表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
レベル1の『〇〇』 〜あなたが選ぶ転生物語〜  作者: 矢部夏 泡太
ミスト村編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

9/42

第9話 『勝てるようになれ』

前回の投票結果です!


① 再戦する


② 逃げる


投票の結果は0でした・・

投稿テンポが早いから感想入れずらいか。

でもここはテンポよくいきたい!

ということで


【① 再戦する】ということにします。


一週間の修行を終えたユーマ。


目の前には、かつて何もできずに敗れたゴブリン。


果たして今のユーマは――。


それでは第9話をお楽しみください。

ゴブリンはこちらを見ていた。


俺もゴブリンを見る。


一週間前なら。


迷わず逃げていた。


いや。


逃げることすらできなかったかもしれない。


でも今は違う。


少しだけ。


本当に少しだけ。


強くなった。


俺は竹刀を握る。


ガルドは何も言わない。


腕を組んで見ているだけだ。


試されている。


そんな気がした。


「やる。」


俺は呟いた。


そして走り出す。


ゴブリンが叫ぶ。


棍棒を振り上げる。


俺は飛び込んだ。


ガルドとの修行を思い出す。


遅い。


何度も言われた。


だから。


今までより速く。


今までより低く。


竹刀を振る。


パシッ!


初めて当たった。


ゴブリンがよろける。


「当たった!」


思わず叫んだ。


嬉しかった。


本当に嬉しかった。


一週間の修行は無駄じゃなかった。


そう思った。


だが。


次の瞬間だった。


ゴブリンの目が変わる。


怒っている。


明らかに怒っている。


「やば。」


ゴブリンが突っ込んでくる。


速い。


思ったよりずっと速い。


棍棒が振り下ろされる。


避けた。


でも。


二撃目。


三撃目。


四撃目。


速い。


追いつかない。


ドゴッ!


腹に入った。


息が止まる。


「がっ!」


吹き飛ばされる。


地面を転がる。


竹刀が手から離れた。


痛い。


苦しい。


立てない。


ゴブリンが近付いてくる。


棍棒を振り上げる。


終わる。


そう思った。


「馬鹿か。」


声が聞こえた。


次の瞬間。


ゴブリンの体が吹き飛んだ。


十メートル以上。


木に激突する。


そして動かなくなった。


ガルドだった。


相変わらず枝を持っている。


相変わらず意味が分からない。


「大丈夫か。」


「全然大丈夫じゃない。」


「そうか。」


「そうかじゃねぇ。」


ガルドはため息をついた。


「なんで負けたか分かるか?」


「弱いからだろ。」


「違う。」


「え?」


「弱いのは当たり前だ。」


ガルドは俺の額を軽く小突いた。


「お前。」


「?」


「勝てると思ってただろ。」


俺は黙った。


図星だった。


修行した。


レベルも上がった。


だから。


少しくらいは勝てると思っていた。


ガルドは言う。


「勝てると思うな。」


「……。」


「勝てるようになれ。」


その言葉は重かった。


妙に胸に刺さった。


ガルドは枝を肩に担ぐ。


「焦るな。」


「うん。」


「一週間で英雄になれるなら苦労せん。」


「それもそうか。」


俺は立ち上がる。


悔しかった。


でも。


前とは違う。


今度は何もできなかったわけじゃない。


一発だけ。


本当に一発だけだけど。


当てることはできた。


「じゃあどうやって強くなるんだよ。」


俺は聞いた。


ガルドは首を傾げた。


「言ってなかったか?」


「何を?」


「魔法だ。」


俺は固まった。


「え?」


「魔法だ。」


「魔法!?」


異世界だ。


そうだ。


異世界なんだ。


今までレベルとか剣とかで忘れていた。


一番大事なものを。


「使えるのか!?」


「使える。」


「俺も!?」


「使える。」


「マジか!!」


思わず飛び上がった。


テンションが上がる。


めちゃくちゃ上がる。


やっと来た。


異世界と言えば魔法だ。


「ただし。」


ガルドが言う。


「得意不得意はある。」


「適性みたいな?」


「そんなもんだ。」


ガルドは地面に複雑な模様を描いた。


魔法陣だ。


「その中に立て。」


俺は言われるまま立った。


「手を出せ。」


出した。


「手のひらに『魔』の字を書く。」


書いた。


「念じろ。」


「何を?」


「強くなりたいと。」


俺は目を閉じた。


強くなりたい。


魔王を倒したい。


もっと強くなりたい。


その瞬間だった。


ピリッ。


手のひらに違和感が走る。


そして。


スパッ。


「いてぇぇぇぇ!!」


思わず叫んだ。


手のひらから小さく血が滲んでいる。


「なんだこれ!?」


「風だな。」


ガルドが言った。


「風?」


「お前の得意属性だ。」


俺は手のひらを見る。


傷は浅い。


でも確かに切れている。


「先に言えよ!」


「大した傷じゃない。」


「そういう問題じゃねぇ!」


ガルドは珍しく笑った。


本当に少しだけ。


「おめでとう。」


「え?」


「これでお前の属性が決まった。」


風。


俺の属性。


なんだか少しだけ嬉しかった。


異世界の主人公っぽい。


「で?」


俺は聞く。


「風って何ができるんだ?」


「色々だ。」


「雑だな。」


「明日教える。」


「え?」


「魔法も剣と同じだ。」


ガルドは立ち上がった。


「一日で覚えられるもんじゃねぇ。」


「それはそうか。」


「だから明日だ。」


ガルドは背を向ける。


そして歩きながら言った。


「明日から本当の修行だ。」


「今までは?」


「準備運動。」


「嘘だろ。」


「本当だ。」


全然嬉しくなかった。


ガルドは豪快に笑いながら去っていく。


俺はため息を吐いた。


風属性。


レベル3。


まだまだ弱い。


でも。


確実に前へ進んでいる。


そんな気がした。

第9話を読んでいただきありがとうございました!


ついにユーマの得意属性が判明しました!


その属性は風!


しかしガルド曰く、今までの修行はまだ準備運動。


本当の修行は明日から始まるようです。


次回、ユーマは初めての魔法を習得します!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