺の誘いを断った事を・・・後悔しながら死ぬんだなっ!

 素質があるお前を殺すにはおしい・・・がな?

 はぁぁぁぁぁぁぁっ!」


『シュォォォォォっ!』と、再び神力を溢れさせたリヴォルトに、

悠斗は薄く笑みを浮かべながら呟いた・・・。


※ BGM 【神野流・気道 β】


https://www.mureka.ai/ja/song-detail/NnLLH1kHvfoB8yDD6yN2QV?is_from_share=1



『・・・さぁ、いこうか?』


己のギアを一段上げる言葉を口にした瞬間、

悠斗は『コオォォォォっ!』と呼吸音を変えた。


『・・・気道・繰術』


そう呟いた悠斗に対して、

リヴォルトは『身体強化ぁぁっ!』と、声を張り上げた。


その瞬間、リヴォルトは悠斗の視界から『シュっ!』と姿を消した。


だが悠斗は、リヴォルトが姿を消した事にも動じず、

ただ双眼を閉じ、その気配を追いつつ『剣の結界』を張った。


だが、悠斗の様子を見ていたリヴォルトは、

姿を消したまま『あっはっはっ!』と笑ったのだった・・・。


「・・・思わせぶりな構えに、

 一体何があるのか?と警戒してはみたが、

 なんて事はない・・・。

 俺の姿が見えずに動けないだけではないかっ!?」


リヴォルトがそう言い放った瞬間、

悠斗の眉間が『ピクリ』と動いたのと同時に、

後ろの腰に装備していた『ナイフホルダー』からナイフを引き抜くと、

瞬く間に『シュっ!』と投擲した。


『キィーンっ!』と・・・。

ナイフが弾かれ姿を現したリヴォルトは、

『ほぉ~』と『トンっ!』と地面に突き刺さったナイフを見ながら言った。


「・・・殺すにはおしい。

 実に・・・おしいぞ・・・」


だが、そんなリヴォルトの声に悠斗は、

『あっそ』と棒立ちになり抑揚なく返すと、

更に口を開いていった・・・。


「・・・無駄口はいいからさ~?

 とっとと戦おうよ?」


『やれやれ』と俯き肩を竦めた瞬間、

『シュュュっ!』と再び3本の矢が悠斗を襲った。


この時、リヴォルトはこう考えていた。


(・・・今までの様子から、ユウトの回避行動読めている。

 だからそれを逆手に取り、

 回避するであろう場所に向けてそれぞれが矢を放ったのだ。

 俺の能力には仲間を操る力があるからな~。

 だから精密な攻撃もできるんだよっ!

 そして隙が出来た瞬間・・・。

 この俺がとどめをっ!)


そう考えていたリヴォルトがそう推察し、

それに合わせて一撃を放とうと身構えていた・・・。


だが・・・。

そのリヴォルトの予測は最初から崩れる事となった。


悠斗は飛来する3本の矢に対し、

悠斗は咄嗟に気道と魔力の両方を行使すると、

切っ先を空へと向け、柄の部分を『トンっ!』と軽く叩きながら言った。


『・・・魔導気・空震』


刀身から周囲に『魔導気の波紋』が広がると、

放たれた矢は全て『カシャカシャカシャ』と地面に落ちた。


その様子にリヴォルトは『なっ!?』と唖然としていると、

悠斗は鋭い眼差しを向けながら言った。


「・・・次は俺から行くよ?」


『クっ!』と呻きつつも剣を正眼に構えたリヴォルトに、

悠斗は抜刀術の態勢を取ると一気に駆け出した。


『タッタッタっ!』と、駆け出し悠斗の速度に、

リヴォルトは『ククっ!』と笑みを浮かべたが、

その顔はやがて盛大に引き攣らせる事になったのだった。


『シュっ!シュシュシュシュっ!』


遅い速度で近付きつつも、一瞬にして姿を消し、

別の所に現れる悠斗の姿にリヴォルトは顔を引き攣らせたのだった。


「・・・こ、小賢しいまねをっ!」


そう言いながら悠斗が間合いに入ろうとしたその瞬間・・・。


『フルパワーっ!』と、声を張り上げたリヴォルトの身体から、

凄まじい髪力が放出され、その力は周囲の空気を取り込み、

大きな渦となったのだった・・・。


その渦の中に閉じ込められた悠斗は、

『はぁ~』っと大きく溜息を吐く中、

そんな悠斗の姿を確認出来ないリヴォルトは、

『あっはっはっはっ!』と笑っていた。


「どんなに剣の腕がよくてもな~?

