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レベル1の『〇〇』 〜あなたが選ぶ転生物語〜  作者: 矢部夏 泡太
ミスト村編

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12/38

第12話 『最終試験』

前回の投票結果です!


① 戦う


② 逃げる


投票の結果、もちろん0票・・・



ですがここは大事な回。


作者の独断で

【① 戦う】


に決定しました!


ついに始まる最終試験。


相手はレベル3のゴブリン。


ユーマはこの壁を越えられるのでしょうか――。


それでは第12話をお楽しみください。

ゴブリンはこちらを見ていた。


俺もゴブリンを見る。


レベル3。


今まで戦った相手より強い。


体も大きい。


腕も太い。


威圧感も違う。


ガルドは腕を組んだ。


「どうする?」


俺は竹刀を握る。


答えなんて決まっている。


「戦う。」


ガルドは小さく頷いた。


「そうか。」


それだけだった。


助ける気はないらしい。


本当に薄情な師匠である。


ゴブリンが吠えた。


地面を蹴る。


速い。


一気に距離を詰めてきた。


棍棒が振り下ろされる。


俺は横へ飛んだ。


ドゴォッ!


地面が砕ける。


直撃していたら終わっていた。


だが。


俺は少しだけ笑った。


「なるほどな。」


ゴブリンが再び突っ込んでくる。


右から横薙ぎ。


避ける。


左から横薙ぎ。


避ける。


そして振り下ろし。


避ける。


もう一度。


右。


左。


振り下ろし。


また右。


左。


振り下ろし。


「何やってる。」


ガルドが言った。


俺は答える。


「観察。」


「観察?」


「ああ。」


俺はゴブリンを見続ける。


ゲームなら基本だ。


敵には必ずパターンがある。


雑魚敵も。


中ボスも。


ラスボスも。


どんなゲームでもそうだ。


適当に暴れているように見えても。


実は同じ行動を繰り返している。


俺のゲーマーとしての勘がそう言っていた。


「見えた。」


俺は呟く。


右。


左。


振り下ろし。


この三連撃。


これがこいつの基本コンボだ。


そして。


振り下ろしの後だけ。


ほんの少しだけ隙ができる。


ゴブリンが吠える。


右。


避ける。


左。


避ける。


そして。


振り下ろし。


来た。


俺は横へ避けない。


前へ飛び込む。


棍棒の懐。


一番安全な場所だ。


竹刀を振る。


パシッ!


腕に当たる。


ゴブリンが怯む。


だが浅い。


まだ倒れない。


逆に怒った。


棍棒が飛んでくる。


ドゴッ!


肩に直撃した。


「ぐあっ!」


吹き飛ばされる。


地面を転がる。


痛い。


めちゃくちゃ痛い。


やっぱり強い。


だが。


俺は笑った。


「そうだよな。」


ゲームも同じだ。


攻撃パターンを見抜いたから勝てるわけじゃない。


そこから反撃を成功させないと意味がない。


攻略には練習が必要だ。


俺は立ち上がる。


ゴブリンを見る。


もう怖くなかった。


見えている。


攻撃が。


行動が。


隙が。


全部。


「俺のゲーマーとしての勘だ。」


ゴブリンが突っ込んでくる。


右。


避ける。


左。


避ける。


振り下ろし。


前へ。


潜り込む。


一撃。


二撃。


三撃。


今度は連続で叩き込む。


ゴブリンがよろめいた。


コンボ成功。


思わず笑う。


そうだ。


これだ。


俺は力で押すタイプじゃない。


相手を見て。


考えて。


攻略する。


それが俺の戦い方だ。


ゴブリンが最後の突撃をしてくる。


俺は竹刀を構える。


風を感じる。


何百回も練習した。


何百回も振った。


俺の必殺技。


「風切り!!」


ビュッ!!


風の刃が飛ぶ。


今までで一番綺麗だった。


一直線に。


迷いなく。


ゴブリンの胸へ命中する。


ゴブリンが止まる。


一歩。


二歩。


ふらつく。


そして。


倒れた。


静寂。


俺はしばらく動けなかった。


本当に勝ったのか。


信じられなかった。


だが。


ゴブリンは動かない。


勝った。


俺の力で。


俺の戦い方で。


勝った。


その瞬間。


体が温かくなる。


ステータスが開いた。


名前:ユーマ・カミサキ


レベル:5


「おお……。」


ついに。


レベル5だ。


後ろから足音が聞こえる。


ガルドだった。


相変わらず枝を持っている。


最後まで枝だった。


「終わったな。」


「勝ったぞ。」


「ああ。」


「見たか?」


「ああ。」


「レベル5だぞ。」


「ああ。」


反応が薄い。


もっと褒めろ。


ガルドは少しだけ笑った。


「合格だ。」


俺は目を瞬いた。


「え?」


「最終試験終了だ。」


ガルドは肩を回す。


そして言った。


「明日。」


「ギルドへ行くぞ。」


俺は思わず笑った。


ついに。


冒険者になれる。


ミスト村を出られる。


俺の冒険が。


本当の意味で始まる。

第12話を読んでいただきありがとうございました!


ユーマ、ついにレベル5到達!


そして初めて自分の戦い方を見つけました。


次回はいよいよギルド登録です!

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