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レベル1の『〇〇』 〜あなたが選ぶ転生物語〜  作者: 矢部夏 泡太
ラグナシア編

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第30話 『ソウルイーター』

導かれた人々はどこへ消えるのか。


その答えを求めて辿り着いた倉庫。


そこでユーマたちが見たのは、人々が肉として加工される光景だった。


そして現れたのは。


番人直属のモンスターソウルイーター。


ラグナシア編、初の本格戦闘が始まる。


投票の結果は①の戦うでした!


それでは第30話をお楽しみください。

「貴様ら。」


ロキが斧を肩に担ぐ。


「何をしている。」


ソウルイーターたちは笑った。


人の顔をしている。


だが。


もう人には見えなかった。


「見られてしまったか。」


「なら仕方ない。」


「消えてもらおう。」


ユーマは剣を抜く。


そして解体台を見る。


昼間まで笑っていたおばさん。


今は眠るように横たわっていた。


「おい。」


ユーマの声が低くなる。


「おばさんは傷付けるなよ。」


ロキは前へ出た。


「こんな奴ら。」


斧を構える。


「俺一人で十分だ。」


ユーマは思わず叫んだ。


「かっこつけんな!」


「勝手に突っ込むな!」


その時だった。


横から赤い光が溢れる。


ユーマは振り返る。


リリムだった。


AK-1010を構えている。


銃口の先に赤い魔法陣。


光が集まっていく。


嫌な予感しかしない。


リリムは少し笑った。


「ちょうど新武器を試したかったのよ。」


「待て。」


ユーマは嫌な汗をかく。


「待て待て待て。」


リリムは聞いていない。


光はさらに膨れ上がる。


「おばさん!!」


ユーマは叫んだ。


次の瞬間。


風歩。


身体が風になる。


一気に解体台へ飛び込んだ。


おばさんを抱える。


その直後だった。


ブォォォォォォォォォォン!!


赤い光線が倉庫を貫いた。


床が焼ける。


壁が消し飛ぶ。


奥の部屋まで一直線。


ソウルイーター数体が蒸発する。


倉庫全体が揺れた。


「お前馬鹿か!!」


ユーマが叫ぶ。


リリムは満足そうだった。


「当たった。」


「そこじゃねぇ!」


ロキはため息を吐く。


「邪魔するなと言っただろ。」


その瞬間。


斧が雷を帯びた。


青白い稲妻が走る。


バチバチと空気が弾ける。


そして。


ロキが消えた。


速い。


次の瞬間にはソウルイーターの目の前だった。


斧が振られる。


腕が飛ぶ。


脚が飛ぶ。


首が飛ぶ。


圧倒的だった。


「うおっ!?」


ユーマも思わず声を上げる。


同じレベル。


同じレベルのはずなのに。


強さが全然違う。


ソウルイーターが悲鳴を上げる。


ロキは止まらない。


雷を纏った斧が次々と敵を切り裂いていく。


まるで嵐だった。


「こいつやべぇ・・・。」


ユーマが呟く。


だが。


負けていられない。


「俺も行くぜ!」


ユーマが前へ出ようとした。


その時だった。


奥の扉が開く。


ドロリ。


ドロリ。


ドロリ。


嫌な音が響いた。


奥から現れる。


一体。


二体。


三体。


止まらない。


五体。


七体。


十体。


さらに。


さらに。


ソウルイーターが現れ続ける。


リリムの笑顔が引きつる。


「へへっ・・・。」


「流石にこれはやばいかも。」


ユーマは即答した。


「逃げろーーー!!」


三人は全力で走った。


戦略的撤退である。


決して逃亡ではない。


たぶん。


倉庫を飛び出す。


背後から大量のソウルイーター。


地面を這う。


壁を走る。


天井を伝う。


気持ち悪い。


「来てる来てる来てる!!」


ユーマが叫ぶ。


その時。


ロキだけが立ち止まった。


振り返る。


迫るソウルイーターの群れ。


ロキは斧を天へ向けた。


静かに言う。


「グングニル。」


空が光った。


次の瞬間。


ドォォォォォォォン!!!


巨大な落雷。


夜空を裂く雷光。


ソウルイーターの群れへ直撃する。


爆発。


轟音。


土煙。


ユーマは思わず振り返った。


「すげぇ・・・。」


セフィが声を上げる。


「ロキさん!」


「レベルが上がりました!」


ロキ

Lv8 → Lv10


ユーマは目を見開く。


「一気に二つ!?」


だが。


安心したのも束の間だった。


土煙の向こう。


バラバラになった肉片。


それが。


動いた。


「・・・は?」


ユーマが固まる。


肉片が集まる。


腕になる。


脚になる。


頭になる。


身体になる。


ソウルイーターたちは何事もなかったように立ち上がった。


「うそだろ・・・。」


リリムも顔をしかめる。


ロキも初めて眉をひそめた。


「面倒だな。」


ソウルイーターたちは痺れている。


動きは遅い。


だが。


死んでいない。


「実体がないのか・・・?」


ユーマは歯を食いしばる。


「ならこれだ!」


風切り。


風の刃が飛ぶ。


ソウルイーターを切り裂く。


真っ二つ。


だが。


数秒後には元通り。


「効いてねぇ!!」


ユーマは頭を抱えた。


リリムも言う。


「嫌な相手。」


完全に同意だった。


「今のうちだ!」


ユーマは叫ぶ。


「逃げるぞ!」


三人は再び走り出した。


森へ。


街外れの林へ。


とにかく距離を取る。


走る。


走る。


走る。


やがて。


ソウルイーターの気配が消えた。


「撒いたか・・・?」


ユーマは膝に手をつく。


息が切れる。


その時だった。


「あれ。」


ユーマは周囲を見回した。


「ロキは?」


いない。


リリムは平然と言った。


「置いてきた。」


「最低だなお前!」


その時。


草むらが揺れた。


ガサッ。


ロキだった。


無傷。


そして。


肩には。


ソウルイーターが一体。


縄でぐるぐる巻きにされていた。


「捕まえた。」


ユーマは思わず叫んだ。


「捕まえたじゃねぇよ!」


「なんで生け捕りにしてんだ!」


ロキは首を傾げる。


「情報が欲しいんだろう。」


正論だった。


ソウルイーターは地面へ放り投げられる。


ユーマはしゃがみ込んだ。


剣を突き付ける。


「お前ら何者だ。」


ソウルイーターは笑った。


「番人様の僕だ。」


「番人・・・。」


「魂を導く者。」


ユーマたちは顔を見合わせる。


やはり番人はいる。


この街に。


ソウルイーターは続けた。


「番人様は悲しみを救う。」


「苦しみを救う。」


「だから魂を頂く。」


意味が分からない。


だが。


重要なことだけは分かった。


導きには。


魂が関係している。


「番人はどこにいる。」


ユーマが聞く。


ソウルイーターは笑った。


気味が悪い笑顔だった。


「言うと思うか?」


「言え。」


ロキが斧を向ける。


だが。


ソウルイーターは笑ったままだった。


そして。


最後に一言だけ言った。


「もう遅い。」


「街の者はみな番人様を愛している。」


夜風が吹く。


ユーマの背筋に寒気が走った。


ラグナシア。


この街は。


自分たちが思っていたよりも遥かに深い闇を抱えていた。

第30話を読んでいただきありがとうございました!


ついに判明した番人の存在。


そして導きと魂の関係。


しかしまだ番人の正体は見えません。


次回、ユーマたちはさらにラグナシアの真実へ近付いていきます。

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