 ユウト?

 お前はもうその渦の中から出る事は出来ないぜ?

 やがてその神力の渦の中は真空となり、

 お前を窒息させるか?

 もしくはその渦の中に飛び込むか?

 そうすればお前の身体はその渦の力で『ズタズタ』に切り刻まるぞ?

 さぁ~・・・ユウト?

 お前はどっちの死が・・・お好みだ?」


『あっはっはっはっ!』と、豪快に笑っていた時、

悠斗は渦の中で『やれやれ』と呆れていた。


そして酸素が薄れていく中・・・。


悠斗は余裕を以て周囲を見渡し、

笑みを浮かべながら懐かしそうに口を開いた。


「・・・これって~?

 冥界でヴァンと戦った時と同じだよね~?」


悠斗はそう言いながら真上を見上げると、

『懐かしいな~♪』と楽しげな笑みを浮かべると、

『よしっ!』と言いながら鞘から刀を抜いた・・・。


そして抜いた刀身を見つめながら、

やや心配そうに呟いた。


「・・・ギリギリ・・・耐えられる・・・か?」


そう呟いた悠斗は双眼を閉じると『精神世界』に侵入した。


※ BGM 【鬼の門】


https://www.mureka.ai/ja/song-detail/JMYUggHu3AeFDC5gPnh4mG?is_from_share=1



~ 精神世界 ~


赤い霧に覆われ視界が利かない場所に居た・・・。


そんな視界が利かない中でも、

『ザッザッザっ!』と『第一之鬼魂之門』が建つその場所へと向かう中、

悠斗はふと立ち止まると『うーん』と腕を組みながら考え込んでいた。


そして少しした後・・・。

悠斗は何やら『ブツブツ』と言い始めた・・・。


「今の擬体の様子だと、真紅までなら問題ないはずだ。

 不死鳥は・・・まだアレを試してないから、

 いざと言う時の為に・・・。

 あぁ~・・・でもさ?

 いちいち第一から第三の『真紅』まで行くのは手間なんだよな~?

 今までだって1つずつ門を開けて・・・さ?

 正直・・・面倒なんだよね~。

 これって・・・何とかならないのかな?」


精神世界に居る間・・・。


現実世界では『コンマ数秒』である。

その為、こうして悠斗がこの場所で考え込む事に問題はないのだが・・・。


「・・・この世界って確か俺の中に在る、

 鬼の力によって形成させてんだっけ?

 なら・・・さ?」


そう言いながら周囲を見渡すも赤い霧で視界が利かない。

『うーん』と呻った悠斗は突然大きな声を挙げた。


「・・・第一から第三くらいまでさ~?

 統合とかって出来たりしないのかーっ!」


その時だった・・・。


悠斗が声を挙げてから僅か数秒後・・・。


突然赤い霧で満たされた空が真っ赤に光った・・・。


『うわっ!?眩しいっ!?』と・・・。


悠斗がその真っ赤な光から顏を背け、

その光が収まった時・・・。


『・・・ま、まじか?』と、周囲を見渡しながら言った。


先程よりも高密度な赤い霧の中、

視線を上げた悠斗の眼前には『絶・真紅之門』と刻まれた『門』があった。


「・・・あっ、まじで真紅か?

 言ってみるもんだね?

 って・・・えっ!?

 ぜっ、絶・真紅之門って何っ!?

 絶って・・・あいつの事を思い出すじゃんかっ!?

 俺・・・あいつの事嫌いなんだけどっ!?」


苛立ちながらも呑気にそう声を挙げはしたものの、

『あれ?』と首を傾げた悠斗は、

いつも見ている『真紅之門』とは明らかに違っている事に気付いた。


「・・・な、何故か豪華になってね?

