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光と闇の狭間で・・・  作者: 緋色火花
第一章・堕天使の暴挙編
14/22

第14話 不安と希望

お疲れ様です、


ってか・・・。


仕事多過ぎて草すら生えん・・・。

何故だ?

どれだけ化付けても次々と・・・ぐぬぬぬぬ。


当然、毎年の事ながら『盆休み』なんちゅーモノは御座いません。

ってか、そんな休み・・・知らんしっ!

年末・・・なにそれ?つて感じだし・・・><


つー感じではありますが、

早く夏が終わりますようにと願う社畜でした。



それでは、第14話をお楽しみ下さい。

OP曲 【光と闇の狭間で】


https://www.mureka.ai/ja/song-detail/HKF9mvomaZAsGaxTBnPD5d?is_from_share=1



~ 深夜・集落のゲート付近 ~


※ BGM 【静かな怒り】


https://www.mureka.ai/ja/song-detail/FoDd1r9nhKW8p44CitAZ76?is_from_share=1



am 2:30


『ザッザッザっ!』と深夜・・・。


集落のゲートへと向かう人影があった。


ゲートとは言っても別に扉がある訳でもない。

100人足らずのこの集落には、そもそも扉が必要でもなかった。


そしてその人影が集落の境界を超えようとした時、

『・・・おい、こら』と背後から声が掛けられ、

その足が『ピタリ』と止まった・・・。


「・・・おい、悠斗?

 てめー・・・。

 こんな時間に一体何処へ行くつもりなんだ?」


そんな声に悠斗は振り返る事無く言った。


「・・・ユウナギさん?

 此処でゆっくりしている場合じゃないよね?

 一刻も早くレグルスを殺さないと・・・。

 じゃないとまた・・・。

 あの子のような幼い命が・・・」


そう静かに口を開いた悠斗の視線は、

真っ直ぐゲートの外へと向けられていた。


そんな悠斗にユウナギは頭を掻きながら『チっ!』と、

苛立った舌打ちをしたのだった・・・。


「あの夫婦と話していた時からこうなるんじゃねーかと思って、

 此処を張っていたんだが・・・。

 こうも予想通りに動くとはな~?」


『へへへっ』と苦笑いを浮かべたユウナギに、

悠斗は『ふぅ~』と溜息混じりの息を吐いた・・・。


「・・・で?ユウナギさん?

 俺を止めに来た・・・って事?」


やや不機嫌そうにそう口を開いた悠斗に、

ユウナギは『当たりめーだろ?』と苛立ちを滲ませた。


「・・・今まで出会った天使達は、

 誰がどう見ても『下級』だろうが?

 ヤツらは『G』並みにうじゃうじゃと居やがるんだぜ?

 てめー1人でどうにかなる訳ねーだろうがよ?」


呆れたような口ぶりでそう言ったユウナギに、

悠斗は間髪入れずに『どうにかするさ』と返した瞬間、

ユウナギの双眼は怒りを滲ませながら返した。


「どうにも出来ねーよっ!」


「出来るさっ!」


「どうやってっ!?」


互いに譲らず何度目かの言葉を続けた時、

悠斗は『グっ!』と拳を握り締めると振り返り、

真っ直ぐとユウナギを見ながら言った。


「・・・俺には鬼の力がある」


そう言いながら悠斗はその双眼を緋色へと変え、

『やれるさ』とそう言い切った・・・。


そんな悠斗に一瞬驚いたユウナギだったが、

すぐに『けっ!』と苛立ちを吐き出すとこう言った・・・。


「・・・その不安定要素の塊の擬体でか?」


ユウナギの言葉に悠斗は『えっ?』と眉を秘めた時、

続け様に説明した・・・。


「・・・微かにだが、その擬体の駆動系から異音が聴こえる」


「・・・い、異音?

 い、いやでも・・・。

 この擬体のステータスやシステムチェックでも、

 そう言ったモノは確認出来ないけど?」


ユウナギの指摘に悠斗はそう反論したが、

頭を横に振りながらユウナギは説明した。


「・・・まず、右肩と右腰・・・。

 それに両膝・・・。

 てめーはどれだけ擬体に負担をかけてんだよ?

