第15話 嫌な気配
お疲れ様です。
少し仕事も落ち着いて・・・。
い、いや・・・そんな訳がない・・・。
きっと油断させておいて・・・。
お、おのれ・・・。
そんなこんなで続きですw
それでは、第15話をお楽しみ下さい。
OP曲 【光と闇の狭間で】
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~ 集落・中央広場附近 ~
※ BGM【哀しみの中で】
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ユウナギを見送った後・・・。
悠斗達は集落の中央広場附近で倒壊した住居などを撤去の手伝いをし、
その後、集落の者達と共に昼食を取っていた・・・。
そんな中、オーダーの視線に気づいた悠斗は、
『何か言いたい事があったらいいなよ?』と話しかけたのだった。
「・・・い、いえ。
別に大した事ではないんだけど、
その・・・。
擬体の調子がどうなのか、ちょっと気になっちゃってね?」
オーダーの話に悠斗は『あぁ~』と何度か頷くと、
悠斗は擬体のチェック機能を確認した。
するとそこには『修復率92%』と出ており、
それをオーダーに伝えるとオーダーは息を吐きながら、
安心した様子を見せていた・・・。
そして悠斗に向き直りながら口を開いた。
「・・・ユウナギが居ない今、
敵が襲って来た時、捌けるのかどうか・・・ってね?」
そう説明したオーダーは悠斗を見据えながら続けた。
「・・・なるべくなら鬼の力を使わないでほしいのよ」
「・・・えっ?どうして?」
その質問にオーダーは呆れた様子を見せながら答えた。
「・・・どうしてって?
あ、貴方ね~?
いくらデータを取って対応策を講じたとは言え、
あくまでそれはユウナギとの戦闘データでしょ?
前回のような混戦が続いた場合・・・。
その擬体自体が耐えられると言う保証なんてないでしょ?」
呆れた様子を見せたながらそう言ったオーダーに、
悠斗は少し考え込みながらも『まぁ~ね』と答えた。
だが、悠斗は周囲で食事を取る住民達を見ながら、
オーダーにこう言った・・・。
「・・・でもさ?
住人達が危険に晒されたら・・・。
俺は構わず戦うよ?」
『はぁ?』と悠斗の言葉にオーダーがそう言った時、
続けて悠斗は真剣な眼差しを向けながら口を開いた。
「・・・この擬体と人の命の重さを天秤にはかけられないよね?」
「・・・で、でも、もし・・・その擬体が壊れてしまったら、
創造神・レグルスの下に辿り着けるかどうかも・・・」
眉間に皺を寄せ擬体が壊れてしまった時の事を想像したオーダーは、
この任務自体が失敗に終わる事を懸念していたのだった。
だが悠斗は・・・。
そんなオーダーの懸念を他所にこう言った。
「もし、壊れてしまった場合・・・。
俺はこの擬体を捨てて生身で戦うだけだ・・・」
そう言い放った悠斗にオーダーは鋭い眼差しを向けると、
怒りを滲ませながら声を荒げた。
「あ、貴方・・・自分の身体の状況がわかってないのっ!?
悠斗の・・・。
悠斗の生身の身体じゃ・・・まともに戦えないでしょうがっ!」
拳を握り締めそう声を荒げた時、
周囲に居た住人達の視線が一斉に向くと、
そんな者達に悠斗は笑みを浮べながら言った。
「・・・それでもだ」
「なっ!?悠斗・・・貴方?」
「・・・そうなったとしても、
俺は生身で戦うまでだよ?
今までそうしてきたように・・・さ」
そう言いながら微笑んで見せた悠斗に、
オーダーは何とも形容しがたいモノを感じたのだった・・・。
それから暫くして・・・。
食事を取り終えた者達が集落の復興の為に動き始めた・・・。
悠斗もまた人々に混じって作業を手伝う中、
オーダーはコーヒーを口にしながら、その様子を伺っていた。
(・・・一体何なのよ?
あのからっぽな・・・笑みは?