 絶って文字が・・・ついたから・・・とか?」


『絶・真紅之門』の前でうろうろとし、

細かく観察した悠斗は『やっぱり所々変わってるな?』と呟いた。


『何故・・・』と、腕を組み再び考え込もうとした瞬間、

悠斗は何事もなかったかのよう『まぁ~いいか』と、

思考する事を止めると、すぐに『絶・真紅之門の扉』に触れたのだった。


『ギィィィィィィっ!』と・・・。


豪華な木製の両開きの扉が音を立てて開き中へと足を踏み入れた時、

『ドッシャァァァっ!』と言う落雷の音に驚いた悠斗は身を屈め、

『ブブっ!ブブブブっ!』と放電音が耳を触ると、

ふと、どこか懐かしい声が聴こえた・・・。


『・・・気付くのが遅いですよ?』


『えっ!?だ、誰・・・だ?』


振り返った悠斗が目にしたのは、

更に高密度となった赤い霧のその奥に、

何者かのシルエットだけが見えた・・・。


その人物は白い光を纏い時折『パリっ!ブゥゥゥン』と、

その様子から雷を纏っているように思えた・・・。


悠斗は『だ、誰だっ!?』と声を挙げた時、

『ギィィィィっ!』と『絶・真紅之門の扉』が閉じ、

『バタンっ!』と閉まる直前、再び声が悠斗の脳内に直接聴こえた。


『雷を・・・纏うのですよ?』


その声が悠斗の中で消えず、木霊が続く中、

無意識にこう呟いた・・・。


『・・・母さん』と・・・。


そう呟いた瞬間、悠斗は双眼を『カっ!』と見開くと、

その瞳は『真紅』に染まっていたのだった・・・。


(・・・い、今、俺・・・母さんって?

 それに・・・何だ?

 身体の奥底から・・・今までにない熱を感じる・・・。

 これは一体?)


悠斗が動揺し動きを止めた時、

それを見ていたリヴォルトが声を挙げた。


「突然黙り込んだと思ったら・・・。

 お前は一体何がしたいんだ?」


リヴォルトが呆れながらもそう声を挙げた時だった・・・。


『ジロっ!』とリヴォルトへと真紅の眼光で睨み付けると、

悠斗の身体から『バシュっ!』と真紅の鬼の気が吹き上げた・・・。


その様子に『なっ・・・何だ、それはっ!?』と、

動揺するリヴォルトに言った。


『・・・お前を殺す者だ』


そう言い放った悠斗にリヴォルトは『ヒクっ!』と、

その顔を引き攣らせるのだった。



~ とある亜空間内 ~


白く何もないその空間に男女がスクリーンを見つめていた。


すると女性が突然『がくっ』と膝から崩れ、

男がその女性を支えながら声をかけた。


※ BGM 【祈り】


https://www.mureka.ai/ja/song-detail/VV78xq3pfDCgKrZgTAFDNX?is_from_share=1



「・・・随分と無茶をしたな?」


額から1本の角を生やしたその男性に、

女性は『だ、大丈夫です・・・まだ』とそう答えると、

男性は『たっての頼みだと言うから・・・』と顔を顰めた。


すると女性は両足に力を込め、

『ガクガク』と震える足で立ち上がると男性に言った。


『・・・絶様?

 私の無理を聞いて頂き、誠に感謝しております』


そう優しく微笑みながらそう言った女性に絶は言った。


「・・・悠紀?

 お前も鬼の血を引く身だが覚醒とはまでは至らなかった」


「・・・はい」


「だが、悠斗が鬼の力に目覚め『第一之鬼魂之門』を潜り抜けた時、

 悠紀もまた死んでいるにも関わらず、魂だけが蘇った。

 それは『最高神・八雲』の仕業だとわかったが・・・」


「・・・はい」


絶の話に悠紀はただ『はい』と返答して行く中、

『うむ』と一呼吸置いた絶は尋ねた。


「・・・だが、何故だ?