 このままじゃ~・・・その擬体はそうはもたないぜ?」


「・・・そ、そんな?

 じゃ~どうして・・・」


ユウナギの具体的な指摘に悠斗がそう呟くと、

『やれやれだな~』と面倒臭そうに言うと、

突然振り返る事も無く眼球だけ背後へと向けたユウナギは声を挙げた。


「・・・なぁ~、オーダーさんよ~?

 ちょいと聞きてーんだが?」


そうユウナギが声を挙げた時、

瓦礫の中からオーダーが『はぁ~』っと溜息を吐きながら姿を現した。


※ BGM【The laboratory of the divine realm】


https://www.mureka.ai/ja/song-detail/2QKLMKmt4gE2vJ6t1t6crP?is_from_share=1



「・・・何を聞きたいのですか?」


ぶっきらぼうにそう返答したオーダーに、

ユウナギは顔を『ヒクヒク』とさせ、苛立ちを抑えながら尋ねた。


「・・・こ、こいつの擬体ってよ?

 自己修復機能とかはあんのかよ?」


ユウナギの問いにオーダーは『あぁ~』と声を挙げると、

『えぇ、勿論ありますよ?』と素っ気なく言った。


オーダーの話にユウナギは悠斗を睨みつけながら口を開いた。


「・・・つー事だ。

 まだ今の状態なら修復出来るだろうが、

 このまま放置し擬体を酷使した場合・・・。

 修復したくても出来ねー可能性だってあるんだぜ?

 自己修復とは言っても『万能』って訳じゃねー。

 いくら神が創ったとは言え、

 物事には『限界』ってのが必ずあるからな?

 そこを見誤ると・・・。

 もう取り返しがつかねーんだぜ?」


ユウナギの説明に悠斗はやや視線を下げ、

再び拳を握り締めた時、

肩から『スゥ~』と力が抜けた・・・。


「・・・わかった」


言葉短くそう返答し承諾した悠斗は、

先程いた場所へと戻る為、歩みを進めた・・・。


先に歩き始めた悠斗の背中を見たユウナギは、

心の中で『ふぅ~』と・・・。

安堵の息を零しながらオーダーへと視線を向けた。


そして意味有りげに『ニヤニヤ』としていると、

その視線に気づいたオーダーが訝し気な視線を向けた。


「・・・何ですか?

 気持ち悪いんで『ニヤニヤ』するのをやめてもらっていい?」


顔をやや引き攣らせながらそういったオーダーに、

ユウナギは『誰が気持悪いってっ!?あぁ~ん?』と、

まるでヤンキーのように返すと、

オーダーは『離れてもらえます?』と、心から嫌そうにそう言った。・


ユウナギは『て、てんめぇー?』と、

身体を怒りで震わせながら『ったく』と言葉を吐き捨てると、

先を歩く悠斗に向かって『待てよーっ!』と声を挙げながら駆け出した。


そして『ガシっ!』と背後から悠斗の首に腕を絡め、

肩を組むような態勢となった時、

悠斗はそっぽ向きながら『ごめん』と謝罪を口にし、

頬を『ポリポリ』と搔いたのだった・・・。


『おうっ!』と無邪気な笑みでそう言ったユウナギに、

悠斗は『擬体の異音の事、よくわかったね?』と尋ねると、

ユウナギは一瞬、驚きつつもすぐに笑みを浮べこう言った。


「・・・研究者で在り発明家でも在るが、

 基本俺は天才『エンジニア』だ。

 そのエンジニア様の耳を誤魔化せねーんだよ?

 『戦闘バカ』のてめーとは出来が違げーんだよ?」


「・・・だ、誰が戦闘バカだってっ!?」


「てめーだよ・・・てめー・・・。

 他に誰が居るっつーんだよ?

 ってかよ~?

 そんじょそこらの『脳筋バカ』よりてめーはたちが悪いんだよ?

 てめーの擬体が『オシャカ』になっちまった時、

 俺達は自動的に『詰む』んだぜ?

