第8話 『心技体』
前回の投票結果です!
① 棍棒
② 枝
③ 竹刀
投票の結果、
投票数0でしたのでランダムで
【③ 竹刀】
に決定しました!
ついに始まる剣術修行!
武器を手にしたユーマは、少しだけ自信を取り戻します。
しかしガルドは、そんな甘い考えを簡単に打ち砕くのでした――。
それでは第8話をお楽しみください。
翌朝。
俺は訓練場に立っていた。
全身が痛い。
昨日の森修行のせいだ。
二度と思い出したくない。
「元気そうだな。」
ガルドが笑う。
「どこがだよ。」
「死んでない。」
「その基準やめろ。」
ガルドは訓練場の隅にある木箱を指差した。
「好きなの選べ。」
中には武器らしきものが入っていた。
棍棒。
木の枝。
竹刀。
どれも大したものには見えない。
「これだな。」
俺は迷わず竹刀を選んだ。
一番まともだったからだ。
「ほう。」
ガルドが頷く。
「じゃあ始めるぞ。」
そう言ってガルドも箱へ向かう。
俺は木刀でも選ぶのかと思った。
しかし。
ガルドが手に取ったのは。
その辺に落ちているような細い枝だった。
「は?」
思わず声が出た。
「なんだ。」
「それ枝だろ。」
「枝だな。」
「ふざけてんのか?」
「別に。」
「俺竹刀だぞ?」
「そうだな。」
「流石に勝てるだろ。」
ガルドはニヤリと笑った。
「やってみろ。」
次の瞬間だった。
パシン!
頭に衝撃が走る。
「いっ!?」
気付けば地面に転がっていた。
何が起きた?
全く見えなかった。
「遅い。」
パシン!
今度は腕。
「痛っ!」
パシン!
足。
「ぐあっ!」
パシン!
背中。
「待て待て待て!!」
十分後。
俺は地面に倒れていた。
ボロボロだった。
竹刀は遠くへ転がっている。
ガルドは汗一つかいていない。
しかも手にはずっと枝。
枝のままだ。
「なんでだよ……。」
俺は息を切らしながら言った。
「武器は俺の方が上だろ……。」
ガルドは鼻で笑った。
「だからなんだ。」
「え?」
「武器だけで勝てるなら誰も苦労せん。」
ガルドは枝を肩に担ぐ。
「覚えとけ。」
「……。」
「強さは武器じゃない。」
そして指を一本立てた。
「心。」
二本目。
「技。」
三本目。
「体。」
「心技体だ。」
俺は聞き返した。
「心技体?」
「ああ。」
ガルドは頷く。
「どれだけ良い武器を持とうが。」
「うん。」
「どれだけ良い防具を着ようが。」
「うん。」
「中身が伴わなければ意味はない。」
確かにそうだった。
俺は竹刀を持っていた。
それでも何もできなかった。
圧倒的だった。
「レベルも同じだ。」
ガルドが続ける。
「高ければ強い。」
「うん。」
「だがレベルだけでは限界が来る。」
「限界?」
「ある程度のレベルになるとな。」
ガルドは俺を見る。
「経験。」
「スキル。」
「武器。」
「全部が必要になる。」
「……。」
「レベルだけ上げても強くはなれん。」
その言葉は妙に納得できた。
ゲームでもそうだ。
レベルだけ高くても装備が弱ければ勝てない。
スキルがなければ勝てない。
結局全部必要になる。
「お前はまだレベル2だ。」
ガルドは言った。
「まずは土台作りからだな。」
そこから地獄が始まった。
朝は走り込み。
昼は素振り。
夕方は滝行。
夜は掃除。
そしてまた素振り。
「なんで掃除なんだよ!」
俺は床を磨きながら叫ぶ。
「心を鍛えるためだ。」
「絶対違うだろ!」
「汚いからだ。」
「やっぱりか!」
滝行も地獄だった。
冷たい。
痛い。
息ができない。
素振りも地獄だった。
百回。
二百回。
三百回。
腕が上がらなくなる。
でも。
不思議と嫌ではなかった。
少しずつ。
本当に少しずつ。
体が変わっていくのが分かったからだ。
⸻
一週間後
⸻
「ふぅ……。」
素振りを終えた俺は汗を拭った。
服は汗でびっしょりだった。
ステータスを開く。
名前:ユーマ・カミサキ
レベル:3
思わず笑った。
たった一つ。
たった一つだけど。
確実に前へ進んでいる。
「調子乗るなよ。」
ガルドが言う。
「まだ雑魚だ。」
「分かってるよ。」
「レベル3になっただけで喜ぶな。」
「少しくらい喜ばせろ。」
その時だった。
ガサガサ。
森の奥で音がした。
俺は反射的に振り向く。
そこにいたのは。
緑色の肌。
小さな体。
汚れた棍棒。
ゴブリンだった。
しかも一匹。
俺の脳裏にあの日の光景が蘇る。
吹き飛ばされたこと。
何もできなかったこと。
アリスに助けられたこと。
悔しかったこと。
全部だ。
ゴブリンはこちらを見ている。
俺もゴブリンを見る。
ガルドは何も言わない。
ただ腕を組んでいるだけだ。
どうする。
今の俺なら。
今の俺なら――。
⸻
【投票】
レベル3になったユーマ。
目の前にはレベル2のゴブリン。
あなたならどうする?
① 再戦する
② 逃げる
第8話を読んでいただきありがとうございます!
ついにユーマはレベル3になりました!
そして目の前には因縁のゴブリン。
ユーマは恐怖を乗り越えられるのでしょうか?
① 再戦する
② 逃げる
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