 何故・・・八雲の誘いに乗り蘇ったのだ?」


絶の問いに『フフっ♪』と笑みを浮かべた女性は、

スクリーンに映し出される『愛する我が子』を見つめながら答えた。


「・・・あの子に。

 悠斗に・・・まだ伝えておくべき事があるからです。

 八雲様のお考えは私には分かるはずもありませんが、

 ですが・・・。

 これを逃してしまったら・・・」


その言葉に絶は『なるほどな?』と返すと、

続けてこう尋ねた。


「・・・いくら八雲の手によって蘇ったとは言え、

 悠紀に残された時間は少ない・・・。

 それは承知しているのだろ?」


その問いに『コクリ』と哀しげに頷いた悠紀に絶は続けた。


「・・・通常俺達、鬼の純粋種であったとしても、

 個人の『精神世界』に介入する事など容易くはない。

 俺でも悠斗の精神世界をの覗けるのは、

 『第二之鬼魂之門』までだ」


そう話す絶に悠紀は小さく頷きながら口を開いた。


「・・・本当の意味で、悠斗と私は繋がっています。

 そして鬼の力を覚醒した私であるのなら・・・と。

 そう思い、今宵、絶様にお願いしたのです」


スクリーンに映し出されるリード星で戦う悠斗の姿を見ると、

『ポロっ』と・・・。

一筋の涙が零れ落ちた・・・。


そして感嘆な声でスクリーンに映し出される、

悠斗の姿を見つめながら呟いた。


「本当に・・・。

 本当に大きくなって・・・」


そんな悠紀に絶は『あぁ、確かにな?』と返すと、

その視線をスクリーンから悠紀へと向けた。


「・・・時間があまりないお前が、

 その残り少ない命を使ってでも、悠斗の精神世界へと入った。

 そうまでして、リード星に居るあいつに会う必要があったのか?

 今でなくとも・・・。

 ノーブルに戻ってからの方が、短い期間だとは言え、

 共に過ごす事も出来るだろうに・・・」


心配そうにそう尋ねた絶に『えぇ♪』と微笑むと、

再びスクリーンに視線を向けた悠紀は悠斗を微笑みながら見つめた。


「・・・あの不死鳥の力は・・・偽り。

 ですが、実際あの子はその力を行使し戦っている。

 それは『特異点』であるが故・・・なのか?

 もしくは・・・。

 鬼という因果・・・」


そう悠紀が口を開いた時、

何故か一度言葉を区切り『いいえ』と言った。


「クロノスの運命の鎖がそう導いた・・・。

 ですが・・・。

 どうして悠斗を偽りの力へと導いたのか?

 そしてあの子にクロノスは一体何をさせたいのか?」


悠紀の言葉に絶もまた『確かにな?』と頷いた。


「・・・クロノス自体、八雲ですからその存在そのものを知らん。

 それは我々も同じだ・・・。

 どう言う理由で・・・そしてどう言う存在であるのか?

 八雲でさえ分からぬ存在・・・。

 そこに意思はある・・・とは言え、

 どうして・・・?」


眉間に皺を寄せ苦悩する絶に悠紀は言った。


「・・・何千年、何万年と繰り返される命の育み。

 生まれては消え・・・そしてまた生まれて・・・。

 時の流れと言う奔流から離れた滞流する一角にある星系が、

 多くの命を育み成長する・・・。

 クロノスは・・・もしかすると人の可能性を見出そうとしているのでは?」


「・・・可能性?」


「はい・・・。

 神の命は無限です。

 ですが、人の命は・・・有限です。

 限られた時間があるからこそ・・・。

 藻掻き苦しみ・・・助け喜び合い成長して行く・・・。

 そんな人間だからこそ・・・人には可能性があるのかもしれませんね?

 水流の如く流れゆく時の中で、

 人が・・・人間が辿り着くその先には、

 一体何があるのでしょうね?

 進化か・・・それとも破滅・・・か」


悠紀の話に絶は『深いな』と頷いて見せると、

スクリーンを見つめたまま口を開いた。


「・・・悠紀?」


「・・・何でしょうか?」


「悠斗に伝えたい事は・・・伝えられたのか?」


そう尋ねた絶に悠紀は『フフっ♪』と笑いながらこう返した。


「・・・どうでしょうか?