 てめーはそれがわかってんのかよ?」


「・・・・・」


ユウナギの話に何も言えなくなった悠斗に、

『へっへっへっ♪』としてやったりと笑みを浮べていた時、

その様子を見ていたオーダーは微かにその頬を緩めていた・・・。


そんな時だった・・・。


突然何者かからの念話がオーダーに送られて来た。

そして、その内容をほ聴いたオーダーは、

あからさまに不機嫌な表情へと変え、

呟くようにこう言った・・・。


「・・・受けて立ってやろうじゃない」


そう言ったオーダーは先を進む悠斗とユウナギを追ったのだった。



元居た場所に戻った悠斗達はそのまま眠りに着いたのだが、

その2時間後・・・。


時間では早朝午前5時過ぎ・・・。


何かを感じ身体を起こしたのは悠斗だった・・・。


※ BGM 【夜明けの不穏】


https://www.mureka.ai/ja/song-detail/RAL9KEUMmybeHdCX35Tk9B?is_from_share=1



すると焚火がある場所でコーヒーを飲んでいたオーダーが、

『あら?』と声を挙げた。


悠斗は『んんーっ!』と、大きく背伸びをしながら立ち上がると、

オーダーが居る焚火がある場所まで移動し腰を下ろした。


『パチパチパチっ!』と・・・。


焚火が弾け音を奏でる中、

オーダーは悠斗にコーヒーを差し出しながら言った。


「・・・おはようございます。悠斗君」


「・・・お、おはよう」


首を傾げながら挨拶を返す悠斗に、

オーダーは『フっ』と笑いながら言った。


「・・・でも、流石ね?」


「・・・流石って、何が?」


オーダーが手渡したコーヒーを『ズズっ』と飲みながら、

悠斗がそう返すと、オーダーは不思議そうに言った。


「・・・何かに気付いて起き上がったのではなくて?」


その問いに悠斗は『あぁ~』と返すと、

コーヒーを口に運びながらさらっとこう言った。


「・・・敵が来るんだろ?」


「・・・っ。

 そ、そうね・・・」


「・・・そんな気がしたんだよね」


そうあっさりと言ってのけた悠斗に、

オーダーは不思議がりながら尋ねた。


「・・・そんな気がって・・・?

 気配察知やマップに表示されたから・・・ではなくて?」


そう尋ねられた悠斗は、すぐに脳内マツプを確認したが、

そこには何も映し出されていなかった。


「・・・いや、スキルでだと『オールクリア』みたいだけど?」


「じ、じゃ~・・・何故?」


悠斗が目覚めたのは『スキル』によるものだと思っていたオーダーに、

『あはは』っと笑みを浮べた悠斗は言った。


「・・・昨日、念話か何かでメッセージでも入ったんじゃないの?」


「っ!?

 き、気付いて・・・いたの?」


『コクリ』と頷き答えた悠斗にオーダーは、

少し面倒臭がりながらも説明した。


「恐らく後30分後・・・くらいかしらね?

 敵が攻めて来るわ」


「・・・・・」


「・・・悠斗君?聴こえてる?」


悠斗の目の前で手を『ササっ』と動かしそう尋ねた時、

『はぁぁ~』っと深く溜息を吐いた悠斗は言った。


「・・・そう言う事はちゃんと言ってほしいんだけど?」


ジト目を向けながらそう言った悠斗に、

オーダーは悪びれもせず『あら、そうなの?』と言い切った。


『全くさ~・・・』と、呆れた様子を見せた悠斗は、

背中を悠斗達に向けながら眠っているユウナギを見ると、

立ち上がりながら言った。


※ 挿入歌 【不死鳥の扉 II】


https://www.mureka.ai/ja/song-detail/26UG45miyHRBRxaT6DP5LF?is_from_share=1



「じゃ~そろそろ行って来るよ」


「・・・ん?何処へ?」


不思議そうにそう返したオーダーに、

悠斗は『あんたは・・・』と呆れながら言った。


「・・・敵を蹴散らし・・・に?」


悠斗の返答にオーダーは『パチパチ』と、

何度か無表情で瞬きすると『えっ?』と声を挙げた。


「ひ、1人・・・で?」


『ジャリっ』と踏み出した悠斗は振り返ると、

『ダメなの?』と驚いた表情を見せた・・・。


「いやいやいやっ!?