見た目は15歳というラウル様の星では成人なんでしょうけど、
実際の彼の年齢は24歳・・・。
見た目とその落ち着きぶりからギャップを感じるけど、
それでも・・・。
その実年齢にしては、そのものの考え方が・・・ね。
『特異点』として神々に認められた男・・・。
日本に古来から伝わる『古武術』と、
『魔』に抗う為に編み出された『気道』を駆使し、
『魔を狩り続ける男』・・・ね。
それでもやっぱり・・・私からしたら『異質な考え方』よ)
オーダーは心の中でそう呟くと、
悠斗達と共に集落の復興を手伝うのだった・・・。
~ pm20:00過ぎ ~
集落の者達と仲良くなった悠斗は、
住人達と共に食事を取り終え、
コーヒーを飲みながら会話を弾ませていた・・・。
しかし、オーダーは楽しげに住人達と話す悠斗の姿に、
違和感を感じずにはいられなかったのだった・・・。
その理由は・・・。
「・・・やっぱりあのからっぽな笑顔ね?
薄々だけど住人達も感じ取っているみたい・・・。
きっと亡くなった娘さんのご両親『アルフとリリア』から話しを・・・。
その話を聞いたから住民達は、
悠斗に気遣う様に無理矢理笑っている感が否めないわ」
そう呟いていたオーダーは哀しげな視線を悠斗へと向けたまま、
苛立ちを滲ませながら呟いた。
「・・・こんな時にもし、敵が攻めてきたら?
ユウナギが居ない今・・・。
彼と私だけで守り通せるかどうか・・・」
一抹の不安を口にしたオーダーの視線の先には、
夜空を見上げる悠斗の姿がどこか儚げに見えたのだった・・・。
~ 翌日・深夜・am2:00頃 ~
『パチパチ』っと焚火の音に目を覚ましたオーダーが目を覚ました・・・。
焚火へと視線を向けたその先には、
その炎を見つめる悠斗が焚火に薪をくべていたのだった。
「・・・悠斗?
貴方・・・まだ起きていたの?」
眠い目を擦りながら身体を起こしたオーダーに、
悠斗は『あぁ』と曖昧な返答をすると言った。
「・・・眠れなかったんだ」
「・・・・・」
悠斗の声にオーダーは何も言えずにいた時、
『それにさ?』と悠斗が言葉を続けた・・・。
「・・・何故かはわかんないんだけどさ?
どうにも嫌な感じがして・・・」
「・・・嫌な感じ?」
「あぁ・・・。
何て言うのかな~?
魔獣を前にした時・・・みたいな?」
悠斗の話にオーダーは『言っている意味が?」と返答すると、
『あはは』と苦笑気味に笑った悠斗が言った。
「・・・圧迫感・・・がさ?」
『圧迫感って・・・』と・・・。
オーダーがそう首を傾げながら尋ねた時だった・・・。
※ BGM 【静寂の炎】
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悠斗は突然何かに気付き振り返ると、
緊迫様子を醸し出しながらオーダーに言った。
「・・・オーダー?
集落の人達の事を頼めるかな?」
「えっ?突然何を?」
悠斗の様子に驚きつつもそう尋ねた時、
悠斗はゆっくりと立ち上がると真剣な眼差しをオーダーへと向けた。
「・・・間違いない。
敵が・・・来る・・・」
『えっ!?』と、声を挙げ立ち上がろうとした時、
オーダーは脳内に映し出されるマップを確認した。
だが、その脳内に映し出されるマップには、
何も映し出されていなかったのだった・・・。
「・・・ど、どう言う事よ?
私のマップには何も確認できないわよ?」
そう声を挙げたオーダーに悠斗は眉間に皺を寄せながら返した。
「・・・敵は『創造神・レグルス』だからね。
俺達のスキルや魔法を無効化出来たり、
阻害する事くらい出来るんじゃないのかな?」
オーダーは悠斗にそう言われると、
俯き考え込みながら『た、確かにその可能性は』と口にした。
そして視線を上げ悠斗を見上げた時、
後方を気にしている悠斗の横顔を見ながら思っていた。
(・・・魔を狩る一族に生まれ、
幼い頃から魔と戦う事を宿命づけられていた・・・。
そんな悠斗だからこそ・・・
感じ取れる戦気があるのかもしれないわね?
女神である私なんかよりも・・・。
その能力に秀でていてもおかしくはない・・・か?)
そう考えたオーダーは悠斗に尋ねた。
「・・・悠斗?
敵が来るであろう時間って分かっていたりする?」
その声に悠斗は再び眉間に皺を寄せながら言った。
「恐らく・・・20分もないはず」
『わかったわっ!』と・・・。
オーダーはすぐに近くに居た者達を起こすと、
事情を説明し『静かに行動して』と促した・・・。
(・・・住民達が騒いでしまったら、
不利になる可能性が・・・)
そう考えたオーダーは住民達の脳内に直接語り掛け、
『松明を使用しないように』と告げた。
すると住民の中から『じゃ~一体俺達はどう逃げろと?』と、
そんな質問にオーダーは言った。
{・・・私は女神よ?
