表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
レベル1の『〇〇』 〜あなたが選ぶ転生物語〜  作者: 矢部夏 泡太
死の森編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

14/38

第14話 『はじめての旅』

ミスト村を旅立ったユーマ。


レベル5。


鉄の剣。


風属性。


そして冒険者。


ついに本当の意味での旅が始まりました。


それでは第14話をお楽しみください。


森の中を歩く。


ひたすら歩く。


とりあえず歩く。


「……。」


「……。」


「……。」


俺は立ち止まった。


「なあ。」


「なんですか?」


セフィが振り返る。


「そういえば。」


「はい。」


「俺どこ行けばいいんだ?」


沈黙。


数秒。


セフィが言った。


「今さらですか?」


「今さらだ。」


「地図は?」


「ない。」


「目的地は?」


「知らん。」


「計画は?」


「ない。」


「すごいですね。」


「だろ?」


「褒めてません。」


そうだった。


勢いで旅立ったものの。


どこへ向かえばいいのか知らなかった。


第一の街があるのは知っている。


でも。


どっちだ。


「まあ。」


俺は歩き出した。


「とりあえず進めばなんとかなるだろ。」


「死亡フラグですね。」


「やめろ。」



森は思ったより広かった。


ミスト村周辺とは違う。


木も大きい。


空気も重い。


そして。


静かだ。


「なんか怖いな。」


「村の外ですから。」


セフィが言う。


「当たり前ですが。」


「モンスターも強くなります。」


その時だった。


ガサッ。


草むらが揺れる。


俺は反射的に鉄の剣へ手を伸ばした。


「来ます。」


セフィが言う。


次の瞬間。


飛び出してきた。


狼だった。


灰色の毛並み。


鋭い牙。


獰猛な目。


ゲームでよく見るやつだ。


「ウルフか。」


セフィが頷く。


「レベル3です。」


「レベル3か。」


ミスト村の頃なら怖かった。


でも今は違う。


俺はレベル5。


風切りも覚えた。


少しだけ自信があった。


ウルフが飛び掛かってくる。


速い。


だが見える。


俺は横へ避ける。


地面へ着地したウルフが再び向きを変える。


「なるほど。」


俺は笑った。


どんなゲームにも共通している。


敵にはパターンがある。


まず観察。


それが攻略の基本だ。


ウルフが低く構える。


次は飛び掛かりだ。


俺は剣を構える。


来た。


飛び掛かる。


避ける。


着地。


隙。


「そこだ!」


剣を振る。


ザシュッ!


ウルフの脇腹を斬る。


悲鳴。


距離を取る。


もう一度飛び掛かる。


避ける。


斬る。


避ける。


斬る。


ガルドとの修行を思い出す。


焦るな。


見ろ。


考えろ。


そして。


攻略しろ。


「俺のゲーマーとしての勘だ!」


ウルフが最後の突撃をしてくる。


俺は剣を構えた。


風を纏う。


そして。


「風切り!!」


ビュッ!


風の刃が飛ぶ。


一直線。


ウルフの首元へ命中する。


ウルフは数歩よろめき。


そのまま倒れた。


動かない。


「よし!」


俺は拳を握った。


勝った。


しかも余裕を持って。


少し嬉しい。


かなり嬉しい。


「調子に乗らないでください。」


セフィが言う。


「乗ってない。」


「顔がニヤけてます。」


「乗ってた。」



その時だった。


背後から低い唸り声が聞こえた。


「ん?」


振り返る。


そこには。


もう一匹いた。


「は?」


さっきのウルフより少し大きい。


しかも。


距離が近い。


近すぎる。


「聞いてない!」


「聞かれてません!」


セフィが叫ぶ。


ウルフが飛び掛かる。


速い。


避けられない。


間に合わない。


俺は反射的に剣を構えた。


その瞬間だった。


パンッ!!


乾いた音が響く。


次の瞬間。


赤い光が走った。


ウルフの頭部へ命中する。


ドンッ!!


小さな爆発。


炎。


ウルフが吹き飛ぶ。


地面を転がる。


そして動かなくなった。


「……は?」


俺は固まった。


今の何だ。


魔法?


いや違う。


もっと別の。


聞いたことのある音。


見たことのある光。


まさか。


俺は振り返る。


岩の上。


そこに一人の少女が立っていた。


黒いフード。


赤い髪。


そして。


手には見慣れた武器。


銃。


間違いない。


銃だった。


ギルドで見た少女。


あの時の。


鋭い目。


吸い込まれそうな瞳。


俺を見下ろしている。


少女は小さくため息を吐いた。


そして言った。


「それじゃ死ぬわよ。」


俺は思わず叫んだ。


「やっぱりギルドにいた奴だ!」


少女は呆れた顔をした。


そこで第14話は終わる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