 ゆ、悠斗・・・君?」


「・・・何?」


「・・・た、たった1人で?」


オーダーの問いに悠斗は首を傾げながら、

『コクリ』と頷くと、オーダーもまた立ち上がりながら口を開いた。


「・・・よ、夜中にゲートの所で、

 彼に怒られたのを忘れちゃったの?」


一瞬ユウナギの方を『チラっ』と見ながら言ったオーダーに、

悠斗は頭を横に振りながら答えた。


「・・・いや、勿論忘れてないよ?」


「じゃ、じゃ~何で?」


1人で敵と戦うと平然と言った悠斗に、

オーダーは驚きながらもそう尋ねると、

悠斗は深く眠っているユウナギへと視線を向けながら言った。


「・・・ゲートから戻って来る時さ?

 って・・・。

 オーダーに念話が丁度入ったタイミングだったんだけど、

 ユウナギさん・・・。

 ちょっとフラついたんだよね」


『えっ?』と、驚きつつユウナギへと視線を向けると、

悠斗は『うん』と言いながら話を続けた。


「・・・俺は擬体だし、さっき色々とチェックしたら、

 オールクリアだったから、

 まぁ~1人でも大丈夫じゃね?って・・・」


あっけらかんとそう言ってのけた悠斗に、

オーダーは額を押さえながら『あ、あんたね~?』と、

その発想に頭を悩ませた・・・。


「・・・俺は擬体だから例え壊れたとしても命に別状はないし、

 いざとなったとしても、俺はある程度なら戦える。

 まぁ~その場合・・・。

 色々と制限はつくんだけどさ・・・。

 でも、戦えない訳じゃないし魔力もフルであるからね?

 それにさ・・・。

 こんな所で俺・・・倒れる訳にはいかないんだ」


「ゆ、悠斗・・・君?」


何を思い詰めたのか・・・。

それも何かを思い出しのか・・・。


悠斗は哀しげな笑顔を呟くように言った。


「・・・穂高との約束を守らないとさ」


そう話した悠斗は哀しげに・・・。

そしてどこか儚げにそう言ったのだった・・・。


悠斗は顔を上げ笑顔を向けながら『じゃ~そう言う事で~♪』と、

何事も無かったかのよう明るく言い、歩み始めたのだった・・・。


「ちょ、ちょっとっ!?悠斗君っ!?」


悠斗の行動に苦悩しつつもそう声を挙げると、

悠斗は歩みを進めながら『何?』と返した。


オーダーはそんな悠斗に呆れ『全くっ!』と、

むしろ苛立った声を挙げながら言った。


「・・・わっ、私もっ!私も一緒に行くからっ!?」


オーダーが慌てながら駆け出した時、

その足を止めた悠斗は振り返ると驚きの表情を浮べていた。


「な、何よ・・・その顔は?」


「・・・い、いや・・・。

 ただ・・・一緒に戦うんだ~って・・・」


『わっ、悪いっ!?』と・・・。


顔を赤く染めながらそう答えたオーダーに、

悠斗は満面の笑みを浮べ『問題なしっ!』と、

親指を立て『サムズアップ』して見せた・・・。


そして2人がその場から姿を消した後・・・。


『ガソゴソっ』と身体を起こしたのはユウナギだった・・・。


そして頭を『ボリボリ』と掻き、

面倒臭そうに口を開いた。


「・・・ったくよ~?

 全部聴こえてるっつーんだよっ!?

 あれだけでかい声で話してんだぜ?

 気付かない方がどうかしてるって話でよ~?」


ユウナギはそうボヤきながら立ち上がると、

『あのバカヤロウ共、俺だけのけ者かよ?』とボヤきつつ、

『けっ!』と苛立ちを吐き出すと駆け出したのだった。


『あいつら・・・。

 俺様の分をちゃんと残しておけよな~?

 もし、残してなかったら・・・シメちゃるっ!

 クックックっ!』


こうして天使達による『予告襲撃』が始まったが、

それは長くはかからなかった。


総勢100名の天使達を前に、

ユウナギ達は僅か30分という時間で全て倒したからだった。



~ 戦闘終了後 ~


※ BGM 【discussion meeting】


https://www.mureka.ai/ja/song-detail/AigjLSMSbPrq4GHXS3c9Ga?is_from_share=1



『パンパンっ!』と手に着いた汚れを払うかのようにした後、

ユウナギは周囲を見渡しながら言った。


「・・・ったくよ~?