それくらいどうにでも出来るわよ}
そう住民達に伝えたオーダーは、
集った住民達全てに向かって手をかざすと能力を使用した。
『オール・ナイト・アイ』
住民達に向かってかざされた手が一瞬白く光ると、
この場に集まった全ての住民達の目が『ナイト・モード』へと変わった。
皆が自分の両手や周囲を驚いたように見渡した時、
オーダーは言った。
「・・・退避できる場所は?」
その問いに住民の1人が言った。
「・・・あっちの森の中へならっ!」
その男の声にオーダーは『わかったわ、行きましょう』と返すと、
住民達は静かに行動を開始した・・・。
そして1人・・・。
その場に残った悠斗の背中をみたオーダーは念話を送った。
{・・・すぐに戻るわ。
それまで・・・無茶な事はしないでよね?}
悠斗に向けてそう念話を送ったオーダーだったが、
何故か悠斗からの返事はなく不審に思いつつ振り返ると、
そこには、背中を向けたまま軽く手を振って見せている悠斗の姿があった。
その様子にオーダーは『悠斗?』と不思議そうに呟いたが、
すぐに先行する住民達を追って行ったのだった・・・。
その際・・・。
再び振り返ったオーダーは、
焚火の前で背中を向けたままで居る悠斗を見つめていた。
(・・・悠斗達と出会ってから、
あんな様子・・・今まで見た事が・・・)
そう考えはしたものの、
住民達を非難させる事が先決である為、
オーダーは悠斗の事を考えるのをそこでやめたのだった・・・。
オーダーや住民達が集落から避難してから、
その5分後・・・。
悠斗は『パチパチ』と焚火の火の音と、
『ヒュゥゥゥ』と言う冷たい風の音を聴きながら、
圧迫感を感じる方へと視線を向けていた・・・。
(・・・嫌な圧迫感だ。
かなりの強者が・・・来るのか?)
そう感じた悠斗は拳を『グっ!』と握りつつ、
視線を落とし自分の両手を見つめていた・・・。
(・・・相手が強者だとして、
この擬体がどこまで持つか・・・だな?)
悠斗はそう思いながらスクリーンに映し出されるステータスを見た。
『修復率94%』
(・・・あれだけの時間を費やして、
たった1%の修復率・・・か?
全く・・・やれやれだな~)
スクリーンに映し出された擬体の状況に、
悠斗は苦笑いを浮かべると次の項目をチェックした。
『・・・第三之門。
通称『真紅之門』を使用した際、
擬体の稼働限界の持続時間は『40分間』』と表示されていた。
「・・・40分か~?
まぁ~正直・・・思っていたよりは長い・・・かな?」
そしてそれから15分ほど時間が経過した時・・・。
悠斗の背中に『ゾワっ!』と冷たいモノが薙がれるのを感じた。
悠斗は念の為、脳内の映し出されるマップを確認すると、
『・・・やっぱりね?』と肩を竦めた。
脳内に映し出されるはずの敵の赤いマーカーが表示されるどころか、
そこには何も映ってはいなかったからだった・・・。
「・・・スキルや魔法も万能じゃないって事だな」
そう苦笑いを浮べつつ、
悠斗はマジックボックスから『黒鞘の刀』を取り出すと、
左の腰に装着しながら双眼を閉じ、ゆっくりと歩み始めた・・・。
※ BGM【月下の強襲 α】
https://www.mureka.ai/ja/song-detail/3q5JRoiy9Xitmbykp8qcsN?is_from_share=1
双眼を閉じたまま歩みを進める中、
悠斗は敵の気配を探っていった・・・。
(・・・4・・・6・・・7・・・)
悠斗は敵の気配を探りその数を数えて居た時、
『ピタリ』とその歩みを止め、
眉間に強く皺を寄せながら、ゆっくりと双眼を開いた・・・。
『・・・敵の数は8人。
だけど・・・1人だけ・・・極端に強いヤツが居る。
一体・・・何者なんだ?
