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レベル1の『〇〇』 〜あなたが選ぶ転生物語〜  作者: 矢部夏 泡太
ラグナシア編

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第37話 『哀の番人』

死んだ。


だが終わっていない。


ユーマは死と引き換えに女神の正体を知った。


ラグナシアを支配する存在。


番人。


ゲームならここからだ。


ボスの正体が分かった。


なら後は攻略するだけ。


それでは第37話をお楽しみください。

セーブポイントの部屋に戻り

教会を出た。


ユーマは大きく息を吐いた。


まだ胸が痛い。


いや。


胸じゃない。


魂が痛い。


あの感覚は忘れられそうになかった。


「本当に生きてる・・・。」


リリムが呆然と呟いた。


ユーマを見る。


頭から足先まで。


何度見ても生きている。


さっきまで死んでいたとは思えない。


ロキも腕を組む。


「顔色が悪いな。」


「まぁな。」


ユーマは苦笑した。


悪夢を見た後みたいな気分だった。


いや。


悪夢より酷い。


本当に死んだのだから。


リリムが近付いてくる。


「何があったの。」


ユーマは少し黙る。


そして言った。


「女神だった。」


沈黙。


リリムが固まる。


ロキも固まる。


数秒後。


二人同時に言った。


「は?」


ユーマは頷く。


「女神が番人だ。」


「いやいやいや。」


リリムが首を振る。


「意味分かんない。」


「俺も最初そう思った。」


「本当に?」


「本当に。」


ロキが目を細める。


「確証は。」


ユーマは笑った。


「ある。」


そして剣を持ち上げる。


「今から証明する。」


リリムが嫌な顔をする。


「その顔。」


「またろくでもないこと考えてる。」


「正解。」


ユーマは立ち上がった。


「行くぞ。」


再び教会へ向かう。


住民達はまだ祈っていた。


ユーマだけ礼拝堂へ入る。


女神も変わらず微笑んでいる。


まるで何も起きていないかのように。


ユーマを見る。


女神は微笑む。


「どうしましたか?」


昨日と同じ。


いや。


数分前と同じだった。


ユーマは頭を掻く。


「考えたんです。」


「はい。」


「やっぱり導かれたい。」


女神が優しく笑う。


「そうですか。」


「決心がついたのですね。」


「はい。」


全く同じ会話。


全く同じ流れ。


ユーマは心の中で数える。


三。


二。


一。


奥の部屋。


白い壁。


白い花。


甘い香り。


全部同じ。


女神が向かいへ座る。


「怖いですか?」


「少し。」


「大丈夫ですよ。」


同じだ。


全部同じ。


「辛かったでしょう。」


「悲しかったでしょう。」


「苦しかったでしょう。」


そして。


女神の手が伸びる。


胸へ触れる。


その瞬間。


パキッ。


顔が割れた。


笑顔が裂ける。


目が増える。


角が生える。


翼が広がる。


その瞬間だった。


ユーマは叫ぶ。


「待ってたぜ!!」


ザシュッ!!


剣を引き抜く。


そして。


化け物の目へ突き刺した。


グジュッ!!


嫌な感触。


番人の身体が大きく仰け反る。


次の瞬間。


聞いたことのない叫び声が響いた。


「クォヒナゴネロワァァァァァァァァ!!!」


教会全体が揺れる。


窓ガラスが割れる。


住民達が悲鳴を上げる。


「な、何!?」


「今の声!」


「化け物だ!」


教会が大混乱になる。


番人は目を押さえながら暴れていた。


その時。


バンッ!!


扉が吹き飛ぶ。


「今の何!?」


リリムだった。


AK-1010を構えている。


ロキも斧を持って飛び込んできた。


そして。


二人は固まる。


目の前の存在を見て。


言葉を失った。


そこにいたのは。


もう女神ではなかった。


巨大な黒い翼。


無数の目。


裂けた口。


黒い角。


人ではない。


完全な化け物。


リリムが呟く。


「え・・・。」


「なにこいつ・・・。」


ロキは静かに斧を握った。


そして言った。


「これが女神の正体か。」


番人はゆっくり顔を上げる。


潰れた目。


だが。


ズルズルと肉が動く。


グジュグジュと音を立てる。


そして。


目が再生した。


元通りに。


リリムの顔が引きつる。


「うわ・・・。」


「気持ち悪い。」


番人は微笑んだ。


いや。


笑ったように見えた。


「見てしまいましたね。」


静かな声。


だが。


さっきまでの女神とは違う。


人間の声ではない。


何重にも重なったような声だった。


「見てはいけないものを。」


ユーマは剣を構える。


「やっぱりお前だったな。」


番人は微笑む。


「ええ。」


そして。


ゆっくり翼を広げた。


教会の天井を埋め尽くすほど大きい。


住民達が悲鳴を上げる。


その場に座り込む者もいた。


信じていた女神が。


化け物だったのだから。


番人は言う。


「そう。」


「私こそ。」


「この街の番人。」


「哀の番人です。」


空気が凍る。


ユーマ達は剣を構える。


番人は笑った。


「残念です。」


「本当に残念です。」


悲しそうな顔をしている。


だが。


その目には狂気しかなかった。


「これを見られてはおしまいです。」


「あなた達を生きて返すわけにはいきません。」


翼が広がる。


黒い瘴気が溢れる。


そして。


番人は優しく言った。


「若い命。」


「三つ頂きましょう。」


その瞬間だった。


教会の床が割れる。


ゴゴゴゴゴ・・・。


住民達が悲鳴を上げる。


裂け目の奥。


暗闇。


そこから。


何かが這い上がってくる。


一本の腕。


二本。


三本。


次々と。


ズルズル。


ズルズル。


現れた。


ソウルイーター。


一匹。


二匹。


五匹。


十匹。


さらに。


さらに。


二十匹以上。


教会中を埋め尽くす。


リリムが引きつった笑みを浮かべる。


「うわ。」


「めっちゃいる。」


ロキは斧を構える。


目は番人から離さない。


「あの番人、レベル20だ。」


ユーマは剣を握る。


心臓が高鳴る。


怖い。


強い。


勝てる保証なんてない。


だが。


もう逃げない。


ユーマは笑った。


「ようやくボス戦だ。」


リリムも銃を構える。


「燃やす。」


ロキは斧を肩へ担ぐ。


「斬る。」


番人は翼を広げる。


ソウルイーター達が唸る。


そして。


ラグナシア最大の戦いが始まった。



【投票】


① ソウルイーターを先に倒す


② 哀の番人へ突撃する


あなたならどうする??

第37話を読んでいただきありがとうございました!


ついに女神の正体が判明しました。


ラグナシアを支配していた存在――


哀の番人。


そして教会の地下から現れた大量のソウルイーター。


レベル20の番人に対し、


ユーマたちのレベルはまだまだ低い。


正面から戦えば勝てる保証はありません。


ですが。


逃げるという選択肢はもうありません。


ミアのためにも。


ラグナシアの人々のためにも。


ここで決着をつけるしかないのです。


さて。


目の前には大量のソウルイーター。


そしてその奥には哀の番人。


あなたならどう戦いますか?


【投票】


① ソウルイーターを先に倒す


(ユーマ案)

囲まれたら終わり!

まずは雑魚を減らして安全を確保する。


② 哀の番人へ突撃する


(ロキ案)

雑魚は無視。

本体を叩けば全て終わる。


投票はコメント欄へ!


それでは次回もお楽しみに!

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