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レベル1の『〇〇』 〜あなたが選ぶ転生物語〜  作者: 矢部夏 泡太
死の森編

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第22話 『死の森の出口』

死の森最後の試練――化け狸を倒したユーマとリリム。


第一の街まではあと少し。


長かった死の森の旅も、いよいよ終わりを迎えようとしていた。


それでは第22話をお楽しみください。

化け狸を倒した翌日。


俺たちは死の森を歩いていた。


「やっと終わりか。」


思わず呟く。


ゴブリン。


盗賊。


化け狸。


思い返せばろくな思い出がない。


「死にそうな顔してる。」


リリムが言った。


「実際何回も死にそうだった。」


「弱いから。」


「うるさい。」


リリムは少し笑った。


最近分かった。


こいつ。


結構笑う。


最初はもっと怖い奴だと思っていたんだけどな。


リリムが前を指差した。


「出口。」


俺は顔を上げる。


その先にあったのは。


巨大な石の扉だった。


高さは十メートル以上。


左右には古い石像。


長い年月を感じさせる。


まるで遺跡だ。


「なんだこれ。」


「知らない。」


「知らないのかよ。」


「でも出口。」


適当だな。


俺は扉へ近付く。


そして気付く。


中央。


鍵穴があった。


「鍵?」


その瞬間。


俺は思い出した。


ポーチを漁る。


そして取り出す。


盗賊のアジトで見つけた銀色の鍵。


「まさか。」


鍵穴へ差し込む。


カチッ。


音が鳴った。


次の瞬間。


ゴゴゴゴゴゴ・・・。


大きな音を立てながら扉が開き始める。


「おぉ・・・。」


「開いた。」


「開いたな。」


なんか感動した。


あの盗賊。


意外と良い物持ってたんだな。


扉の先には小さな石造りの部屋があった。


昔の休憩所のような場所だ。


「なんだここ。」


俺たちは中へ入る。


そこには木箱や棚が並んでいた。


「宝箱。」


リリムが即座に駆け寄る。


目が輝いていた。


「お前そういうキャラだったの?」


「宝箱は開けるためにある。」


名言っぽいこと言いやがった。


リリムは迷いなく箱を開ける。


中には。


黒い銃が入っていた。


今までの物より明らかに大きい。


そして格好良い。


「おぉ。」


俺も思わず声を漏らす。


リリムは持ち上げた。


少し重そうだ。


だが。


顔は嬉しそうだった。


「新しい銃?」


「たぶん。」


側面を見る。


刻まれていた文字。


AK-1010


「強そう。」


「強そう。」


珍しく意見が一致した。


リリムは肩へ担ぐ。


妙に似合う。


「気に入った?」


「うん。早く試したい。試しにぶっ放しでいい?」


「やめろ!」


リリムは笑ってる。

かなり気に入ったらしい。


もう一つ宝箱がある。


ユーマが目を輝かせて


「これ絶対俺用の新武器じゃん!」

「やっほー!!!」


宝箱を開ける。


そこには狼の骨と

ただの木の剣


「クソがっ!」


リリムが笑う。


「仕方ない。あんたまだ雑魚だもん。」


ユーマは拗ねている。

自分も新しい武器がほしかった。


「っうるせ」


その後。


棚を調べていると。


一枚の古い新聞を見つけた。


「なんだこれ。」


俺は広げる。


そこには大きく書かれていた。


【癒しの楽園 ラグナシア】


その文字の下には綺麗な街の絵。


さらに記事が続く。


『旅に疲れた冒険者』


『故郷を失った難民』


『勇者』


『商人』


『誰でも歓迎します』


『あなたに救いの手を』


『美しい街並み』


『安全な宿』


『豊かな食事』


『癒しの楽園 ラグナシアへようこそ』


俺は新聞を見ながら言った。


「めちゃくちゃ良い街じゃん。」


リリムは怪しいものを見る目をしていた。


「怪しい。」


「なんでだよ。」


「良いことしか書いてない。」


「観光広告だからな。」


「逆に怪しい。」


疑い深いな。


でも。


少しだけ分かる気もした。



扉の向こうへ進む。


森は少しずつ薄くなっていく。


木々の数も減る。


空が広くなる。


風が気持ち良い。


そして。


最後の坂を登った時だった。


「・・・おぉ。」


思わず声が漏れた。


そこにあったのは。


巨大な街。


白い城壁。


大きな門。


綺麗な石畳。


水路。


風車。


人々の姿。


遠くには城まで見える。


まるでゲームの最初の街みたいだった。


「これが・・・。」


「ラグナシア。」


リリムが言う。


「第一の街。」


俺は少しだけ笑った。


異世界へ来て。


死にかけて。


レベルを上げて。


仲間もできた。


そしてようやく。


最初の目的地へ辿り着いた。


「行こうぜ。」


「うん。」


俺たちは坂を下る。


門番が立つ大きな門。


その向こうでは多くの人が行き交っていた。


冒険者。


商人。


旅人。


そして。


まだ見ぬ出会い。


まだ見ぬ冒険。


俺たちは門をくぐる。


こうして。


第一の街――ラグナシアへ足を踏み入れた。

第22話を読んでいただきありがとうございました!


死の森編、ついに完結!


そして新たな武器AK-1010も登場!


次回からはいよいよ第一の街ラグナシア編がスタートします!


新たな出会い。


新たな冒険。


そして街で待つ人物とは――?

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