感覚的には・・・ユウナギさん・・・クラスか?』
そう考えた瞬間・・・。
闇夜を切り裂くような『ヒュンっ!』と言う風切り音が聴こえた。
悠斗は視線を逸らす事も無く、
首だけを横に傾けると、その数センチ横を何かが横切り、
背後にある焚火の中に命中した。
『ガシャっ!』と焚火が崩れ、その火が大きく揺らめいた時、
悠斗は『矢・・・とはね?』と薄く笑みを浮べた。
すると暗闇の中から数体の白い衣装を纏った者達が現れ、
その中に1人・・・。
異質な雰囲気を醸し出す者が姿を現した。
白い衣装を纏った者達はその場に留まるも、
異質な雰囲気を纏う者はゆっくりと歩みを進めた・・・。
そしてまた・・・。
悠斗も歩みを進め、ある一定の距離感を保つと、
両者は『ピタリ』と足を止めた・・・。
『ヒュゥゥゥ~』と・・・。
強く冷たい風が2人の間を吹き抜けて行く中、
白と金色を基調とした、豪華な鎧に身を包んだ男が口を開いた。
「・・・お前か?
レグルス様を殺しに来たってヤツは?」
その問いに悠斗は『あぁ、だったら・・・何?』と、
鋭い眼差しを向けたまま返答すると、
男は豪華で分厚い金色のロングソードを鞘から引き抜きながら言った。
「・・・レグルス様に盾突くヤツは、
この俺が・・・。
勇者『リヴォルト』がぶち殺してやるよ」
剣を構える勇者に悠斗は黒鞘の刀を引き抜きながら言った。
「・・・殺れるのなら・・・ね?」
そう言い返した時、
リヴォルトは悠斗を見つめていた・・・。
(・・・鑑定ってところかな?)
そう思いながらも勇者の出方を伺っていた時、
リヴォルトは『へぇ~』と悠斗を見つめながら言った。
「・・・お前、一体何者なんだ?」
「・・・?」
リヴォルトの質問に悠斗が首を傾げると、
リヴォルトは小さく頷きながら口を開いた。
「・・・まさか、お前も・・・勇者か?」
『えっ?』と思わずそう言った悠斗にリヴォルトは首を傾げた。
「・・・ん?お前は勇者じゃないのか?」
「・・・あぁ、ただの人族だけど?」
そう返した悠斗にリヴォルトは『ん?』と不審そうな表情を浮べた。
「・・・俺の鑑定には何も表示されないから、
俺と同じ勇者かと思ってな?」
その話に悠斗は『へぇ~』と声を挙げると、
『フっ』と笑みを浮べた。
(てっきりレグルスってヤツの恩恵を受けているから、
俺のステータスを確認しての発言だと思っていたんだけど~。
もしかして・・・ラウルの方が創造神としては・・・上なのか?)
悠斗はそう思いながら脳内の中で、
ラウルがドヤ顔をしながらサムズアップしている姿を想像した。
そう思った悠斗の口元が再び緩み、
笑みを浮べた瞬間、リヴォルトは苛立ちを見せながら言った。
「・・・笑ってんじゃねーよ?
余裕な態度を見せるのもここまでだ」
「・・・・・」
「・・・って言うかお前?
もしかして・・・神の使途ってヤツか?」
リヴォルトの質問に悠斗は首を傾げ、
『どう言う意味?』と返答すると、リヴォルトは答えた。
「・・・神の使途ってのはな~?
勇者よりも1つ上のランクで、創造神様の片腕って身分なんだよ」
リヴォルトの話に再び悠斗は『へぇ~』と声を挙げた。
(・・・ってか、俺達の知る常識と、
この星の常識は違うのか?
神の使途って勇者じゃないのか?
神に選ばれた者が・・・勇者なんだよね?
んー・・・謎だな~)
眼前に立つリヴォルトを見据えながらも、
悠斗がそう考えていた時、
リヴォルトは『まぁ~それはどうでもいいか?』と口を開いた。
(・・・どうでもいいんだ?)
リヴォルトの反応に悠斗がそう考えた時だった・・・。
突然リヴォルトが剣を持つ手に力を加えると、
その刀身が白い光を纏った。
その様子に悠斗もまた刀を握り締める手を強くした時、
リヴォルトは『行くぞぉぉぉっ!』と声を張り上げながら突っ込んで来た。
「うおぉぉぉぉぉぉぉっ!
