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レベル1の『〇〇』 〜あなたが選ぶ転生物語〜  作者: 矢部夏 泡太
女と男の街 ローゼンベルク編

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第44話 『ローゼンベルク』

ユーマ達は橋の手前にある小さな村で一夜を過ごし、おばあちゃんから不思議なお守りを受け取ります。


そしてついに――


次なる街【ローゼンベルク】へ到着!


白い城壁に囲まれた美しい街。


しかし、その街にはある大きな秘密が隠されていました。


それでは第44話をお楽しみください!

「でっけぇ・・・。」


ユーマは思わず立ち止まった。


目の前には巨大な白い城壁。


空へ届きそうなほど高い。


中央には巨大な城。


朝日に照らされて輝いていた。


「綺麗ね。」


リリムも見上げる。


ロキは腕を組んだ。


「ローゼンベルクだ。」


三人が歩き出そうとした時だった。


「ねぇねぇねぇ!」


後ろから元気な声が飛んできた。


振り返る。


そこには二人の少女が立っていた。


年齢はリリムと同じくらい。


ふわりとした金色の髪。


大きな瞳。


整った顔立ち。


まるで人形のような可愛らしさだった。


違うのは髪型だけ。


片方はツインテール。


もう片方はサイドテール。


白を基調とした冒険者服に小さなマント。


だが背中には身長ほどもある巨大な武器袋を背負っている。


可愛い。


だが武器袋だけ異常だった。


「私はリンリン!」


ツインテールの少女が元気よく手を挙げる。


「私はランラン!」


サイドテールの少女も続く。


「「よろしくー!」」


息ぴったりだった。


ユーマは思わず呟く。


「なんだこの生き物。」


「失礼!」


「失礼!」


二人同時に抗議する。


リリムが思わず笑った。


「双子?」


「そう!」


「そうだよ!」


「「一卵性!」」


また揃った。


「で、何か用?」


リリムが聞く。


すると。


二人の視線が同時にリリムの銃へ向いた。


固まる。


三秒。


五秒。


そして。


「それどこで手に入れたの!?」


「売って!!」


「え?」


リリムが一歩下がる。


リンリンは目を輝かせていた。


「見たことない!」


ランランも興奮している。


「この構造何!?」


「銃身どうなってるの!?」


「魔導式!?」


「古代式!?」


「分解したい!」


「解析したい!」


リリムはさらに下がる。


「嫌よ!」


「お願い!」


「百万ゴールドでどう!?」


「嫌!」


即答だった。


双子は本気で落ち込んだ。


「そんなぁ・・・。」


「運命の出会いだと思ったのに・・・。」


ユーマは苦笑する。


「お前ら何者なんだ?」


リンリンが胸を張った。


「武器収集家!」


ランランも胸を張る。


「世界中の武器を集めてる!」


「旅人か。」


「そうそう!」


「ちなみに!」


リンリンがローゼンベルクの城を指差した。


「この街のお城には巨大な武器庫があるんだって!」


「伝説級武器もあるらしい!」


「王家の秘宝!」


「古代兵器!」


「失われた名剣!」


二人のテンションが異常だった。


ロキが初めて反応する。


「ほう。」


双子はロキの斧を見る。


「それもいい武器!」


「かなりの業物!」


「触らせて!」


「嫌だ。」


即答だった。


「ケチ。」


「ケチ。」


そして四人は街の入口へ向かう。


そこにはギルドがあった。


受付で通行証を受け取る。


そのまま門へ向かう。


だが。


「待ちなさい。」


女性兵士が手を上げた。


「女性はこちら。」


「男性はあちらの門から。」


ユーマは固まる。


「・・・え?」


兵士は当然のように言った。


「規則です。」


リンリンとランランは顔を見合わせた。


「あー。」


「そうだった。」


「忘れてた。」


ユーマはロキを見る。


「知ってた?」


「言っただろ。」


「女の街だと。」


「そういう意味じゃねぇよ!」


結局。


リリム。


リンリン。


ランラン。


三人は女性側の門へ。


ユーマとロキは別の門へ向かうことになった。


「後で合流な!」


ユーマが叫ぶ。


「はーい!」


「またねー!」


双子が手を振る。


そして門が閉じた。


ゴゴゴゴゴ・・・


ユーマ達が案内された先は。


泥。


汗。


工事現場。


酒場。


男。


男。


男。


男。


男。


「・・・は?」


ユーマは絶句した。


「何だここ。」


ロキは平然としている。


「男街だ。」


「聞いてない。」


近くの男が苦笑した。


「旅人か?」


「ようこそローゼンベルクへ。」


そこから説明を受ける。


外壁。


男街。


内壁。


女街。


中央。


王城。


「男は女街へ勝手に入れない。」


「仕事の時だけだ。」


「勝手に入ったら?」


ユーマが聞く。


男は答えた。


「処刑。」


「は?」


「去年も一人吊られた。」


ユーマは絶句した。


「何じゃこの街。」


「女の街って聞いてたから。」


「もっとこう。」


「うふふ!」


「きゃっ!」


「ユーマさん素敵!うっふん。」


「みたいなやつだと思ってたのに。」


ロキが呆れる。


「馬鹿だな。」


その時だった。


カーン。


カーン。


カーン。


街中に鐘が響いた。


男達が手を止める。


ユーマが辺りを見回した。


「何だ?」


近くの男が城を見上げる。


「始まるぞ。」


「この街の王だ。」


ユーマも振り返る。


城の最上階。


巨大なバルコニー。


そこに一人の男が現れた。


金髪。


白いマント。


整った顔立ち。


絵に描いたような王だった。


その瞬間。


壁の向こうから歓声が響く。


「キャァァァァァ!!」


「王様ぁぁぁ!!」


ユーマは顔をしかめた。


王は両手を広げる。


そして笑った。


「皆さん。」


静寂。


「ごきげんよう。」


歓声。


「この国の王でもあり。」


一呼吸。


「そして。」


王は微笑む。


「喜の番人でもある私から。」


ユーマの眉が動いた。


「ありがたいスピーチをくれてやろう。」


ローゼンベルクの空気が変わった。

第44話を読んでいただきありがとうございました!


ついにローゼンベルク編が本格スタートしました!


そして新キャラクター、


リンリン&ランランが登場!


武器を見ると目の色が変わる、ちょっと変わった双子です。


気に入ってもらえたでしょうか?


そしてローゼンベルクに入った途端に発覚した男女格差。


リリム達が入った美しい街。


ユーマ達が入った男街。


同じ街とは思えないほど違う景色が広がっています。


さらに最後には、この国の王であり喜の番人でもある男が登場。


なかなか癖の強そうな相手ですが、果たしてどんな人物なのでしょうか。


次回はついに――


喜の番人による「ありがたいスピーチ」が始まります。


ユーマは無事に最後まで聞くことができるのか。


それでは次回もお楽しみに!

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