 私もあの子に伝えたく頑張ってはみたのですが、

 思いの他・・・。

 力の消費が大きいものでしたから・・・。

 ですから端的にですが・・・伝えはしました。

 後は・・・」


そう言った悠紀に絶は『フフっ』と笑うとこう言った・・・。


「つまり・・・後はあいつの・・・。

 悠斗次第と言う訳だな?」


「・・・はい♪」


そう言った後・・・。


2人は沈黙し、スクリーンに映し出される悠斗を見つめていたのだった。




そしてリード星・・・。


~ 集落の傍の森の中 ~


森の奥へと入って行った集落の住民達を保護した後、

1人森の入り口付近へと来ていた・・・。


「・・・とりあえず住民達は何とかなったけど、

 悠斗は・・・1人で大丈夫なの?

 どうして人って種族は・・・」


そう愚痴を零すように森の入り口に辿り着くと、

上空を飛んで行く一団が目に入ったのだった・・・。


※ BGM 【月下の強襲 β】


https://www.mureka.ai/ja/song-detail/7Y42ArrYDatXj1Y6upnbcV?is_from_share=1



『えっ!?ぞ、増援っ!?』と・・・。

険しい表情をしたオーダーは、上空飛んで行く天使達の数の多さに、

『ゆ、悠斗がっ!?』と声を挙げた・・・。


(な、何とか・・・何とかしなければ・・・。

 私は女神として・・・。

 い、いやでも・・・これは、悠斗が・・・あの子が・・・)


オーダーは天使達の多さと、何処か他人事のように考えようとした時、

ふと・・・。

脳裏に浮かんだのは悠斗とユウナギがジャレあって騒いだり、

女神であるオーダーに命令し手伝わせる2人の顔が浮かんでいた・・・。


オーダーは『クっ!どうして私が人族などにっ!?』と、

心の中で苛立ちの声を挙げた時、

『あっ』と何かに気付き声を挙げた・・・。


そしてオーダーは呟くように言葉が口から零れ落ちた。


「わ、私・・・た、楽しかったんだ。

 イライラもするし腹も立つ事はあるけど・・・。

 でも私はあの2人と一緒に居て・・・」


2人に出会って接しているうちに、

人族に対し嫌悪感を持っていたオーダーは初めて気づいた。


「・・・女神がなんたるか?

 フフフっ♪

 確かに・・・ね?

 女神である私に何が足りなかったのか?

 それが今・・・。

 何となくだけど・・・分かり始めて来たわ」


笑みを浮かべ楽しげにそう呟いたオーダーは、

躊躇う事無くその背中から『バッサァァァっ!』と翼を広げた。


そして『キっ!』とその表情を引き締めると、

白い翼を羽ばたかせ空へと舞い上がった・・・。


前方には多くの天使達が増援の為、群れを成して飛んでいた。


そんな天使達を見据えたオーダーは、

胸の中に熱いモノを感じ『わ、私の中に何かが?』と呟いた。


「わ、分かる・・・分かるわ。

 わ、私の魂に刻まれた『神器』の事がっ!」


オーダーは険しい表情を浮かべたまま、

左腕を天に突き上げながら声を張り上げた。


※ 挿入歌 【Alba Bellona】


https://www.mureka.ai/ja/song-detail/PwxxbuJjWbF6UAuHeBNqJP?is_from_share=1



「・・・来たれっ!

 神器プロケラ・サジタっ!」(暴風の弓)