お前のような小僧はこの俺がたたっ斬ってやるっ!」
そう声を張り上げながら突っこんで来る勇者に、
構える事すらしていない悠斗は『フっ』と笑みを浮べた。
『ビュオンっ!』
『ドシャっ!』
『っ!?』
リヴォルドが叩きつけるように降り下ろされたその一撃は、
身体を捻り半身で躱すと地面に叩きつけられた・・・。
一撃が交わされた事に驚いたリヴォルトは鋭い眼差しを向けながら言った。
「へぇ~・・・少しはやるようじゃないか?」
ありふれた言葉を言い放ったリヴォルトに、
悠斗は『いやいやいや』と苦々しい表情を浮べた・・・。
それからすぐに『次行くぞぉぉぉっ!』と声を荒げながら襲い掛かり、
全ての攻撃を躱し距離を取ったリヴォルトは言った。
「避けるだけかよ?」
そのありふれた言葉を再び聞く羽目になった悠斗が『はぁ~』と、
深く溜息を吐いた時だった・・・。
リヴォルトはそんな悠斗に向けて口を開いた。
「・・・何てな~?」
「・・・ん?」
「・・・やっぱりお前・・・そこそこ出来るヤツだな?」
リヴォルトの発言に悠斗は『えっ?何が?』と戸惑っていると、
『なら力を一段階上げて』と言うその言葉に悠斗は険しい表情を浮かべた。
『はぁぁっ!』と・・・。
リヴォルトが静かな気合いを込めた瞬間・・・。
白く光っていた剣の刀身が一段階上がり、
その光の強さが増した・・・。
悠斗はその光りの前に咄嗟にバックステップをし、
リヴォルトから距離を取ると初めて構えを取った。
悠斗の反応を見たリヴォルトはその様子を見ると笑みを浮かべ、
『チっ!』と残念そうに舌打ちをした。
「・・・いい反応だな~?」
「・・・ん?」
「あのままそこに居たら、
一瞬にして切り裂いてやったのにな~?」
そう余裕な笑みを浮かべそう言い放ったリヴォルトに、
悠斗は嫌な予感がし重心を落とした瞬間、
リヴォルトは仲間達へと視線を向けながら声を挙げた。
「おーい・・・。
こいつ・・・中々やるようだぞ?
お前ら・・・このガキの相手をしてやれよ?」
リヴォルトの言葉に悠斗は構えを解くと『えっ?』と声を挙げた。
驚く悠斗にリヴォルトは笑みを浮かべながら言った。
「・・・俺と戦うには早いようだな?」
「・・・はぁ?」
「・・・お前よりも少し強いこいつらと戦ってもらうか?」
リヴォルトが笑みを浮かべながらそう言った瞬間・・・。
『ヒュンっ!』と1本の矢が悠斗に向かって放たれた。
悠斗はリヴォルトを見据えたまま、再び首だけを傾げ矢を回避した時、
4人の男達が囲むように悠斗に向かって剣先を向けた。
「・・・上手く回避したところで、
残った部下達が矢でお前を狙ってるぜ?」
リヴォルトが薄く笑みを見せながらそう忠告すると、
悠斗は『フフっ』と口角を上げながら言った。
※ BGM 【神野流・気道 α】
https://www.mureka.ai/ja/song-detail/Qp3y5LjVpg53oRE6pNuq2m?is_from_share=1
「・・・出来るものならね?」
そしてリヴォルトは仲間達に『殺れっ!』と命令すると、
一斉に悠斗に向かって突っこんで来た。
『うおぉぉぉぉっ!異邦人よっ!
このままここで死ねぇぇぇぇっ!』
そう声を張り上げながら突っこんで来る者達に、
悠斗は重心を落としながら『コオォォォっ!』と呼吸音を変えた。
その様子にリヴォルトは険しい表情を浮かべた瞬間、
悠斗は襲い掛かる者達を気配で捉えながら呟いた。
「・・・神野流・気道・抜刀術」
腰を落とし重心を低くした悠斗の頭上に、
男達は一斉に剣を振り上げ、
『キェェェェェっ!』と咆哮しながら触れ下ろした。
その瞬間・・・。
『・・・火鉢』
そう呟いた瞬間、悠斗はその場でくるりと一回転した。
その様子を見ていたリヴォルトは『なっ!?』と驚きの声を挙げていた。
『ドサっ!ドサドサドサっ!』と・・・。
4人が倒れた瞬間、
倒れた男達の上半身と下半身が分断され、
『ブッシャァァァァァっ!』と鮮血が噴水のように吹き上げた。
その様子にリヴォルトや矢を番え、
悠斗を狙っていた者達の動きが止まった。
悠斗は男達の鮮血を浴びながらゆっくりと立ち上がった時、
『カチャっ』と刀の切っ先をリヴォルトに向けながら言った。
「・・・で?
