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レベル1の『〇〇』 〜あなたが選ぶ転生物語〜  作者: 矢部夏 泡太
ラグナシア編

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第38話 『哀の翼』

ついに正体を現した哀の番人。


レベル20。


対するユーマはレベル8。


リリムとロキはレベル10。


圧倒的な格上。


それでも。


ここで退くわけにはいかなかった。


前回の投票の結果

②の哀の番人へ突撃する


に決定!(0票なのでランダムで決めました。)


それでは第38話をお楽しみください。

「本体を叩く。」


ロキが前へ出る。


ユーマは慌てた。


「いや待て待て待て!」


「本気か!?」


「レベル20だぞ!?」


ロキは振り返らない。


「だからだ。」


意味が分からない。


ユーマはさらに叫ぶ。


「俺レベル8!」


「お前らレベル10!」


「相手レベル20!」


「無理だろ!!」


リリムが肩をすくめる。


「それは思う。」


「だろ!?」


だが。


ロキは歩みを止めない。


「雑魚に構うな。」


「本体を叩く。」


その瞬間。


ソウルイーター達が一斉に飛び掛かってきた。


「来るぞ!」


ユーマは剣を構える。


風歩。


発動。


だが。


遅い。


「・・・あれ?」


身体が重い。


いつもならもっと速い。


もっと軽い。


ソウルイーターの爪が肩を掠める。


ザシュッ。


「ぐっ!」


ユーマは転がった。


リリムが驚く。


「今避けられたでしょ。」


「俺もそう思った!」


おかしい。


風歩が遅い。


足も重い。


身体が思うように動かない。


哀の番人が微笑んだ。


「気付きましたか。」


その声に全員の視線が向く。


「あなた達も食べたでしょう?」


「私の祝福を。」


ユーマの背筋が凍る。


肉。


ケバブ。


串焼き。


スープ。


ラグナシアで何度も食べた。


まさか。


「お前・・・。」


番人は翼を広げる。


「魂は繋がっています。」


「少しですが。」


「あなた達も私の一部。」


ユーマは足を見る。


ズキリと痛む。


ズボンの隙間。


肌が少し皺になっていた。


腕も。


足も。


老けている。


「嘘だろ・・・。」


リリムも顔をしかめた。


「気持ち悪い。」


番人は笑う。


「悲しみは力になります。」


「苦しみは力になります。」


「魂は私を満たします。」


「狂ってる・・・。」


ユーマが呟いた。


番人は首を傾げる。


「救っているだけですよ。」


話にならない。


その時だった。


リリムがAK-1010を構えた。


「燃やす。」


赤い光が集まる。


熱量が膨れ上がる。


周囲の空気が揺れる。


そして。


「魔炎鳥。」


ドォォォォォォォン!!


巨大な炎の鳥が生まれる。


翼を広げながら番人へ突撃。


教会を真っ赤に染めた。


直撃。


爆発。


轟音。


住民達が悲鳴を上げる。


ユーマも思わず目を覆う。


「入った!」


だが。


煙の中。


番人は立っていた。


無傷ではない。


翼が焼けている。


皮膚も裂けている。


効いている。


確かに。


だが。


番人は両腕を広げた。


次の瞬間。


住民達が苦しみ始める。


「あ・・・。」


「ぐっ・・・!」


「苦しい・・・!」


胸を押さえる。


老人も。


子供も。


全員。


淡い光が住民達の身体から抜ける。


魂だった。


その魂が番人へ流れる。


焼けた翼。


裂けた皮膚。


全て再生する。


リリムが顔を引きつらせた。


「うわ。」


「反則。」


ロキが静かに言う。


「魂を吸っている。」


番人は頷いた。


「その通りです。」


「私は救済しているだけ。」


「少し借りているだけです。」


住民達は苦しみながらも叫ぶ。


「女神様・・・!」


「私の魂を・・・!」


「使ってください・・・!」


完全に狂っていた。


ユーマは歯を食いしばる。


「街全体を食ってるじゃねぇか・・・。」


番人は笑う。


「愛ですよ。」


話にならない。


その時だった。


ロキが前へ出る。


ユーマが叫ぶ。


「おい!」


「まだ行くのか!?」


ロキは短く答えた。


「ああ。」


そして番人を見る。


「能力は分かった。」


「なら終わりだ。」


番人が目を細めた。


初めて。


少しだけ警戒した。


ロキは斧を握る。


バチッ。


雷が走る。


バチバチッ!!


さらに雷。


止まらない。


斧へ集まる。


教会全体が震える。


床が割れる。


窓が砕ける。


リリムが引いた。


「なにあれ。」


ユーマも引いた。


「待て。」


「待て待て待て。」


「俺達レベル違ったっけ?」


リリムが頷く。


「私も思った。」


ロキは聞いていない。


雷はさらに集まる。


やがて。


斧の周囲に巨大な雷の塊が形成される。


まるで。


神の持つ大槌。


番人の顔色が変わった。


「・・・!」


初めてだった。


余裕が消える。


ロキは静かに言う。


「トール。」


振り下ろした。


ドゴォォォォォォォォォォォォォォォン!!!


世界が白く染まる。


雷。


衝撃。


爆発。


教会が吹き飛ぶ。


壁が崩壊する。


柱が砕ける。


天井が落ちる。


ユーマは吹き飛ばされた。


「うおおおおお!?」


リリムも叫ぶ。


「やりすぎ!!」


轟音が止む。


煙が立ち込める。


そして。


番人の身体が教会の壁を突き破り。


街の広場まで吹き飛んだ。


ユーマは呆然とした。


「なんなんだよあいつ・・・。」


レベル10。


自分より二つ上なだけ。


なのに。


別次元だった。


煙の中。


番人が立ち上がる。


翼は裂けていた。


顔も砕けていた。


だが。


生きている。


そして。


笑っていなかった。


初めてだった。


怒っていた。


「痛い。」


番人が呟く。


「痛いですね。」


顔が歪む。


「悲しい。」


翼が広がる。


さらに広がる。


街全体を覆うほどに。


「本当に悲しい。」


その瞬間だった。


ラグナシア中の住民達が一斉に苦しみ始める。


老人。


子供。


商人。


冒険者。


全員。


胸を押さえる。


そして。


魂が抜け始めた。


何百。


何千。


無数の魂。


光の奔流となって空へ舞い上がる。


番人へ集まる。


ユーマは絶句した。


「おい・・・。」


「嘘だろ・・・。」


番人の翼が巨大化する。


身体も膨れ上がる。


目が増える。


角が伸びる。


圧力が変わる。


レベル20。


そんな言葉では足りない。


怪物だった。


ロキですら顔をしかめる。


「まずいな。」


リリムも青ざめる。


「反則でしょ・・・。」


番人は無数の魂を取り込みながら微笑んだ。


今度は本物の化け物の笑みだった。


「さぁ。」


「救済を始めましょう。」


【投票】


① 住民達を救う方法を探す


② このまま哀の番人へ総攻撃


あなたはどうする。

第38話を読んでいただきありがとうございました!


ロキの必殺技「トール」が炸裂!


しかし哀の番人は街中の魂を取り込み、本気モードへ移行しました。


圧倒的な力を前に、ユーマたちはどう戦うのでしょうか?


【投票】


① 住民達を救う方法を探す


② このまま哀の番人へ総攻撃


投票はコメント欄へ!


それでは次回もお楽しみに!

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