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レベル1の『〇〇』 〜あなたが選ぶ転生物語〜  作者: 矢部夏 泡太
ラグナシア編

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第31話 『驚きの真実』

ソウルイーターとの戦いを終えたユーマたち。


番人の存在。


導きの正体。


そしてラグナシアに隠された闇。


その一端が見え始めていた。


だが。


まだ全てではない。


それでは第31話をお楽しみください。

森の中。


捕らえたソウルイーターは地面に転がされていた。


縄で縛られている。


逃げられない。


ユーマはしゃがみ込んだ。


「続きだ。」


ソウルイーターは笑う。


相変わらず気味が悪い。


「何が聞きたい。」


「全部だ。」


ユーマは即答した。


「導きってなんだ。」


「なんで人を解体してる。」


「なんで街の奴らは平気なんだ。」


ソウルイーターは嬉しそうだった。


まるで。


褒められた子供みたいに。


「導きとは救済だ。」


「救済?」


「そうだ。」


ソウルイーターは頷く。


「番人様は悲しむ者を救う。」


「苦しむ者を救う。」


「飢える者を救う。」


ユーマは眉をひそめた。


「人を肉にしてか?」


「そうだ。」


当たり前のように答えた。


気持ち悪い。


本当に気持ち悪い。


「導かれた者の肉は特別だ。」


「病を癒す。」


「傷を癒す。」


「身体を強くする。」


「疲れも消える。」


リリムが呟く。


「だから街中で肉を食べてたんだ。」


「そうだ。」


ソウルイーターは笑った。


「皆喜んでいる。」


「皆幸せだ。」


ユーマは拳を握る。


「ふざけるな。」


だが。


ソウルイーターは気にしない。


「やがて欲しくなる。」


「もっと食べたくなる。」


「もっと。」


「もっと。」


声が気持ち悪かった。


セフィが震えている。


「中毒です・・・。」


ユーマは顔を上げた。


「中毒?」


ソウルイーターは頷く。


「導きの肉を食べ続ければ身体はそれを求める。」


「食べれば元気になる。」


「食べれば若返る。」


「食べれば力が湧く。」


「だが。」


そこで初めて。


ソウルイーターは楽しそうに笑った。


「食べなければ老いる。」


ユーマたちは固まる。


「老いる・・・?」


「そうだ。」


「急速にな。」


「数日で。」


「数週間で。」


「数年分。」


ユーマは思い出した。


広場で見た老人。


ミアが言っていた。


『最近急におじいちゃんになった』


あれか。


あれだったのか。


「だから皆食べ続ける。」


「食べなければ死ぬから。」


ソウルイーターは笑う。


「素晴らしい循環だろう?」


誰も答えなかった。


リリムも。


ロキも。


セフィも。


ただ。


気分が悪かった。


ユーマは歯を食いしばる。


「導かれるってなんだ。」


ソウルイーターは目を細めた。


「魂を捧げることだ。」


「番人様へ。」


「魂は――」


ザンッ。


一瞬だった。


ソウルイーターの首が宙を舞う。


地面を転がる。


ユーマは目を見開いた。


「おまっ!!」


「まだ聞いてる途中だろ!!」


ロキだった。


何事もなかったように斧を肩へ担ぐ。


「十分だ。」


「十分じゃねぇよ!」


「まだ大事なところだっただろ!」


ロキは首を横に振る。


「違う。」


短く言った。


そして。


視線を向ける。


そこには。


昼間の女性が横たわっていた。


ハートのブレスレットのおばさん。


眠るような顔。


傷一つない。


まるで。


ただ眠っているだけみたいだった。


ロキは静かに言った。


「それより。」


「先にあいつをどうにかしてやれ。」


ユーマは言葉を失った。


リリムも黙っている。


ロキは不器用だった。


人付き合いも下手だった。


だが。


今。


ロキが何を言いたいのかは分かった。


ユーマは立ち上がる。


「・・・そうだな。」


三人は穴を掘った。


森の中。


静かな場所だった。


ユーマが土を掘る。


リリムも無言で手伝う。


ロキは近くの木を切った。


簡単な墓標を作るためだった。


誰も喋らない。


ただ作業を続ける。


やがて墓が完成した。


ユーマは女性をそっと寝かせる。


そして。


ハートのブレスレットを胸元へ置いた。


娘から貰った大事な物。


一緒の方がいいと思った。


土を被せる。


静かだった。


風だけが吹いている。


リリムが小さく呟いた。


「かわいそう。」


それだけだった。


でも。


十分だった。


埋葬を終えた頃には空が白み始めていた。


三人はラグナシアへ戻る。


街へ続く道。


疲労感だけが残っていた。


しばらく歩いた後。


ユーマが口を開く。


「結局さ。」


「番人が誰か聞きそびれたな。」


リリムも頷く。


「もったいない。」


「だよな。」


せっかく捕まえたのに。


そこで。


ロキが言った。


「問題ない。」


ユーマは振り返る。


「なんで?」


ロキは前を向いたままだった。


「導きを追えばいい。」


「導き?」


「そうだ。」


ロキは答える。


「導きの先に番人がいる。」


「なら。」


「導きを追えば辿り着く。」


ユーマは少し考える。


そして。


笑った。


「なるほど。」


単純だった。


だが。


確かにその通りだった。


番人は必ずどこかで導きに関わっている。


なら。


導きを調べればいい。


答えはその先にある。


朝日が昇る。


ラグナシアの城壁が見えてきた。


優しい街。


平和な街。


だが今は違う。


ユーマたちは知ってしまった。


この街が。


人を喰って生きていることを。

第31話を読んでいただきありがとうございました!


導きの真実が少しずつ明らかになってきました。


次回はラグナシアへ戻ったユーマたち。


街の異変と、住民たちの依存が見え始めます――。

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