『ゴロゴロゴロ、ドッシャァァァっ!』


空が突然雷雲で埋め尽くされ、

雷が鳴り響くと同時にオーダー目掛け落雷した。


そして眩しい光に包まれたオーダーがその落雷の中で掴んだのは、

『純白の弓』だった・・・。


その雷雲と落雷を聴き、激しい光に埋め尽くされる中、

増援に向かう天使達は振り返り驚愕していた・・・。


「なっ・・・何だ・・・あれは?」


「・・・ひ、人・・・か?」


「い、いや・・・つ、翼が・・・翼があるぞっ!?」


天使達がこぞって声を挙げた時、

その中の1人が『お、おい・・・あれ・・・見ろよ?』と、

顔を青くしながら言ったその天使が向けた指の先には4枚の翼を広げ、

『シュゥゥ』っと、落雷による煙が立ち昇っていた・・・。


「て、天使ではなく・・・めっ、女神っ!?」


そう驚愕の声を挙げザワめいていた時、

オーダーは自分の力を感じ打ち震えていたのだった・・・。


「こ、これが・・・ほ、本当の・・・。

 本当の女神の・・・ち、力っ!?」


自分の中から溢れ出す神力にオーダーは、

『フフっ・・・フフフフフっ』と笑っていた・・・。


だがその時・・・。

オーダーはある事に気付いた・・・。


「こ、この弓に・・・弦がないっ!?」


慌てはしたものの、今の自分の力を信じたオーダーは、

『ならばっ!』と声を挙げた。


オーダーはザワつく天使達に視線を向けると睨みつけ、

『神器・プロケラ・サジタ』を左手に持ち構えると声を挙げた。


『・・・弦がないのならっ!

 私の力で創るまでよっ!

 ヴェールム・ディウィヌムっ!』(神のヴェール)


オーダーは弓に神力を注ぎ込めると、

『シュルシュルシュルっ!』と純白のヴェールが伸び、

それは瞬時に弓の『弦』となった・・・。


するとオーダーは続けて声を挙げた。


「・・・次は矢よっ!

 人族を守る為に怒れる裁きを体現した矢っ!

 イラ・アイディクムっ!」(憤怒の裁き)


そう声を挙げたと同時に弓に注がれたオーダーの神力が光を放つと、

そこには既に純白の矢が番われていた・・・。


その様子を見ていた天使達は『うわぁぁぁっ!』と悲痛な叫びを上げ、

それぞれが逃げ惑っていた・・・。


するとオーダーは舌を『ペロっ』と出し、

右手の指を舐めると番えていた矢を引き絞った・・・。


『ググっ・・・グググググっ!』


神のヴェールが軋んだ音を上げた時、

オーダーの眼光が『ギラっ!』と黄金に染まった・・・。


そして狙いを定めると声を張り上げながら一気に矢を放った。


『フルゴル・ディウィヌムっ!』(神の閃光)


『ドッシャァァァっ!』と・・・。


落雷の如く放たれたその白き矢は黄金に染まり、

逃げ惑う天使達の群れの中央部に差し掛かった瞬間、

『ドッゴォォォォォンっ!』と白き閃光を放ちながら大爆発を起こした。


『ひ、光がぁぁぁぁぁっ!』


『い、嫌だぁぁぁぁぁっ!』


『レグルス様ぁぁぁぁっ!』


それぞれが断末魔の声を挙げながら、

その眩い光に包まれると、

天使達は一瞬にして消滅し後には何も残らなかった。


その威力にオーダーは『ぽかーん』と大きく口を開けたまま、

『・・・す、すごっ』と呟くと、

突然『あわわわわ』と動揺し始めた・・・。


「・・・やっ、やっちゃった・・・。

 だ、誰にも・・・バ、バレてない・・・わよね?

 と、特に・・・か、神・・・とか?

 ま、まさか・・・こ、この状況を・・・、

 見て・・・見てたりなんかは・・・?」


そう言いながら『キョロキョロ』と周囲を見渡した時、

森の入り口付近から上空を見上げる集落の住人達と目が合い、

『げっ!?』と声を挙げたのはオーダーと住人達だった・・・。



そしてオーダーの放った一撃で辺りが白く染まると、

悠斗とリヴォルトもまた視線を向けながら、

悠斗は顔を引き攣らせ『あはは』と乾いた笑い声を挙げながら言った。


「・・・あぁ~、多分アレ・・・オーダーだよね?」


その光景にリヴォルドは更に苛立ちを募らせるのだった。



ED曲 『太陽と月の刻』


https://www.mureka.ai/ja/song-detail/XuDv1BqTrmVrk7AP7cXziZ?is_from_share=1



ってな事で・・・。


今回の話はこんな感じとなりました。


オーダー・・・やっちゃいましたね?w

力加減・・・覚えておくと吉でしよう♪


それと今回・・・。


オーダーのセリフや歌詞では『ラテン語』を使ってます。

神と言えば・・・ラテン語でしょ?w

と、言う・・・安易な考えですw




ってなことで、緋色火花でした。

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