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レベル1の『〇〇』 〜あなたが選ぶ転生物語〜  作者: 矢部夏 泡太
女と男の街 ローゼンベルク編

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第67話 『男達の作戦』

前回――


喜の番人との戦いに敗れたユーマ達。


リリムは連れ去られ、ユーマ達は男街へ追放されてしまいます。


絶望的な状況の中、男街の住人達と手を組むことを決意したユーマ。


反撃の準備が始まります。


それでは第67話をお楽しみください!

男街。


夕日が沈みかけていた。


薄暗い広場に。


ユーマ達と男街の男達が集まっている。


皆の表情は暗い。


当然だった。


相手は喜の番人。


レベル30。


まともに戦って勝てる相手ではない。


ジャックが口を開く。


「どうするんだ?」


「正面から行く。」


ユーマは即答した。


男達がざわつく。


「正面?」


「無茶だ!」


「死ぬぞ!」


ロキも呆れた顔をした。


「お前、作戦考えるの下手だよな。」


「うるせぇ。」


ユーマは肩をすくめる。


ナディアが前へ出た。


「だが完全な正面突破ではない。」


皆が見る。


「結婚式をすると言っていた。」


「結婚式をするのなら城には女街の住人。」


「城の住人。」


「地下牢の女性達。」


「全員が集められるはずだ。」


ジャックが顔を上げる。


「エマも・・・。」


「恐らく。」


ナディアは頷いた。


ユーマが言う。


「だからお前らの仕事がある。」


男達が顔を見合わせる。


「俺達?」


「そうだ。」


ユーマは指を差した。


「女達を逃がせ。」


静寂。


「城の住人も。」


「女街の奴らも。」


「地下牢の女達も。」


「全員だ。」


「城では戦闘になる。危ねぇ。」


男達は戸惑った。


「でも・・・。」


「俺達弱いし・・・。」


「騎士にも勝てねぇぞ。」


「何もできねぇよ。」


誰かが呟く。


不安が広がる。


だが。


ユーマは怒鳴った。


「うるせぇ!!」


男達がビクリと肩を震わせた。


ユーマは全員を見渡す。


「お前ら男だろうが!!」


広場が静まり返る。


「今まで何してきた!」


「働いて!」


「家族を養って!」


「街を支えてきたんだろ!」


誰も答えない。


だが。


否定もできない。


ユーマは続ける。


「立派じゃねぇか!」


男達の目が揺れる。


「でもな。」


「今回はもっと大事な仕事がある。」


拳を握る。


「妻を守る。」


「娘を守る。」


「大切な人を守る。」


「それが男の仕事だろ!!」


沈黙。


誰も喋らない。


ジャックが拳を握った。


エマの顔が浮かぶ。


男達も同じだった。


妻。


娘。


幼馴染。


姉。


皆。


守りたい相手がいた。


ユーマは笑う。


「今回が一番の働き時だぜ。」


「男の俺達の見せ所だ!!」


男達の顔が変わる。


さっきまでの不安が。


少しずつ消えていく。


ジャックが立ち上がった。


「やる。」


ユーマが頷く。


「おう。」


「エマを助ける。」


「当然だ。」


ロキも笑った。


「面白くなってきたな。」


ナディアも静かに剣へ手を添える。


「今度こそ守る。」


男達も次々に立ち上がった。


誰も逃げなかった。


誰も諦めなかった。


その夜。


男街の空気は変わった。


そして翌朝。


カーン。


カーン。


カーン。


大きな鐘の音が街中に響いた。


城の人間。


女街の住人。


男街の男達。


全員が空を見上げる。


やがて。


聞き慣れた声が響いた。


喜の番人だった。


『皆さん。』


『おはよう。』


街中から歓声が上がる。


『本日正午。』


『私とリリムの結婚式を開催する。』


女達から歓声が上がった。


「きゃー!!」


「おめでとうございます!」


「番人様ー!!」


喜の番人は続ける。


『城の住人達。』


『女街の住民達。』


『是非城へ集まってくれたまえ。』


『盛大に祝ってほしい。』


城では既に準備が進んでいた。


大広間には花が飾られ。


赤い絨毯が敷かれている。


豪華な料理が並び。


女達が慌ただしく動いていた。


その奥。


豪華な部屋。


大きなベッドの上で。


リリムはまだ眠ったままだった。


番人の魔法によって。


深い眠りに落とされている。


喜の番人はその姿を見つめる。


そして優しく微笑んだ。


『男達は。』


声が再び街へ響く。


『この特別な日が汚れないよう。』


『大人しく過ごしてくれたまえ。』


女達が笑う。


男達は黙る。


そして。


男街。


鐘の音が止んだ。


静寂。


ユーマが立ち上がる。


ロキも。


ジャックも。


ナディアも。


男達も。


皆。


同じ目をしていた。


ユーマは笑う。


「正午だ。」


拳を握る。


「作戦開始だ。」

第67話を読んでいただきありがとうございました!


今回は決戦前夜の作戦会議回でした。


特に男街の男達が立ち上がるシーンは、ローゼンベルク編の大きなテーマの一つでもあります。


そしてついに喜の番人とリリムの結婚式当日。


次回からはいよいよ反撃開始です。

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