第148話 『八百長リング』
パンッ!
パンッ!
パンッ!
銃声が鳴り響く。
ユーマは風歩で次々と弾丸をかわしていく。
「くっ……!」
「攻撃する隙がねぇ!」
実況が叫ぶ。
「逃げる!逃げる!」
「ユーマ選手!」
「完全に防戦一方だぁぁぁ!!」
バリントンは笑う。
「終わりだ。」
パンッ!!
パンッ!!
ユーマは地面を転がりながら避け続ける。
「ちっ!」
その時だった。
ゴゴゴゴゴ……
リングの床が開く。
実況。
「きたぁぁぁぁぁ!!」
「第二アイテムボックス出現!!」
ユーマは迷わず飛び付く。
「助かった!!」
箱を開ける。
中から現れたのは——
ピコピコハンマー。
ユーマ。
「…………。」
会場。
「…………。」
実況。
「お、おっとぉ……。」
「これはまさかの……。」
「ピコピコハンマーです!!」
観客席が大爆笑に包まれる。
「ぶはははは!!」
「なんだそれ!!」
「ガキのおもちゃじゃねぇか!!」
ユーマ。
「なんじゃこりゃぁぁぁぁぁ!!!!」
バリントンは腹を抱えて笑った。
「そんなもんで俺を倒すのか?」
ユーマ。
「くっそぉ!!」
「これしかねぇんだよ!!」
覚悟を決める。
「うぉぉぉぉぉぉ!!!!」
風歩。
一気に距離を詰める。
バリントン。
「馬鹿め。」
ユーマ。
「くらえぇぇぇぇ!!」
ピコッ♪
静寂。
バリントン。
「……。」
ユーマ。
「……。」
ユーマは乾いた笑みを浮かべた。
「へへっ。」
「だよな。」
次の瞬間。
ボゴォォォォォン!!!
巨大な拳がユーマの腹へ突き刺さる。
「がはっ!!」
ユーマの身体は金網まで吹き飛ばされた。
ドォォォォォン!!
実況。
「決まったぁぁぁぁ!!」
「カウンターパンチィィィ!!」
リリム。
「ユーマ!!」
レイ。
「立て!」
ロキは黙ったままリングを見つめていた。
その時。
ゴゴゴゴゴ……
再び床が開く。
実況。
「第三アイテムボックス出現!!」
箱は。
バリントンの足元だった。
バリントンはニヤリと笑う。
「運も俺の味方だ。」
箱を開ける。
中から現れたのは。
一本の刀。
観客席。
「おぉぉぉぉぉ!!」
実況。
「大当たりぃぃぃぃ!!」
「日本刀です!!」
バリントンはゆっくり刀を抜く。
キィィン……
鋭い刃が光を反射した。
その様子を見ていたオヤジの顔色が変わる。
「嘘だろ……。」
レイ。
「どうした。」
オヤジ。
「あいつ……。」
「あいつまただ……。」
ロキ。
「また?」
オヤジは歯を食いしばる。
「あの野郎。」
「運営と組んでやがる。」
リリム。
「え?」
オヤジ。
「毎回そうなんだ。」
「バリントンには。」
「強い武器しか出ねぇ。」
「拳銃。」
「刀。」
「鎧。」
「回復薬。」
「全部あいつのところへ行く。」
レイ。
「八百長か。」
オヤジは頷く。
「このリングは。」
「最初から仕組まれてる。」
「勝たせたい奴を。」
「運営が勝たせる。」
リリム。
「そんなのありなの!?」
オヤジは苦笑した。
「ありなんだよ。」
「ここはゴールドラッシュだからな。」
ロキは静かに呟く。
「なんでもあり……か。」
レイも苦笑する。
「なんでもありって。」
「そんなことまでありなのかよ。」
オヤジ。
「金がある方が。」
「ルールなんだ。」
リングの上。
ユーマはゆっくり立ち上がる。
口から血を流しながら。
手に持つ武器は。
ピコピコハンマー。
対するバリントンは。
鋭い日本刀を肩に担ぐ。
実況が叫ぶ。
「これはもう勝負あったかぁぁぁ!!」
「挑戦者ユーマ!!」
「絶体絶命です!!」
バリントンは刀を構えた。
「終わりだ。」
大きく踏み込む。
「死ねぇぇぇぇぇぇ!!!!」
振り下ろされる白刃。
ユーマは歯を食いしばった。
「くそっ——!!」