次の相手は・・・誰なんだよ?」
悠斗のドスの利いたその声に、
リヴォルトは怯むどころか笑みを浮かべながら尋ねた。
「・・・お前の名は?」
笑みを浮かべそう尋ねたリヴォルトに、
悠斗は切っ先を向けたまま答えた。
「・・・神野悠斗。
お前達からこの星を救いに来た」
悠斗の言葉にリヴォルトは『ニヤ~』っと、
不気味な笑みを浮かべながら口を開いた。
「・・・ユウトか?
悪くない名だ・・・。
それとな?」
「・・・何?」
「ユウト・・・?
お前・・・いつ、剣を抜いたんだ?」
笑みを浮かべたままそう尋ねて来たリヴォルトに悠斗は答えた。
「・・・見えないお前が悪い」
『っ!?』と・・・。
悠斗の答えにリヴォルトは驚いたが、
すぐに『あぁ~そうかよ』と苛立ちを見せると剣を構えた。
するとリヴォルトは声を張り上げながら駆け出した。
「お前らぁぁぁっ!
しっかりサポートしろよぉぉぉぉっ!」
そんな声に仲間達は弓を引き絞り、
悠斗に隙が生まれるタイミングを見計らう為備えた・・・。
『うおぉぉぉっ!』と向って来るリヴォルトに、
悠斗は納刀する事無く、そのまま駆け出すと、
互いに『ズザザザザァァァっ!』と土煙を上げながら、
剣を振り降ろした・・・。
『ガキンっ!』と互いの刃が衝突し、
この月明かりの下、火花を散らした・・・。
『ガキンっ!キィィーンっ!シュっ!ヒュンっ!』
互いの刃が衝突し合い、躱し弾き火花を散らし、
互いに距離を取った瞬間、
悠斗に向かって放たれた3本の矢に、
悠斗は横に跳び抜きながら攻撃を躱した・・・。
『ザザァァァっ!』と、矢を躱したその瞬間、
その背後で『ザザァァァっ!』と土煙を上げ剣を振り上げた、
リヴォルトが声を発しながら剣を振り降ろした。
『どりゃぁぁぁぁぁっ!』
だが悠斗はその背中にリヴォルトの圧を感じると、
『コォォォォっ!』と呼吸音を変えた瞬間・・・。
『シュっ!』と音を立てて姿を消した。
リヴォルトは『くっそぉぉっ!』と怒声を発しながらも、
その振り下ろされた剣を止められず『ドッシャァァっ!』と、
刃で地面を抉った瞬間・・・。
『・・・遅いよ?』と言う悠斗の声を背後から聞いた。
『くそっぉぉぉっ!』と、悔しげな声を響かせた時、
悠斗が刀で斬りつけようとしたその刹那・・・。
『ヒュンっ!』と再び3本の矢が悠斗を襲い、
刀を振り抜く事無く悠斗は後方に跳躍し着地した。
リヴォルトは『フゥ~』と息を吐き、
額に浮かんだ汗を拭う仕草をしながら言った。
「危ねー危ねー・・・。
油断してしまったぜ」
その口調はとても軽くはあったが、
悠斗には分かっていた・・・。
リヴォルトの額には汗すら浮かんでおらず、
息を吐き安堵を見せた事が演技である事が分かっていた。
そんなリヴォルトに悠斗は構えを解くと、
その切っ先を向けながら言った。
「・・・お前?
遊んでいるのか?」
威圧を放ちながらそう言った悠斗に、
リヴォルトは舌を『ペロっ』と出しながら言った。
「・・・なぁ~んだ。
バレてんのかよ?
お前・・・つまらないヤツだな?」
そう言葉を吐いたリヴォルトに、
悠斗は『・・・さっさと来いよ?』とそう言い返したのだった。
ED 【太陽と月の刻】
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ってな事で・・・。
今回はこんな感じとなりました。
ユウナギが自分の本編に戻る中、
敵の襲来・・・。
そしてその相手は・・・。
寝返ったと聞かされた勇者・レヴォルト。
今後の展開をお楽しみに^^
ってなことで、緋色火花でした。




