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レベル1の『〇〇』 〜あなたが選ぶ転生物語〜  作者: 矢部夏 泡太
ラグナシア編

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第29話 『導かれた場所』

導かれた人はどこへ行くのか。


その答えを求めて。


ユーマ、リリム、ロキの三人は夜のラグナシアを動いていた。


そしてついに。


この街が隠していた秘密へ辿り着く。


それでは第29話をお楽しみください。

黒い荷車は夜のラグナシアを進んでいた。


ユーマたちは距離を取りながら後を追う。


石畳を抜ける。


住宅街を抜ける。


やがて人通りが消えた。


街外れ。


倉庫街だった。


昼間とは違う。


静まり返っている。


どこか不気味だった。


「こんな場所あったんだな。」


ユーマが小声で言う。


「昼は来なかった。」


リリムも周囲を見回す。


ロキだけは荷車から目を離さない。


荷車は一番奥の建物へ入った。


大きな倉庫だった。


扉が閉まる。


明かりだけが漏れている。


三人は物陰へ身を隠した。


「どうする?」


ユーマが聞く。


「入る。」


ロキは即答だった。


「聞いた意味なかったな。」


ユーマはため息を吐く。


だが。


ここまで来て引き返す気もなかった。


三人は建物へ近付く。


裏口。


鍵は掛かっていなかった。


そっと開く。


中へ入る。


肉の匂いがした。


生臭い。


嫌な匂いだった。


薄暗い通路を進む。


やがて。


大きな部屋へ出た。


そこには大量の木箱が積まれていた。


ユーマは一つ開ける。


肉だった。


大量の肉。


別の箱も開ける。


肉。


また別の箱。


肉。


肉。


肉。


「なんだこれ・・・。」


ユーマは眉をひそめた。


リリムも嫌そうな顔をしている。


「食料庫?」


「量がおかしい。」


ロキが言う。


確かに。


街一つ分どころじゃない。


異常な量だった。


その時。


リリムが足を止めた。


「これ。」


小さく呟く。


ユーマは振り返る。


リリムの足元。


そこには服が落ちていた。


見覚えがあった。


昼間。


果物屋の前で会った女性。


ハートのブレスレットのおばさん。


あの人が着ていた服だった。


「・・・おい。」


ユーマの声が低くなる。


「やっぱり。」


リリムも気付いていた。


昼間まで笑っていた人。


数時間前まで生きていた人。


その服が。


ここにある。


ユーマの背筋を冷たいものが走った。


その時だった。


奥から声が聞こえる。


「今日のは状態が良いな。」


「導きたてだからな。」


「最高級だ。」


三人は顔を見合わせた。


奥に部屋がある。


明かりが漏れている。


ユーマたちは音を立てないよう近付いた。


少しだけ開いた扉。


隙間から中を見る。


そして。


ユーマは息を呑んだ。


そこにいたのは。


昼間の女性だった。


解体台の上に寝かされている。


眠っているように見える。


傷はない。


苦しんだ様子もない。


だが。


明らかに普通じゃなかった。


周囲には数人の男。


そして。


大きな包丁。


解体道具。


肉を吊るすための金具。


誰が見ても分かる。


ここは。


肉を加工する場所だった。


「・・・。」


ユーマの喉が鳴る。


作業員の一人が包丁を持ち上げる。


女性の胸元へ刃を向けた。


振り下ろそうとする。


その瞬間だった。


ドォンッ!!


轟音。


扉が吹き飛んだ。


木片が部屋中へ飛び散る。


作業員たちが振り返る。


そこに立っていたのは。


ロキだった。


巨大な斧を肩に担いでいる。


表情は変わらない。


だが。


怒っていた。


「貴様ら。」


ロキの声が響く。


「何をしている。」


ユーマは頭を抱えた。


「潜入の意味ぃぃぃ!!」


全部台無しだった。


リリムも呆れている。


「馬鹿。」


「いや俺じゃねぇから!」


作業員たちは顔を見合わせる。


そして。


笑った。


「見られてしまったか。」


「なら仕方ない。」


ユーマは剣を抜く。


「お前ら色々知ってそうだな。」


作業員の一人が首を鳴らした。


ゴキッ。


嫌な音だった。


「知っているとも。」


「番人様のためにな。」


その瞬間だった。


作業員の腕が膨れ上がる。


皮膚が裂ける。


骨が変形する。


背中が盛り上がる。


牙が伸びる。


目が赤く染まる。


人だったものが。


別の何かへ変わっていく。


リリムが銃を構えた。


「気持ち悪い。」


セフィが飛び出す。


そして叫んだ。


「ユーマさん!」


「モンスターです!」


【ソウルイーター】


レベル9


番人直属のモンスター


魂の回収と管理を担当する存在


ユーマは目を見開く。


「レベル9!?」


しかも。


一体じゃない。


二体。


三体。


四体。


部屋の奥にもいる。


「おいおいおい・・・。」


ユーマの額に汗が流れる。


リリムも表情を引き締めた。


「複数は聞いてない。」


「俺も聞いてない。」


ロキだけは静かだった。


斧を構える。


まるで目の前の敵などどうでもいいと言わんばかりに。


ソウルイーターたちは笑う。


「導きの邪魔をする者。」


「排除する。」


「魂ごと喰らってやろう。」


空気が変わった。


ユーマは剣を握り直す。


リリムはAK-1010を構える。


ロキは一歩前へ出た。


戦いは避けられない。


だが。


相手はレベル9のモンスター。


しかも複数。


果たして。


ユーマたちはどうする――。


【投票】


① 戦う


② 逃げる


あなたの選択が物語を変える。

第29話を読んでいただきありがとうございました!


ついにラグナシアの闇が姿を現しました。


導かれた人々。


肉加工場。


そして番人直属のモンスター、ソウルイーター。


次回、ユーマたちの選択は――?

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― 新着の感想 ―
①だろ 逃げるな!戦え!りりむ!
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