 天使達ってのはどれだけ湧いてくんだよ?」


そう言いながらオーダーへと視線を向けた時、

肩を竦めながら返答した。


「・・・この星の規模から言って、

 天使達だけでも数千は居るんじゃないかしら?」


「す、数千だぁ~っ!?

 ま、まじかよっ!?」


『コクリ』と無表情で肯定したオーダーに、

ユウナギは顔を引き攣らせ怒りの咆哮を挙げた。


『だぁぁぁぁぁぁぁっ!

 めっ・・・面倒臭せぇぇぇぇぇぇぇぇっ!?

 あんな『G』みたいな連中だけでも数千だぁぁぁ~?

 こ、この星に・・・『核』ってねーのかよっ!?』


面倒臭がり全開となつたユウナギに、

『ポン』と肩に手を置いた悠斗が笑みを浮べながら言った。


「・・・ユウナギさん?

 それ・・・コンプラ的に『アウト』だからね?」


そう言った瞬間・・・。


ユウナギの肩に乗せられた悠斗の手に、

『ググっ!』と力が入った瞬間『痛てぇぇぇぇっ!』と悲痛な声を挙げ、

慌てて悠斗から離れたユウナギは、

悠斗に掴まれた肩を触りながら声を張り上げた。


「て、てめーっ!こらっ!悠斗っ!?

 痛いにもほどってもんがあんだろうがよっ!?

 てめーはゴリラかよっ!?」


激痛に顔を歪めつつそう言った瞬間、

オーダーが『ゴリっ!?』とツボに入ったようで、

腹を抱え苦悶の表情を浮べていた・・・。


そんなオーダーにユウナギは顔を引き攣らながら呟いた。


「い、いや・・・オ、オーダーさんよ~?

 何もてめーを笑わせる為に言ったんじゃねーよ?」


そう呆れながら言ったユウナギは、

また違う意味で悠斗を見て呆れていた。


「・・・ウホっ♪ウホウホっ♪」


『・・・・・』


『ウホッ♪ウホホのホ~♪』


ユウナギの眼前では、悠斗が『ゴリラのモノマネ』をやっており、

とても楽しそうな゜その姿を見たユウナギは、

『スン』と・・・素に戻ると言った。


「・・・じゃ~撤収っつー事で、

 お先~」


完全にスルーされる形となった悠斗は、

未だに腹を抱え『爆笑の渦』から戻れないオーダーを残し、

悠斗は『待ってよっ!』と声を挙げながらユウナギの後を追ったのだった。



~ 夕方・集落の中央広場 ~


『パチパチっ!』と燃える焚火の前で、

悠斗達は夕食を取っていた・・・。


ユウナギ達は周囲で楽しげに食事を取る者達を見て、

『一時はどうなるかと思ったぜ?』と安堵の息を零していた。



~ 30分前 ~


※ BGM【灯す希望】


https://www.mureka.ai/ja/song-detail/XXAfTCJJiqPXPPA1pSsssr?is_from_share=1



集落は壊滅寸前である為、

当然食料などもほぼ無い状態だった・・・。


集落の人々が食糧事情や今後の事を考えていた時、

ユウナギがみんなに提案した。


『資材なら・・・腐るほどあるぜ♪』


そう言いながらユウナギはマジックボックスを開き、

その中から木材や鉄鉱石などの資材を取り出し積み上げて行った。


そんな様子を見たオーダーは呆れたように言った。


「よ、よくそんなに資材がマジックボックスに?」


呆れながらそう言ったオーダーに、

ユウナギは『へっへっへっ♪』と笑いながら、

鼻の下を擦っていた。


だが、その様子を見た集落の人達はあまりいい反応は見せなかった。


そんな者達にユウナギが『どうした?』と尋ねると、

集落の人達は顔を見合せながら言った。


「・・・資材があっても食料が」


悲痛な表情で言った者達を見たユウナギも、

深刻そうに『確かにな?』と声を挙げた時、

悠斗が『あの~』っと軽く手を挙げながらユウナギの横に並んだ。


「・・・食事ならあるけど?」


『えっ?』と、皆が互いに顔を見合せ、

『この子は何を言っているんだ?』と、

可愛そうな子へと向ける視線に悠斗は『い、いや・・・』と、

困り顔をしつつも口を開いた。


「・・・俺のマジックボックスには、

 大量に食事があるからさ?

