第12話 『最終試験』
前回の投票結果です!
① 戦う
② 逃げる
投票の結果、もちろん0票・・・
ですがここは大事な回。
作者の独断で
【① 戦う】
に決定しました!
ついに始まる最終試験。
相手はレベル3のゴブリン。
ユーマはこの壁を越えられるのでしょうか――。
それでは第12話をお楽しみください。
ゴブリンはこちらを見ていた。
俺もゴブリンを見る。
レベル3。
今まで戦った相手より強い。
体も大きい。
腕も太い。
威圧感も違う。
ガルドは腕を組んだ。
「どうする?」
俺は竹刀を握る。
答えなんて決まっている。
「戦う。」
ガルドは小さく頷いた。
「そうか。」
それだけだった。
助ける気はないらしい。
本当に薄情な師匠である。
ゴブリンが吠えた。
地面を蹴る。
速い。
一気に距離を詰めてきた。
棍棒が振り下ろされる。
俺は横へ飛んだ。
ドゴォッ!
地面が砕ける。
直撃していたら終わっていた。
だが。
俺は少しだけ笑った。
「なるほどな。」
ゴブリンが再び突っ込んでくる。
右から横薙ぎ。
避ける。
左から横薙ぎ。
避ける。
そして振り下ろし。
避ける。
もう一度。
右。
左。
振り下ろし。
また右。
左。
振り下ろし。
「何やってる。」
ガルドが言った。
俺は答える。
「観察。」
「観察?」
「ああ。」
俺はゴブリンを見続ける。
ゲームなら基本だ。
敵には必ずパターンがある。
雑魚敵も。
中ボスも。
ラスボスも。
どんなゲームでもそうだ。
適当に暴れているように見えても。
実は同じ行動を繰り返している。
俺のゲーマーとしての勘がそう言っていた。
「見えた。」
俺は呟く。
右。
左。
振り下ろし。
この三連撃。
これがこいつの基本コンボだ。
そして。
振り下ろしの後だけ。
ほんの少しだけ隙ができる。
ゴブリンが吠える。
右。
避ける。
左。
避ける。
そして。
振り下ろし。
来た。
俺は横へ避けない。
前へ飛び込む。
棍棒の懐。
一番安全な場所だ。
竹刀を振る。
パシッ!
腕に当たる。
ゴブリンが怯む。
だが浅い。
まだ倒れない。
逆に怒った。
棍棒が飛んでくる。
ドゴッ!
肩に直撃した。
「ぐあっ!」
吹き飛ばされる。
地面を転がる。
痛い。
めちゃくちゃ痛い。
やっぱり強い。
だが。
俺は笑った。
「そうだよな。」
ゲームも同じだ。
攻撃パターンを見抜いたから勝てるわけじゃない。
そこから反撃を成功させないと意味がない。
攻略には練習が必要だ。
俺は立ち上がる。
ゴブリンを見る。
もう怖くなかった。
見えている。
攻撃が。
行動が。
隙が。
全部。
「俺のゲーマーとしての勘だ。」
ゴブリンが突っ込んでくる。
右。
避ける。
左。
避ける。
振り下ろし。
前へ。
潜り込む。
一撃。
二撃。
三撃。
今度は連続で叩き込む。
ゴブリンがよろめいた。
コンボ成功。
思わず笑う。
そうだ。
これだ。
俺は力で押すタイプじゃない。
相手を見て。
考えて。
攻略する。
それが俺の戦い方だ。
ゴブリンが最後の突撃をしてくる。
俺は竹刀を構える。
風を感じる。
何百回も練習した。
何百回も振った。
俺の必殺技。
「風切り!!」
ビュッ!!
風の刃が飛ぶ。
今までで一番綺麗だった。
一直線に。
迷いなく。
ゴブリンの胸へ命中する。
ゴブリンが止まる。
一歩。
二歩。
ふらつく。
そして。
倒れた。
静寂。
俺はしばらく動けなかった。
本当に勝ったのか。
信じられなかった。
だが。
ゴブリンは動かない。
勝った。
俺の力で。
俺の戦い方で。
勝った。
その瞬間。
体が温かくなる。
ステータスが開いた。
名前:ユーマ・カミサキ
レベル:5
「おお……。」
ついに。
レベル5だ。
後ろから足音が聞こえる。
ガルドだった。
相変わらず枝を持っている。
最後まで枝だった。
「終わったな。」
「勝ったぞ。」
「ああ。」
「見たか?」
「ああ。」
「レベル5だぞ。」
「ああ。」
反応が薄い。
もっと褒めろ。
ガルドは少しだけ笑った。
「合格だ。」
俺は目を瞬いた。
「え?」
「最終試験終了だ。」
ガルドは肩を回す。
そして言った。
「明日。」
「ギルドへ行くぞ。」
俺は思わず笑った。
ついに。
冒険者になれる。
ミスト村を出られる。
俺の冒険が。
本当の意味で始まる。
第12話を読んでいただきありがとうございました!
ユーマ、ついにレベル5到達!
そして初めて自分の戦い方を見つけました。
次回はいよいよギルド登録です!




