表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
レベル1の『〇〇』 〜あなたが選ぶ転生物語〜  作者: 矢部夏 泡太
氷戦の街 グラディア編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
121/153

第121話 『悪魔の声』

『準々決勝最終試合!!』


『開始ィィィィィ!!』


ゴングが鳴る。


ドォォォォォン!!


試合開始と同時に。


グランが地面を蹴った。


速い。


巨体とは思えない速度。


一瞬でロキとの距離を詰める。


ロキも動く。


ケラノウスを構える。


「雷槍。」


ドォォォォォォン!!


雷撃。


だが。


グランは止まらない。


真正面から突破した。


「甘ぇ。」


拳。


ドゴォォォォォン!!


ロキが吹き飛ぶ。


観客席が沸く。


「速ぇ!!」


「グラン強ぇ!!」


「番人の弟子だ!!」


ロキは着地する。


しかし。


表情は険しい。


グランは戦斧を肩に担ぐ。


「その程度か。」


ロキは答えない。


グランは続ける。


「その程度で。」


「師匠に会えると思ったか?」


静寂。


ロキの眉が動く。


グランは笑う。


「届かねぇよ。」


「お前じゃな。」


その瞬間。


バチッ。


雷が漏れた。


ロキの周囲の空気が震える。


ユーマ。


「まずい。」


レイも目を細める。


「・・・。」


グランは気付かない。


さらに挑発する。


「師匠はな。」


「強い。」


「お前みたいな半端者が――」


ロキが前へ出た。


「黙れ。」


グラン。


「あ?」


ロキ。


「黙れ。」


低い声。


怒り。


殺意。


憎悪。


それら全てが混ざった声だった。


グランは笑う。


「言われて黙るかよ。」


戦斧を構える。


「証明してみろ。」


「お前の強さを。」


ドォン!!


再び激突。


雷。


斧。


衝撃。


闘技場が揺れる。


しかし。


押しているのはグランだった。


一撃。


二撃。


三撃。


ロキは防ぐ。


だが。


押される。


観客席もざわつく。


「グラン優勢だ!」


「ロキ苦しいぞ!」


「やっぱり弟子も化け物だ!」


ロキは地面を滑る。


呼吸が荒い。


視界も揺れる。


そして。


無意識に胸元へ手を伸ばした。


黒い魔導書。


悪魔契約。


その瞬間だった。



『ククク・・・。』




ロキの身体が止まる。


その声。


誰にも聞こえない。


ロキだけに聞こえる。


ロキ。


「・・・。」


『面白いな。』


ロキ。


「黙れ。」


『あいつが憎いか?』


ロキ。


「黙れ。」


『殺したいか?』


ロキの顔が歪む。


「黙れ。」


『欲しいんだろ?』


『力が。』


『復讐の力が。』


ロキ。


「黙れぇぇぇぇぇ!!」


観客席。


ユーマ。


「ロキ?」


突然叫んだロキに驚く。


だが。


ロキには聞こえていない。


『ククク・・・。』


『面白い。』


『実に面白い。』


ロキ。


「出てくるな・・・。」


『なぜ?』


『お前が呼んだんだろう?』


ロキ。


「違う。」


『違わない。』


『お前は力を求めた。』


『俺は応えただけだ。』


ロキ。


「俺は・・・。」


『復讐したい。』


『殺したい。』


『憎い。』


『怒り。』


『怒り。』


『怒り。』


『怒り。』


ロキ。


「やめろ・・・。」


『なら。』


『俺がやってやる。』


バチッ。


黒雷。


一本。


二本。


三本。


闘技場が静まり返る。


誰もが気付いた。


何かがおかしい。


レイが立ち上がる。


「まずい。」


ユーマ。


「おい。」


「ロキ!!」


ロキは必死に歯を食いしばる。


額に汗が流れる。


身体も震えている。


抵抗していた。


必死に。


必死に。


何かと戦っていた。


『どけ。』


ロキ。


「嫌だ・・・。」


『どけ。』


ロキ。


「嫌だ!!」


『どけ。』


黒雷が爆発した。


ドォォォォォォォォォォン!!!


観客席から悲鳴が上がる。


実況も言葉を失う。


グランが後退る。


初めて。


初めて警戒した。


「何だ・・・?」


煙。


黒雷。


魔力。


全てが渦を巻く。


そして。


ゆっくりと。


顔が上がる。


そこにいるのは。


ロキだった。


見た目は。


だが。


目が違う。


赤い。


冷たい。


そして。


笑っていた。


ロキなら絶対にしない笑い方で。


グランの背筋が凍る。


本能が叫ぶ。


逃げろと。


目の前にいるのは。


ロキじゃないと。


その男は口を開く。


そして。


初めて。


声を発した。


「よう。」


ニヤリ。


「邪魔者。」


その声は。


ロキのものではなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