 だからそんな心配は・・・」


悠斗がみんなにそう説明した時だった・・・。


ユウナギが『どう言うこったよ?』と尋ねると、

悠斗は説明した。


「・・・以前からミスティに食事に困らないようにって、

 た、大量の食事が・・・。

 それも全て・・・調理済みなんだけど・・・」


「ま、まじか?」


「う、うん・・・」


「ミ、ミスティって言えば・・・。

 あの巨乳のナイスバディーのイカした女神の?」


「そ、そう・・・だけど?」


食い気味にそう言ったユウナギに、

悠斗は若干引き気味となっていたが、

そんな事等どうでも良かったユウナギは続けた。


「・・・んー。

 あぁ~言う女神様なら、

 俺がこんなにひねくれる事もなかったんだろうな~♪」


空を見上げミスティの優し笑顔を思い出しつつも、

そこはユウナギである・・・。


顔・・・ではなく、

その巨大な胸が『ぼよよ~ん♪』と弾むその光景に、

ユウナギは頬を赤く染めていた・・・。


悠斗はユウナギの隣で首を傾げる中、

オーダーはその不埒なユウナギの考えが透けるように分かると、

『このクズが・・・』と呟いた。


するとユウナギは『はぁぁ~?て、てめー・・・』と言いながら、

何気にふと視線を落とした時・・・。


ユウナギはオーダーの肩に『ポン』と優しく手を乗せると言った。


「・・・その内、いい事あるって♪

 だから・・・諦めないで♪」


『ポンポン』と二度ほど・・・。

オーダーの肩を軽く叩いた後、ユウナギは定位置へと戻ると、

ユウナギの言葉のも意味を理解したオーダーが-怒声を挙げた。


「ユ、ユユユユ・・・ユウナギィィィっ!?

 あ、あんた・・・ど、どどどどと・・・何処をみって、見て・・・。

 わっ、私を哀れんだぁぁぁぁっ!?」


「だぁぁぁぁっ!

 うっせーんだよっ!

 このクソ女神がぁぁぁぁぁっ!?」


と・・・。

不毛な口論が続く中・・・。


何もなかったかのように悠斗はみんなに向かって声を挙げた。


「・・・ここに居る全員に食事を配ったとしても、

 余裕で半年以上、食べる困らないからっ!

 ってか・・・。

 新たに渡されたマジックポーチの中にも大量に入ってるから、

 本当に、食い物だけは困らないんだよね・・・。

 あははは・・・」


そう声を挙げたが、集落の人々はまだ半信半疑なようで、

その反応の悪さに悠斗は『ならば』と声を挙げた。


「みんなはマジックボックスを持っているんだよね?」


その問いに皆が無言ながらも頷いて見せると、

悠斗はみんなに指示を出した。


『じゃ~一列に並んで~』っと・・・。


そう炒った悠斗の前には長蛇の列が並んだ。


悠斗は『とりあえず一週間分』と言いながら、

1人に対し3食分を提供していき、

それが皆に行き渡ると楽しげに声を挙げた。


「じゃ~みんなで食べよう♪」


悠斗の声に『おぉぉぉっ!』と拳を突きあげ、

それぞれが食事を楽しげに取る中、

ユウナギは集落の人達を見つめながら言った。


「・・・ミスティってすげーな?」


そう言いつつオーダーにジト目を向ける中、

悠斗は言った。


「・・・早くレグルスを何とかしなくちゃね」


その言葉を聞いたユウナギとオーダーは、

再び口論となりそうなところを『グっ!』と堪え、

『コクリ』と頷き、食事を取り終えたのだった・・・。



そして夜・・・。


悠斗とユウナギ・・・。

それとオーダーは集落の様子を見る為回っていた。


そして集落の中央付近に戻って来た時だった・・・。


微かな音が『ガガガっ』と・・・。

そんな奇妙な音がユウナギの耳を触った。



ユウナギは『ん?』と呟きながら足を止めると、

その視線を悠斗へと向けながら尋ねた。


「悠斗・・・。

 ちょい擬体チェックを此処でしろよ」


「えっ?ここで?

 い、今っ!?」


驚く悠斗にユウナギは真剣な眼差しを向けていると、

『わかった』と返答した悠斗は、

擬体の『ステータス』をチェックした後、

『メンテナンス・チェック・モード』を起動した。


『ウィィィン』と・・・。


微かな音を立て数分が経過した時、

チェックを終えた悠斗はユウナギに報告した。


「オール・クリアだけど?」


その声にユウナギは『んんーん』と、

訝し気な表情を浮べると言った。


「・・・やっぱその擬体、どこか損傷しているか、

 また不具合があるみてーだな?」


そう言うと悠斗は『えっ?』と驚き、

ユウナギは『コクリ』と頷く中、

オーダーへと視線を向けると尋ねた。


「・・・どう思う?」


ユウナギの問いの意味を理解したオーダーは、

『そうね』と頷きながら口を開いた。


「・・・新素材や新要素やらと、

 色々と試したいわば『プロトタイプ』のような代物だから、

 チェックでも拾えない不具合があったとしても不思議じゃないわね?」


オーダーの見解にユウナギは『だよな~?』と、同意すると、

悠斗に向き直りながらこう言った。


『明日1日・・・。

 此処に留まり擬体の様子を見るしかねーな?』


そう言ったユウナギにオーダーもまた『そうね』と同意すると、

悠斗は渋々ながら『わ、分かったよ』と承諾したのだった。


それから暫くの間・・・。


今後の予定を話し合う中、

突然ユウナギが『あっ』と声を挙げると、

2人少し申し訳なさそうに言った。


「一度俺は戻っていいか?」


『・・・戻る?』


「あ、あぁ・・・。

 ちょい仲間の事が気になるっつーか?」


そう言った時、悠斗は『ニヤっ』と意味有りげに尋ねた。


「・・・ミラーズさんに会いたくなった・・・とか?♪」


『ニヤニヤ』と笑みを浮べる悠斗に、

ユウナギは『て、てめー・・・』と顔の前で拳を握って見せた。


するとオーダーが不思議そうにユウナギに尋ねた。


「も、戻るって・・・ユウナギ?

 あんた、一体どうやつて戻るつもりなのよ?

 わ、私は・・・い、嫌よっ!?

 パシらされるのなんてごめんだわっ!」


そんなオーダーにユウナギは渋い顔をしながら言った。


「別にてめーになんざ~頼まねーよ?」


「じ、じゃ~一体どうやって?」


不思議そうにそう尋ねると、ユウナギは『ニヤっ』とすると、

マジックボックスの中から『黒い魔石』を取り出しながら答えた。


「卑弥呼に・・・コホン。

 師匠にもらった『限定解除』された『時空洞』だ。

 これなら戻れるんだ」


悠斗はまだ『限定解除』されていない為、

戻る事は出来なかった。


『いいな~』と言いつつも悠斗はユウナギに言った。


「・・・どうせ俺は擬体の調子を見ないといけないからさ、

 だから一度戻って来なよ?」


悠斗が笑みを浮べそう言うと、

ユウナギは『さんきゅ~♪』と返し、

翌朝にユウナギは自分の星へと戻って行ったのだった・・・。


ユウナギを見送った悠斗は『さてっと』と何を思着いたのか、

楽しげな声を挙げると、

不思議そうに悠斗を見つめるオーダーに言った。


「・・・みんなを手伝おうよ♪」


「・・・え、えっ!?

 めっ、女神である・・・わ、私がっ!?」


そう声を挙げるオーダーがどう拒否をしようかと苦悩した時、

悠斗は『いいから、いいから~♪』とオーダーの手を引き、

作業をする集落の人達の手伝いをしに向かうのだった・・・。



ED曲 【太陽と月の刻】


https://www.mureka.ai/ja/song-detail/XuDv1BqTrmVrk7AP7cXziZ?is_from_share=1



ってな事で・・・。


今回のお話は楽しんでもらえたでしょうか?


今回やっと・・・。

ミスティの食事(大量在庫)が役に立ちましたw


今後の展開を楽しんでもらえたらと・・・。



ってなことで、緋色火花でした。

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